中国の歴史中華民国

【二つの国家と中華民国】中華民国とはどんな国?その歴史について解説

二つの中国と一つの中国

現在の中華民国の一番の問題であり、中華民国の最大の問題といったらやはり何と言っても中国の代表権の問題でしょう。これをいわゆる『二つの中国』と呼ぶのですが、これは要するに中華民国は中国の支配権を失って台湾を統治している政府としてやっていこうという考え方。アメリカや日本などはこのような動きとしたいのですが、これに対して一番いちゃもんをつけてくるのが今中国大陸を統治している中華人民共和国。中華人民共和国はもちろん中国の支配権を持っていると考えており、台湾も中国の一部と考えるという『一つの中国』という考え方を持っています。要するに中華人民共和国は中華民国の存在を認めていないというわけなんですね。

この二つの中国の状態は今も平行線のまま続いており、中華人民共和国は台湾のことを「わかった!国としては認めないけど出来るだけ譲歩して一定期間は中華人民共和国の政治制度を取り入れず、独自の政治を行ってもいいよ!」という一国二制度を提案。これは香港返還後の香港で採用されていますが、これは元々台湾に対する譲歩案だったのです。

一方で中華民国でもこのことは分かれており、中華人民共和国とよりを戻すがそれとも台湾として独立するかで揺れ動いているのでした

台湾の民主化と現在

image by PIXTA / 29247029

1975年最後まで大陸反攻を望んでいた蒋介石がなくなると総統の座は息子である蒋経国に移ることになります。しかし、国際的に孤立している中、大陸反攻なんてできるはずもなくある程度の民主化と中華人民共和国への接近を試みるようになりました。蒋経国は1987年に戒厳令を解除。翌年に蒋経国が亡くなると後を継いだ李登輝総統によって民主化が実現。1996年には初めて直接選挙が行われるようになり、今に至っているのです。

未だに『二つの中国』問題などいろいろな問題を抱えている中華民国。親日としても有名ですが、未来はどう変わっていくのでしょうか。台湾のこれから先に期待です。

1 2 3
Share: