第4期:登場回数最多記録・大伴家持(おおとものやかもち)
大伴家持は、元号・令和の典拠となった梅の歌と関わりの深い歌人・大伴旅人の長男。歌人界のサラブレッドともいうべき人物です。
万葉集の編纂に携わったとみられていますが、作者であるかどうか、確かなことはわかっていません。
ただ、万葉集におさめられている歌の10%以上(473首)が家持の歌ということもあり、単に歌人としてだけでなく、万葉集の編纂に大きく関わっていることには間違いなさそうです。
数多くの優れた歌を残しており、また、役人としても歴史に名を残しています。
万葉集の歌人の中には、歌人以外の職業や生活の様子などを記した記録のない人物も多いのですが、この時代に入ると、歴史上の資料に名前が載っている人の姿も。家持も、役職や赴任地など大まかな経歴が資料として残されています。
富山県高岡市では、大伴家持が国守として赴任していたことから毎年「高岡万葉まつり」を開催。JR高岡駅には家持の銅像が設置されています。
春の野に霞たなびきうら悲しこの夕影に鴬鳴くも(巻十九・4290 大伴家持)
移り行く時見るごとに心痛く昔の人し思ほゆるかも(巻二十・4483 大伴家持)
全然知らないと思っていたけど意外と知っていた万葉集の歌
全20巻4500首、様々な職種の人々が詠んだ歌を数多く集めた書物であることを改めて知りました。中には「百人一首」などに採用されている歌もあり、意外と身近な存在なのだということも再認識。「歌を詠む」ということが、長い間多くの人々に親しまれ大切にされてきた大切な文化なのだということも再認識できました。
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