日本の歴史

日本三大祭りとは?日本全国の様々な「三大〇〇祭り」をご紹介!

日本全国には様々なお祭りがあります。神社仏閣を中心に祀られている神様のための勇壮なお祭りから、各地域に伝わる小さなお祭りまで実にさまざま。どれを取り上げても一つ一つそれぞれ魅力的で見ごたえがありますが、そこに「三大」が付くと一層魅力が増すから不思議です。一生に一度は直に見てみたい日本の「三大〇〇祭り」をドドンとご紹介します。

これぞ日本の祭り!全国から観光客が集まる「日本三大〇〇祭り」

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日本の祭りの中には、全国から数万人規模の観光客が集まるような大きなものもたくさんあります。そんな祭りを3つ並べて「日本三大祭り」などと呼ぶことがあるのですが、その「日本三大……」にもたくさん種類があことをご存知ですか?日本のみならず世界にも名を轟かせる、観光の目玉にもなっている大きなお祭りを集めた「日本三大〇〇祭り」。今回は数ある中から厳選して3つ、ご紹介します。

規模も大きければ歴史も深い「日本三大祭り」

●祇園祭(京都府京都市・八坂神社)7月
●天神祭(大阪府大阪市・大阪天満宮)6月下旬~7月25日
●神田祭(東京都千代田区・神田明神)2年に1度・5月中旬

祇園祭平安時代から約1100年以上もの歴史を持つお祭り。もともとは京都で流行した疫病を鎮めるために始まったものなのだそうです。ほぼ1か月間に渡り、宵山、山鉾巡礼、神輿渡御など様々な祭事が行われ、京都の街中は豪華絢爛・平安絵巻のような優雅な雰囲気に。現在では京都の夏の風物詩として、五山送り火(大文字焼き)や時代祭などと並んで数十万人の観光客を集める一大イベントとなっています。

天神祭とはそもそも、学問の神様として知られる菅原道真公の命日にちなんで毎月25日頃に全国の天満宮で行われるお祭りのこと。数ある天神祭の中で最も有名なのが、大阪天満宮の天神祭です。こちらも1000年以上もの歴史を持ち、祭りの期間中は多くの観光客で賑わいます。中でも7月25日に行われる、大阪の街中を流れる大川に多くの船が出る船渡御(ふなとぎょ)と数千発もの奉納花火は特に有名です。

神田祭神田明神(神田神社)で行われる祭礼で、「神田明神祭」と呼ばれることもあります。もとは旧暦9月中旬に行われていましたが、現在では本祭、陰祭を隔年に行うようになりました。「鳳輦神輿遷座祭」「氏子町会神輿神霊入れ」といった神事・行事を経て、ビルに囲まれた大通りが神輿の担ぎ手で埋め尽くされていきます。日本橋や大手町、丸の内、秋葉原など東京の中心街を神輿が巡行する「神幸祭」は圧巻です。

大迫力!「日本三大喧嘩祭り」

●岸和田だんじり祭り(大阪府岸和田市)9月中旬
●角館のお祭り(秋田県仙北市)9月初旬
●飯坂けんか祭り(福島県福島市)10月初旬

※上記以外に、以下の祭りを挙げる場合もあります。

●新居浜太鼓祭り(愛媛県新居浜市)10月中旬
●伊万里トンテントン祭り(佐賀県伊万里市)10月中旬
●伏木曳山祭(富山県高岡市)5月中旬
●灘のけんか祭り(兵庫県姫路市)10月中旬

喧嘩祭りとは、山車や神輿、曳山、太鼓台などをぶつけ合いながら行う勇壮な祭りの総称です。激しくぶつかり合う様子がまるで喧嘩をしているように見えるためそのように呼ばれていますが、どれも基本的には地域の鎮守や神社のお祭りのこと。福島の「飯坂けんか祭り」や秋田の「角館のお祭り」の激しさはとくに有名で、祭りのクライマックスでは大きな神輿や曳山のぶつけ合いが始まります。

岸和田のだんじり祭りも、以前はだんじり(山車)同士がすれ違う際にぶつかり合うことが多かったため、喧嘩祭りの代名詞といわれることもありました。現在ではコースが変わり、だんじりがすれ違うことはなくなったそうですが、それでも山車を引くスピードや激しさから、「喧嘩祭り=岸和田のだんじり」を想像する人も少なくないようです。

