日本の歴史

【結婚の歴史】婚活が辛い!結婚ってする理由あるの?そんなあなたに贈る「結婚制度って何?」の答え

開国した時代が悪かった?自由さが消えた明治期以降の「結婚」

ゆるーく楽しーくフリーに楽しんでいためでたい時代は終わりました。江戸時代の終焉、すなわち「開国」です。開国当時、世界はヴィクトリア朝時代全盛期。夫を亡くしたのち死ぬまで喪服を着ていた貞淑なヴィクトリア女王に世界が影響され、男に肌を見せるのは娼婦だけ、というストイックな風潮でした。

西洋に追いつけ追い越せナメられるな、の日本はこのヴィクトリア朝文化に同化。本格的なキリスト教的一夫一婦制は明治期以降のものでした。国策で「富国強兵」が進められ、国を守る兵士となる男を、家庭を守る女を増やすのだ!というコンセプトのもと、さらに産めよ増やせよが推進されます。昭和期までは、まさに「国民皆結婚制度」。結婚していないということは、人間的に著しく問題がある・深刻な事情があると判断される世界だったのです。ある意味コワイですね。

太平洋戦争後の日本国憲法下では「結婚は両性の合意で成立」とされました。詳しくは後述しますが、戦後にようやく個人間の恋愛結婚がメインとなりました。が、恋愛結婚メインの婚活はわずか70年の歴史しか持ちません。それより前は妥協とあきらめの連続の上に結婚が形成されていたのです。

どんな結婚が幸せなの?恋愛結婚とお見合いと……

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結婚や恋愛の形はまあ、なんとなくわかりました。しかしどうやって人は結婚・婚活をしてきたの?いえ、どのように「結婚というものに折り合いをつけてきた」のでしょうか。家制度や法律など歴史は歴史として、もちろん理想は愛する人と結ばれること。けれど恋愛結婚は罪だったってご存知でしたか?記事の最後には婚活成功のカギとなる、千年の時をこえて響く名言もご紹介します。

〈恋愛結婚〉選べる幸せ、選ばない幸せ

結婚というと恋愛!そりゃできるなら相思相愛の恋愛結婚で結ばれたいものですよね。恋愛の歴史は限りなく古いですが、恋愛結婚が肯定された歴史は非常に浅いのです。

日本初の近代憲法であり、戦前日本の形を決めた大日本国憲法において結婚は「家長の同意」が必要でした。つまり、親ないし兄が許さなければ婚姻届が出せない。同棲状態のまま宙ぶらりんでいるしかないのです。というわけで、恋愛結婚は親不孝のように見られていました。それが太平洋戦争後に制定された日本国憲法第24条では「婚姻は両性の合意」によるとしています。そんなわけで日本の「結婚」家制度から開放され恋愛結婚が社会的に許されたのは、わずか約70年前です。

個人の選択の自由により、結婚相手を選ばなければならない「恋愛結婚主義」の時代において、選択の余地ナシだった昔と比べると「選べる不幸」の時代の結果、生涯未婚率が上がるのは当たり前。しかし何よりも恋愛結婚の良いところは、自分で心から愛した相手を生涯の伴侶にできる喜び。それは完全に自己責任である一方、自分でじっくり考えて「この人と死ぬまでいっしょにいたい」と選べることは、とても幸せなことではないでしょうか。

〈お見合い結婚〉今となっては夢の制度?

「国民皆結婚」世界の成立には、今となっては伝説の存在となった「仲人」さんがいました。コミュニティに1人は世話好きのおばさんがいて、家同士のキューピッドの役割を果たしていたのです。もっとも親同士でたいてい話は決められ、相手の顔も知らないまま結婚式へ、なんてことのほうが普通でした

年頃の子供を持つ親が嫁選び・婿選びをはじめると、さっそうと登場する仲人さん。その気がなくても「おたくの子ももうお年頃でしょ」と見合い写真を大量に持ってくる。「あなたそんなに気になるならワタシが話してあげるワ」とガンガン話を進めてあっという間に同意をとりつけ、あれよあれよと言う間に結婚に持っていく。

この「おせっかいな推進役」の役割を果たそうとしているのが、現在は婚活サイトや結婚相談所。もっとも「もっといい人がいると思っちゃうからチェンジ」となることや、スペック・条件をいわゆる「高望みしすぎ」たり、最終的に選択の自由が自分にあることなどが、昔の仲人さんとは大きく違う点でしょうか。

紫式部は1000年前にこんな婚活名言を書いていた!

選択の自由があるだけに、年収や条件で絞り込み、あれも違う合わないもっといい人がいる、ろくな相手がいない……というのが現代の婚活や結婚の悩みだとしたら、私たちはどうしたらよいのでしょう?いい結婚をしたい、幸せな人生を送りたい、後悔はしたくない……。

日本最高の恋愛小説にして結婚小説「源氏物語」の主人公、日本史上最強の浮気男・光源氏は、カタブツの息子がなかなか結婚しないのに見かねて、こんな説教をかまします。それがなかなか正論。最後に、千年の時を超えて愛される物語、恋をし、人を愛する人間の姿を描いた大天才・紫式部の名言を紹介してこの記事を終わりましょう。

正直、当記事の他の部分は飛ばしても、ここの名言だけはじっくり読んでいただきたいです。時代を問わない結婚への夢と目的と、ほんの少しのあきらめへのビジョンがこの言葉にこもっているように筆者は感じています。

【名言】結婚・婚活するなら必読!「源氏物語」梅が枝(与謝野晶子訳)より

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