「EU」って何?仕組みと歴史についてわかりやすく解説
そもそもEUってなんなの?
最近イギリスが離脱する(ブレグジット)かしないかで大揉めとなっているEU。
そもそもEUとは略語で正式名称はEuropean Union。日本語に直すと欧州連合となり、そう呼ばれることもあります。
1993年に誕生したこのEUはヨーロッパの各国の関税や国境を撤廃して、さらには2000年にはユーロという統一通貨単位を導入することによってヨーロッパ全体の経済の統合を目指すようになりました。
現在加盟している国はフランスやドイツを始め28ヶ国。本部はベルギーの首都であるブリュッセルに置かれヨーロッパを統治しています。
EUの組織
そんなEUですが、この組織が手がけている事業は様々。ヨーロッパの全てを統合していこうという理念があるため、経済や貿易、はたまた政治までもEUに統合していこうとする動きがあります。
EUの政治体制
ヨーロッパの各国はそれぞれ独自の議会や政治システムを導入していますが、EUにおける最高決定機関は加盟国の行政府の長と欧州委員会の委員長、そして欧州理事会議長などによる欧州理事会で決定されています。
この欧州理事会ではヨーロッパのいろいろな方針を会議などによって決めていくもので、最低でも4回はしなければいけないという決まりとなっているのでした。
さらに、その欧州理事会で決まった政策に対する案は欧州議会と呼ばれる5年に一度に開かれるEU加盟国の国民全員に投票権がある直接投票によって選出された750人の議員の人々がいろいろ調整していくという形となっているのです。
こうして様々な政策や法律などが決定するのですが、それに対してそれが適正なものかどうかを判断するために置かれるのが欧州司法裁判所。ここではEUで決められた法律を不履行している国に対して制裁措置をとったり、法律の解釈などを行っています。
EUの経済
そもそもEUというものは経済のいろいろなことに関することから始まりました。現在ではこれまで国境に関する問題や、加盟国同士の制度の違いなどでいろいろな問題が起こったりもしましたが、今では欧州理事会を中心とした経済統一が進んでおり、EU内のサービスや農業や資本などの移動の自由が保たれています。
そんなEUの経済ですが、これを司っているのがドイツのフランクフルトにある欧州中央銀行。1999年にユーロが導入されてからはユーロの紙幣発行や、公開市場操作などの業務を行っており、アメリカや中国といった超大国と張り合うほどの経済規模をなしています。
しかし、欧州中央銀行の本部がフランクフルトにあることもあり、さらにはヨーロッパ一の経済大国であるドイツ中心とした経済体制にならないかどうかなどの懸念も少なからずあるようです。
EU内の外交と対外関係
EUの原点となるECには西ヨーロッパの一部の国しか参加していませんでしたが、1990年に起こった東欧革命以降徐々にその範囲を東に拡大。最終的には本当にヨーロッパ全体の国を加盟国にするという動きが見られていますが、実際にはサケ漁の規制などの問題でノルウェーが未加盟だったり、1991年から勃発したユーゴスラビア紛争の末に誕生した国などはまだEUに加盟できないなどの問題を抱えています。
また、予定ではトルコも加盟しようとする動きが見られていますが、イスラム教が多いということや、イスラーム勢力がこの地域を拠点としていることなどで問題視する動きも見られまだまとまっていないというのも実情。
それでもEUはヨーロッパの統合に勤めて最終的には国の国境をなくすという目標に目指して頑張っているのです。
EUの歴史
ヨーロッパのいろいろなことをまとめようとしているEUですが、実は元々ヨーロッパの国はこのように協力することはほとんどなく、度々そのヨーロッパの覇権を握るために泥沼の戦争を繰り広げることがしばしばあったのです。
しかし、二つの戦争が終わるとそれどころではないとして最終的にはEUという組織が誕生することとなったのでした。
ヨーロッパの歴史は紛争の歴史
古代ギリシアの時代から文明が発達していたヨーロッパ。紀元前30年ごろからはイタリア半島の共和政ローマが地中海沿岸を完全に支配してヨーロッパの源流を作った後、フランク王国、オスマン帝国、ナポレオン帝国などのざまざまな大国が生まれていき、イギリスなどを中心に産業革命も起こるなど高度な文化が発達していきました。
その一方でヨーロッパでは紛争が絶えなかったというのも特徴の一つで、1613年からは同じキリスト教でも宗派が違うプロテスタントとカトリックの間で三十年戦争が勃発。さらにナポレオン戦争や第一次世界大戦・第二次世界大戦が起こるなど戦争が断続的に起こるということも特徴の一つでした。
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