今さら聞けない!知っているようで意外と知らない「おみくじ」のマメ知識
- 日本の歴史に影響?吉凶を占うおみくじの起源・由来とは?
- おみくじとは何なのか?くじ?占い?神様のお告げ?
- 1000年以上の歴史あり!おみくじと日本人の深い関係
- 庶民の間でも大流行!おみくじの祖とは誰?
- 漢字で書くと『御御籤』または『御神籤』~その意味とは?
- 運がいいとか悪いとか?おみくじの意味・順番とは
- 小吉と末吉はどっちがいいの?おみくじの順番について
- おみくじの種類は?17段階ある神社もあるって本当?
- おみくじにはどんなことが書いてある?内容・読み方について
- 結ぶ?持ち帰る?おみくじにまつわる決まりごととは?
- おみくじは何度引いてもよいの?正しい引き方とは?
- おみくじは境内に結んだほうがいい?持ち帰るべき?
- おみくじの期限とは?新年に引いたおみくじは1年間有効?
- おみくじは単なる運試しにあらず~神様からのメッセージなり!
この記事の目次
日本の歴史に影響?吉凶を占うおみくじの起源・由来とは?
現代のおみくじとは、神社や寺院などで吉凶・運勢を占うために引くくじのことを言います。神社だけのものかと思いきや、お寺にも「仏籤(みくじと読む)」というものがあるのだそうです。日本では神仏習合といって1000年以上もの間、神社と寺院がひとつに結びついた時代が長く続いていたので、現代のお寺におみくじがあるのもわかるような気がします。
ということは、おみくじの歴史もかなり古いということになるのでしょうか。まずはおみくじとはどういうものなのか、由来や歴史について解説します。
おみくじとは何なのか?くじ?占い?神様のお告げ?
古代、国の政治に関する重大な決断を下す際、神様にお伺いを立てていました。例えば後継者選びや新しい元号を決めるときなど、くじを引くことで神の意思を聞くといったことが実際に行われていたのです。室町幕府六代将軍足利義教はくじ引きで将軍になった話はよく知られています。
そんな大切なことをくじで?と思ってしまいがちですが、大切なことだからこそ後々もめ事にならないよう、くじで公平に決めようとしたのかもしれません。判断が難しいことは神の御心にゆだねて偶然引き当てたくじに従う……こうした神様からのお告げを受けるために行っていたくじが、おみくじの原点であると考えられています。
1000年以上の歴史あり!おみくじと日本人の深い関係
おみくじがいつごろから始まったのでしょうか。正確なところはわかっていないのですが、古代から祈祷や占いによってさまざまな物事を決定していたと考えられていますので、おみくじの起源も相当古いと考えてよいはずです。
文献としては奈良時代の歴史書『日本書紀』の中の、飛鳥時代の皇族・有間皇子(ありまのおうじ)の謀反についての一文が、おみくじに関する最初の記述であると言われています。「短籍を取りて、謀反けむ事を卜ふ(うらなう)といふ」、つまり謀反を起こすかどうか、短籍(たんざく:和歌などを書く細長い紙)を作って占って決めたというのです。ただしこの謀反の計画は実行前に漏れてしまい、有間皇子は処刑されてしまいます。
記録としてはこれが最初ですが、もっと古くから行われていた可能性は高いです。成否は別にして、大きな決断をする際、くじを作って引くということは古くから行われていたのでしょう。
庶民の間でも大流行!おみくじの祖とは誰?
古くは飛鳥時代から、あるいはそれ以前からおみくじの原点とされるくじは存在しており、主に国政や有事の際に神の意志をうかがう手段として使われていました。現在のような神社仏閣におけるおみくじは、平安時代の僧侶・元三慈恵大師良源上人だと言われています。良源が用いたくじとは、番号を振った100本の棒を小さな穴をあけた箱に入れ、1本取り出して吉凶を占ったというものだったそうです。これは中国のくじを参考にしたとも伝わっており、良源のくじには漢詩が書かれていました。
比叡山には『おみくじ発祥之地』という石碑も残されています。
このおみくじが鎌倉時代から室町時代にかけて徐々に全国に広まり、江戸時代になると庶民が神社や寺院で個人の吉凶を占うようになりました。厄除け信仰などの広まりと重なり、多くの神社仏閣でおみくじは庶民の楽しみのひとつとなっていったのです。
漢字で書くと『御御籤』または『御神籤』~その意味とは?
おみくじを漢字でどのように書くかご存知ですか?
『籤』という難しい字が用いられます。では「くじ」とはどういう意味なのかというと、「串」や「公事」といった言葉が転じたのではないかなど諸説あり、正確なところはよくわかっていないのだそうです。籤という漢字には竹の棒や串といった意味もありますが、この字はあとからあてられた可能性もあります。
「くじ」に対して尊敬の意味を表す「御(み)」という言葉がつけられ、ここにさらに「御(お)」をつけて『御御籤』とするという、大変丁寧な書き方をしているのです。こうした書き方からも、もとは神様の声を聞くためのものだったということがわかります。
また、漢字で書く場合は神社のおみくじを『御神籤』、寺院では『御仏籤』と表すのが一般的ですが、区別せずにどちらも『神籤』と書くこともあるようです。
運がいいとか悪いとか?おみくじの意味・順番とは
鎌倉時代頃から徐々に広がりをみせていったおみくじですが、当時はまだ、くじは引く人が自分で持参していったのだそうです。長い歳月を経て徐々に人々の暮らしに浸透し、地域の神社や寺院に常時備え付けられるようになりました。庶民の間で流行したことによって、神の声を聞く神聖な儀式という厳粛な雰囲気は次第に薄れていったものと思われます。
おみくじの歴史に触れていただいたところで、次におみくじの中に書かれている内容について見ていきましょう。
小吉と末吉はどっちがいいの?おみくじの順番について
おみくじを開いて最初に目を向けるところといえば、やはり大吉、中吉などと書かれている運勢欄でしょう。運勢にはいくつか種類がありますが、よい運勢の順番とはどのような並びになるのでしょうか。
実はおみくじの運勢の順番は、地域や神社によって若干違いがあります。もともとは吉(よい運勢)と凶(悪い運勢)だけだったのだそうで、現代においては、おみくじの運勢の並び順には特に決まりはないようです。
伊勢神宮を中心に全国八万社以上あるといわれている神社を束ねる神社本庁の見解では「大吉>吉>中吉>小吉>末吉>凶」並びが基本となります。しかし神社によっては「大吉>中吉>小吉>吉>末吉>凶」とするところもあるので、気になったら神社でお話を聞いてみるとよいでしょう。
吉の並び順は一見わかりにくいですが、吉の中の一番下が末吉、と覚えておくとよさそうです。