小説・童話あらすじ

HSPの若者へーゲーテ「若きウェルテルの悩み」の魅力を解説!

生きづらいのは、あなただけじゃない

「若きウェルテルの悩み」を読んだからといって「ウェルテルも死ぬくらいに世の中ろくでもない。よし、死のう」……とはなかなかなりません。「ウェルテル」は自殺を否定も肯定もしていませんが、筆者を含め多くの人を生きる方向に引っ張っています。

ウェルテルにはロッテしかいませんでしたが、あなたには、私たちには、片思いの恋人以外にも、心を許し愛することができる人を作ることができるはずです。哲学者キルケゴールに「絶望は死に至る病である」という有名な言葉がありますが、ウェルテルは恋に破れたことのみならず、世の中に疎外されている感覚を強く覚え、誰も自分を理解しないことに対して激しく絶望したのでした。

しかし「ウェルテル」を読むと「自分を理解してくれる本がここにある」と励まされます。これはとても大きなことです。「若きウェルテルの悩み」をゲーテは自身の体験をベースにして書いています。ウェルテルと同じく婚約者を持つ女性に恋し、絶望のあまり彼自身も自殺を考えました。しかしゲーテは思いとどまり、自身のことを「若きウェルテルの悩み」という作品に昇華させたのです。生きづらいのは、あなただけじゃない。若く繊細なあなたに語りかけてくれます。

人間は醜いし裏切るが、世界は美しいし、信じることができる

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理解されない繊細すぎる感性、暴走しがちな感情、集団でうまくやっていけない苦しみ、報われない恋……HSPにとってウェルテルの姿はあまりにも自分に近いものです。ウェルテルは小説の中で、何度も私たちの代わりに死にます。この本は理解者としてあなたに寄り添ってくれることでしょう。私たちは哀れなウェルテルの悲劇に涙し感動し、もうちょっとだけ、なんとか、と生きる勇気をもらえるのです。ぜひ手にとって読んでみてください。

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