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マルクス主義ってどんな思想なの?マルクス主義と『資本論』について徹底解説!

1922年から1991年までロシアに君臨していた超大国ソビエト社会主義共和国連邦(通称ソ連)。この国は第二次世界大戦の戦勝国となった後アメリカ合衆国と冷戦という冷たい戦争に突入していき、世界を真っ二つに分断させてしまう結果となってしまいました。 そんなソ連なんですが、この国はマルクス主義という思想を国家のイデオロギーにしていました。そこで今回はそんなソ連が国家のイデオロギーにしたマルクスの思想についてマルクスが書いた書籍である『資本論』を元にマルクスの考えはどんなものだったのかを見ていきましょう。

そもそもマルクス主義とは?

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マルクス主義というのは簡単に言えば資本家が独占している資本を社会の共有の財産として労働者たちが協力して運営する社会を目指そうという思想です。

マルクスは資本家が沢山の労働者たちが働いているにもかかわらず、富を独占していることを問題視して資本家こそが世の中が良くならない原因と考えたのでした。

唯物論的歴史観について

マルクス主義の代表的な考え方の一つに唯物論的歴史観というものがあります。なかなか難しそうな名前をしていますが、この考え方はいたって単純。エンゲルスは人類の歴史というものを原始時代における市民と奴隷、領主制における領主と農地、資本主義社会における資本家と労働者という風に階級による争い、いわゆる階級闘争の歴史だという風に捉えていました。

その中でも特にマルクスは資本主義社会における資本家(ブルジョワジー)と労働者(プロレタリアート)の階級闘争に着目して社会の支配が進んでいくとやがて労働者が政治の実権を握るようになり、自然として階級の争いも、資本家の存在も無くなり、やがて労働者のみが存在する自由で平等な社会が訪れるとされています。

マルクス経済学について

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マルクス主義の最大の内容であり、マルクス主義や資本論における最重要項目が経済学に関する話でした。マルクスという人は資本主義という社会の形態を否定的に考えており、その資本主義社会の中で酷使されていた労働者こそが重要なのだという風に書き記していました。

しかし、本来マルクス経済学というのは資本論においてはとんでもなく長い上にとてもややこしいワードが連発しているため非常にわかりづらい本でもあるのです。

そこで今回はそんな資本論に書かれているマルクス経済学についてわかりやすく短絡的に解説していきたいと思います。

マルクス経済学における商品の価値

マルクスは商品の価値は2つあると資本論の中に書き記しました。それが利用価値と交換価値というものです。

利用価値という言葉は今でも「この〇〇は利用価値があるやつだ!」みたいに言うように商品を使用した時に生まれる価値のことです。

一方の交換価値というのは交換した時に生まれる商品の価値というもの。例えば自分がおんぼろのパソコンを使ったとして、そのパソコン最新のハイテクパソコンと交換出来るかと言われるとまぁ、交換することはできませんよね?

つまりは、例えばどんなに自分がそのオンボロのパソコンを愛用していたとしても相手がそのオンボロのパソコンを必要としていなければその交換価値は皆無という訳となるのです。

マルクス経済学における貨幣の価値

しかし、あなたの手元にみんなが必ず交換してくれるようなものなんてのはありません。誰にも必要なものと不必要なものはバラバラですし、必ず交換に応じてくれるという保証は無いのです。しかし、人類はこの交換価値を誰でも同じようにするためにあるものを作り出したのでした。

それこそみなさんが今必ず持っているだろうお金(貨幣)だったのです。貨幣の場合でしたら誰もが欲しいものでありますし、例えどんなに自分が持っていたとしても腐ったり、価値が無くなるということはありません。そのため17世紀に入るとヨーロッパの強国を中心に貨幣の統括をして価値を一定にする中央銀行が設立。そしてこの頃から世界各地では不安定である物々交換から貨幣を介して交換する制度が確立していくことになるのでした。

ちなみに、貨幣にも二つの価値があるという風にマルクスは考えていました。それが貨幣としての貨幣と資本としての貨幣でした。

貨幣としての貨幣はいわゆるみんなが普段使っているような商品を買う時に使う貨幣という意味ですが(G-W-Gという形で表されることも。Gはゴールドつまりは貨幣、Wはドイツ語で商品という単語の頭文字から)、資本としての貨幣とはより多くの貨幣を生み出すための貨幣というものでした。(G-W-G’という形で表されることも)

「でも、資本ってなんなのよ!」と思う方もいると思いますので、次はそんな資本について見ていきましょう。

マルクス経済学における資本の価値

今の時代世界ではいわゆる資本主義社会という形を取っている国がほとんどですが、資本主義の資本というものは簡単に言えば『勝手に増える価値』ということ。つまりは貨幣を使って新しい価値を生み出すというサイクルのことを資本というのです。

その中でもその貨幣を使って労働者を雇ったり、工場を建てたり商品を生み出すための機会を買って新しい資本を増やすことを意図的に行う人を資本家と言います。

マルクス経済学における労働者の価値

さて、商品と貨幣の価値を見ていったところで次はマルクス経済学の代表的な考え方である労働者について解説していきたいと思います。
上では商品には交換した時に生まれる交換価値があると書きましたが、この交換価値というものはマルクス経済学が生まれる以前は労働者の働きに応じて生まれるという労働価値説という考え方が強く信じられていました。
しかし、この考えがあるとするのであれば資本家と労働者の間や労働は同じとなります。でも実際のところを見てみると商品を作るときは労働者が一生懸命ものづくりに励んでいる中、資本家の人はお金を出しただけで仕事をすることはありません。

さらに言えばその商品を作った時に入ってくるお金は労働者ではなく資本家に一極集中してました。これはおかしいとまったをかけたのがマルクス経済学。マルクス経済学における賃金は労働そのものではなく労働者自身にあると考えていました。そして労働者というのはその物を作る労働力を売っていると資本論には書かれているのです。

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