中華民国の簡単な解説
中華民国は台湾島と澎湖諸島などの島々を統治している国家です。
昔は蒋介石総統のもとで中国大陸全土を統治していましたが、1948年から始まった第二次国共内戦によって毛沢東率いる中国共産党に敗北。
なんとか台湾に逃げて今に至っているという複雑な歴史を歩んでいます。
その後も中華民国は1971年までは国連の安全保障理事会の理事国として活躍していったのですが、歴史上や外交上から見ても中華人民共和国とは仲が悪く、今でも二つの中国問題で揺れ動いている状態なのです。
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中華民国の歴史
今回のテーマである中華民国は大陸を治めていた時代と、国共内戦によって負けてしまい台湾を治めている二つの時代に別れています。
まずは、中華民国はどのように成立していき、そしてどのように中国大陸を治めていったのかを見ていきましょう。
辛亥革命と中華民国の成立
1911年。中国は清という満州民族によって建てられた王朝が治めていましたが、アヘン戦争以来弱体化。この年になると政府は外国資本を元手として鉄道の国有化を目指した政策を推し進めていくようになります。
しかし、この鉄道の国有化によって外国の影響力がかなり伸びると考えた民衆は四川にて大反乱を起こし、これが元となって辛亥革命と呼ばれる革命が勃発しました。
この状況を見て中国で共和制国家を打ち立てたいと考えていたのがのちに中華民国の創設者となる孫文でした。彼は1894年の日清戦争による敗北から清朝の改革を訴えており、1905年には中国同盟会を結成して清朝に変わる新しい国家の建設に乗り出していくようになります。
四川の暴動以降各地で暴動が起こるようになりましたが、武昌蜂起という一大反乱が起こると孫文は中国に帰国。南京にて臨時大総統に就任し、中華民国が成立。
翌年には北京にて内閣総理大臣の職についていた袁世凱という軍人がクーデターを起こし、清朝最後の皇帝である宣統帝を退位させ、清は滅亡。
こうして秦の成立から長年続いてきた皇帝による専制政治が幕を閉じ、中華民国による共和制の国家が誕生したのでした。
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第二革命と革命の挫折
こうして清朝を滅ぼして共和制国家を樹立しましたが、2000年もの間皇帝によって支配されていた中国にいきなり共和制は浸透するはずなく南京の政府とは別に各地の軍閥によって支配される軍閥政治が始まるようになります。
しかし、まだこんなのは生ぬるく、政府の実権は宣統帝を退位させた袁世凱によって握られていくようになりなりました。
袁世凱は皇帝を退位させたのちに孫文から臨時大総統の位を譲られ、中華民国の実権を獲得。孫文はこの状況を危ぶんだのか各地に散らばっていた政治団体を統合して中国国民党を結成していきます。
さらに1913年には議会政治の浸透を狙って初めての選挙が行われ中国国民党は圧勝。国民党を中心とした議会政治がスタートすることになりました。
しかし、議会政治によってようやく手にした権力の弱体化を恐れた袁世凱は中国国民党の弾圧に乗り出して国民党の指導者である宋教仁を暗殺して圧力もあってか国民党も解散に追い込まれてしまいます。この袁世凱の独裁に対して孫文は革命の危機と同志とともに袁世凱の打倒のために挙兵。いわゆる第二革命を起こして議会政治の復活を目的についに立ち上がりました。
しかし袁世凱は軍人でありこの挙兵はあっさり失敗に終わり、孫文はやむなく日本に亡命。
東京で秘密結社として中華革命党を結成しました。
一方の袁世凱は初代大総統に就任。また議会政治を否定して再び専制政治に逆戻りをすることになったのです。
中華民国での大混乱
大総統に就任した袁世凱は北洋軍閥を背景に独裁権力を握るが、第一次世界大戦が始まると1915年、日本の二十一か条の要求をあっさりと呑んでしまったために反発が強まっていき。袁世凱の支持率は一気に地に堕ちることになります。袁世凱は中華帝国を樹立して皇帝に即位するのですが、外国の猛烈な反対もあって失敗。失意のうちにこの世を去ることになります。袁世凱の死後、再び中華民国が成立することとなるのですが、孫文が日本に亡命しさらには有力な指導者がいなくなった政府には中国の広大な地を完全に統治する政府をつくることができず、ここからしばらくの間は軍人が自身の地盤を持っている地域を支配する軍閥が台頭。この軍閥が各地で争いあうという軍閥時代に突入することになりました。
孫文はこの様子を見て1919年に新しく中国国民党を創建。1921年には後の国民政府の基となる革命政府を中国南部の都市である広州で成立し、再び中国全土を統一する国を樹立することになるのでした。
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