豪華絢爛!「日本三大花火大会」

●全国花火競技大会・大曲の花火(秋田県大仙市)8月第4土曜
●土浦全国花火競技大会(茨城県土浦市)10月第1土曜
●長岡まつり大花火大会(新潟県長岡市)8月2日・3日

大曲の花火はもともと明治後期、大仙市にある諏訪神社のお祭りの余興として開催されました。現在では毎年全国から多くの花火制作会社が参加し、賞を競い合う競技大会。秋田県南部を流れる雄物川(おものがわ)の川岸で行われ、数十万人の観光客が夜空に咲く20,000発もの大玉の花火に酔いしれます。

全国規模の競技大会という点で、大曲と双璧を担うのが土浦の花火大会です。もともとは戦死者を慰めるために始まったものとされていますが、地元の名士たちによって志が受け継がれ、現在では日本屈指の規模を誇る花火大会となりました。

長岡まつりも、第二次世界大戦からの戦災復興を目的に始まったものです。信濃川の河川敷で開催され、日本一の大河を前に20,000発もの花火が打ち上げられます。大きな花火が打ち上げられることでも有名です。

地域密着!代表的な「〇〇三大祭り」

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地域に根付いたお祭りであっても、全国に名を轟かせているものもたくさんあります。その地方独特の文化風習を色濃く残す地域の祭りは、地元の人のみならず多くの観光客をも魅了するものです。数ある地域型三大祭りの中から、有名なものをご紹介します。

東北の夏祭りはアツい!「東北三大祭り」

●仙台七夕まつり(宮城県仙台市)8月7日前後
●青森ねぶた祭(青森県青森市)8月2日~7日
●秋田竿燈まつり(秋田県秋田市)8月3日~6日

東北地方の夏祭りは短い夏を惜しむかのように盛大に行われます。そんな夏祭りの中で最も規模が大きいとされるのが仙台の七夕、青森のねぶた、そして秋田の竿燈まつりです。

仙台七夕まつりでは、市街地のアーケード街や駅周辺を筆頭に市内のいたるところに七夕飾りが飾り付けられ、パレードやコンサートなど様々な催し物が行われます。仙台藩祖・伊達政宗が行った年中行事のひとつが発祥と言われているのだそうです。

「ねぶた(ねぷた)」とは東北を中心行われてきた夏の行事のひとつで、悪疫を払う意味があるといいます。これと霊を送るために行うお盆の火祭りといった行事が結び付き、各地でねぶた祭りが行われるようになりました。最も規模が大きく有名なものとして知られているのが「青森ねぶた祭り」です。人物などをかたどった巨大な灯籠に火を灯して引き回す勇壮な祭りは、毎年多くの観光客を魅了しています。

「秋田竿燈(かんとう)まつり」も8月の初旬に行われる祭りです。長い竿に米俵に見立てたたくさんの提灯を下げ豊作を祈る年中行事で、中には竿の長さが12mになるものもあります。たわたに実る稲穂のような細い竿はバランスをとるのが難しく技が必要。竿燈を巧みに操る持ち手の技に、観光客から大きな声援が飛びます。

粋でいなせな「江戸三大祭り」

●山王祭(東京都千代田区・日枝神社)2年に1度・6月中旬
●深川祭(東京都江東区・富岡八幡宮)8月中旬
●神田祭

江戸っ子は祭りが大好き。どの地域にも地元の人々に愛され続ける、明るく元気な祭りがたくさんあります。中でも有名なのが「神輿深川、山車神田、だだっ広いが山王様」のうたい文句でも知られる「山王祭」「深川祭」と、日本三大祭りにも数えられている「神田祭」です。

山王祭(さんのうまつり)は正式名称を「日枝神社大祭」といい、江戸時代には将軍徳川家から大切にされていたという由緒正しいお祭り。期間中には多くの行事が行われ、銀座や丸の内など東京の中心地を神輿が巡行する様子は多くの観光客を引き寄せています。

深川祭も古くから江戸庶民に親しまれてきたお祭りで、特に神輿の迫力・勇壮さが人気です。期間中は100基を超える神輿が街に繰り出し、各神輿の担ぎ手には暑さ避けのためにたくさんの水がかけられます。その様子から「水掛け祭」と呼ばれることもあるそうです。

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