古墳時代日本の歴史

そうだ!古墳を見に行こう~一度は見ておきたいおすすめスポット10選

1400年前の石壁を見よ「綿貫観音山古墳」(群馬県)

綿貫観音山古墳(わたぬきかんのんやまこふん)は群馬県高崎市にある前方後円墳。6世紀後半の古墳と考えられており、発掘調査により数多くの副葬品が出土しています。

全長はおよそ97m。2段式で、高さは10mほと。後方部分が大きく広がっており、しっかりとした形状をしています。特筆すべきは石室の一部を見学できること。数十㎞離れたところにある石切り場から運び出したとされる20トン以上にもなる巨石をいくつも積み上げてできた石室は、一見の価値あり。玄室の大きさはおよそ奥行8.1m、幅4m、高さは2.2mとかなりの広さ。これが1400年前に作られたと考えると、感慨深いものがあります。

出土した副葬品は、銅鏡をはじめ、装身具、武具、馬具、壺や水がめなどの土器・容器類など、およそ500点にも及ぶそうです。出土品の一部は、県立歴史博物館などで見ることができます。

JR高崎駅からバスで40分ほどの距離。静かで眺めのいい場所で、散策にもおすすめです。

木々が生い茂る巨大古墳「誉田御廟山古墳」(大阪府羽曳野市)

誉田御廟山古墳(こんだごびょうやまこふん)は大阪府羽曳野市にある前方後円墳。周囲に数十基点在する古市古墳群のひとつです。誉田御廟山古墳は古市古墳群のひとつとして、百舌鳥古墳群とともに、2019年、世界文化遺産に登録されています。

宮内庁の見解では、応神天皇の陵であると見定められていますが、実際の被葬者が誰であるかは明らかにはなっていません。

古墳の大きさは、全長およそ425m、後円部分の直径250m、高さ35m、前方部分の裾の幅はおよそ300mと超巨大。これは大仙陵古墳(仁徳天皇陵)に次ぐ大きさで全国第2位の規模を誇ります。墳墓の上は木々で覆われ、小山のよう。周囲は堀で囲まれていて、古墳というより城塞跡のようです。

中を見学することはできませんが、すぐ近くに応神天皇を祭る誉田八幡宮があり、お参りを兼ねて古墳の周囲を散策する人の姿も数多く見られます。

近鉄南大阪線古市駅より徒歩10分ほどの距離です。

世界文化遺産認定「履中天皇陵古墳」(大阪府堺市)

履中天皇陵古墳(りちゅうてんのうりょうこふん)は上石津ミサンザイ古墳(かみいしづみさんざいこふん)と呼ばれる、大阪府堺市にある前方後円墳。2019年に世界遺産に登録された百舌鳥古墳群のうちのひとつです。

宮内庁の発表では百舌鳥耳原南陵ということで、第17代履中天皇の陵墓であるとされています。

先の誉田御廟山古墳に次ぐ全国第3位の規模を誇る巨大古墳。全長およそ365m。後円部分の直径は205m、前方部分の幅は235mにもなります。3段式で、高さは25mほど。周囲の宅地開発などから免れ、比較的美しい形状を保ったまま残されています。

JR阪和線上野芝駅徒歩10分の距離。古墳群はいずれも比較的街中にあるため、見学しやすいところもポイントです。

日本最大にして最も有名な古墳「仁徳天皇陵古墳」(大阪府堺市)

おすすめ古墳リストのトリを務めるのは、おそらく世界で最も有名な古墳と思われる大仙陵古墳(だいせんりょうこふん)仁徳天皇陵(にんとくてんのうりょう)の名前でもよく知られている、日本最大の大きさを誇る巨大古墳です。

形状は前方後円墳。全長486m、後円の直径249m、前方部の幅307m、高さはおよそ30mと桁違いの大きさ。近くで見ても、木々に覆われた城塞跡か、小山にしか見えません。エジプトのクフ王のピラミッド、中国の秦の始皇帝陵とともに世界三大墳墓とよばれ、世界も注目。内部を見学することはできませんが、周囲をぐるりと遊歩道が囲んでおり、緑の中を散策しながら古墳を眺めることができます。

宮内庁の但し書きによれば、百舌鳥耳原中陵(もずのみみはらのなかのみささぎ)ということで、第16代仁徳天皇の陵墓であるとの見解。実際の被葬者が誰であるかはわかっていませんが、古くから「仁徳天皇陵」の名前で親しまれてきました。

R阪和線百舌鳥駅から徒歩10分ほどの距離。目標が大きいので、道に迷うことはまずないでしょう。

古代に思いを巡らせながら古墳巡り

image by PIXTA / 11594188

今回は有名な古墳スポットに絞ってご紹介しましたが、実は古墳とは日本全国いたるところに造られています。大小含めれば、わかっているだけでも16万基近くにもなるのだとか。一見、土盛りにしか見えないような小さなものもたくさんありますが、きっとその地域の有力者や有識者が埋葬されているに違いありません。きっとお住いの地域にも古墳があるはずです。全国的に知られた史跡でなくても、自分の住んでいる町に古墳があるなんて、ちょっとワクワクしますよね。自治体のウェブサイトなどで確認できるはずなので、是非、地元の古墳に足を運んでみてください。

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