【干支の歴史雑学】十二支とどう違う?暦の不思議と面白知識
- 干支・十二支・十干とは何?それぞれの違いと由来を解説!
- 干支・十二支・十干の違いと関係性について
- 干支はどんなときに使うものなの?
- 十二支の動物たちのことを「干支」と呼んでも問題ない?
- 意味は?なぜこの順番?干支(十二支)の動物たち
- 十二支の順番を決める熾烈なレース!動物たちの熱い物語
- 1:子(ネズミ・鼠)/2:丑(うし・牛)
- 3:寅(とら・虎)/4:卯(う・ウサギ・兎)
- 5:辰(たつ・竜)/6:巳(み・ヘビ・蛇)
- 7:午(うま・馬)/8:未(ひつじ・羊)
- 9:申(さる・猿)/10:酉(とり・鳥・鶏)
- 11:戌(いぬ・犬)/12:亥(い・イノシシ・猪)
- 干支は太古より受け継がれたもの・未来へ受け継ぎたいもの
この記事の目次
干支・十二支・十干とは何?それぞれの違いと由来を解説!
イノシシやネズミなど12の動物のことを干支(えと)と呼びますが、正確にはこれは十二支(じゅうにし)であり、厳密に言えば干支を構成する一部分なのです。干支を完成させるにはもうひとつ、十干(じっかん)というものが関係してきます。干支・十二支・十干とは?詳しく見ていきましょう。
干支・十二支・十干の違いと関係性について
干支とは、十干と十二支の組み合わせで構成される、数を表す単語です。アジア一帯で広く、暦や時間、方角、角度など様々な物事を表す際に使われていました。起源は古代中国(商・殷)の時代で、朝鮮半島やベトナムなど南アジア、日本、ロシアなどにも広まっていったと考えられています。
十干とは10種類の文字の集合体です。「干」とは木の「幹」を表す字と考えられており、物事の順番や並びを表す字として暦などに用いられていました。また、文字それぞれにも意味があり、草木の芽吹きから土に帰るところまでを表しているともいわれています。
十二支は日本でもお馴染みの、12の動物たちの集まりです。「支」とは木の「枝」を表す字であり、こちらも古くから暦や時間、方角などを表すときに使われていました。
この十干10文字と十二支12文字を組み合わせた60通りが「干支」なのです。
十 干: 甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸
(こう・おつ・へい・てい・ぼ・き・こう・しん・じん・き)
十二支: 子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
(ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・い)
(し・ちゅう・いん・ぼう・しん・し・ご・び・しん・ゆう・じゅつ・がい)
干 支: 十干と十二支を組み合わせた60通りの文字の集合体。甲子、乙丑、丙寅など
干支はどんなときに使うものなの?
古代中国では、干支は暦や時間、方角など様々な分野で用いられていましたが、干支は現代社会にもしっかり残っています。
最も身近なものが還暦(かんれき)です。還暦とは、60歳を迎えた人をお祝いする習慣ですが、これは60年経って干支が元に戻るところからきています。私たちが生まれた年はそれぞれ、干支が割り当てられているのです。例えば2018年生まれの干支は戊戌(ぼじゅつ・つちのえいぬ)で1958年生まれの人と同じ、1988年生まれの人は戊辰(ぼしん・つちのえたつ)となっています。
戊辰という文字を見て、幕末から明治へ、日本が大きく揺れ動いた時代に起きた戊辰戦争(ぼしんせんそう)を思い浮かべた方も多いのではないでしょうか。慶応4年(明治元年・1868年)の干支が戊辰だったため、このような名前がついたのです。また、高校野球の聖地として知られる阪神甲子園球場も、完成したのが大正13年(1924年)だったため、干支の甲子(こうし・きのえね)からとってこの名前が付きました。
現代では暦も数字で表し、時刻も方角もそれぞれ決まった単位や数え方が存在します。干支を当てはめる機会は少なくなりましたが、古い時代から脈々と受け継がれてきた数え方は、今も身近なところで生き続けているのです。
十二支の動物たちのことを「干支」と呼んでも問題ない?
厳密に考えるなら区別したほうがよいでしょうが、日本ではもう「えと」という言葉が浸透しています。まったく関連がないわけではないので、誰かが「来年の干支はネズミだっけ?」と話していたとしても、無理に訂正して場の雰囲気を悪くする必要はないでしょう。
「干支」とは十干と十二支を合わせたもので、「十干十二支(じっかんじゅうにし)」ということもあります。「干支」は「えと」のほかに「かんし」という読み方もあるのです。
「えと」という読み方が定着した背景には、五行(ごぎょう)が関係している可能性があります。五行とは「火・水・木・金・土」から成る自然哲学の思想です。万物はすべてこの5つがもとになっているというもので、こちらもやはり古代中国が起源とされています。五行それぞれに陽(兄)と陰(弟)があると考え、これを十干にそれぞれ当てはめて、暦などに用いているのです。
この「え」と「と」から「干支」を「えと」と呼ぶようになったのでは、という見方もあります。ただ、どれも数字が誕生するよりずっと前の古い時代から暦に使われていたものなので、自然に混ざり合っていった可能性は高いです。
<十干と五行>
甲 こう 木の兄(きのえ)
乙 おつ 木の弟(きのと)
丙 へい 火の兄(ひのえ)
丁 てい 火の弟(ひのと)
戊 ぼ 土の兄(つちのえ)
己 き 土の弟(つちのと)
庚 こう 金の兄(かのえ)
辛 しん 金の弟(かのと)
壬 じん 水の兄(みずのえ)
癸 き 水の弟(みずのと)
意味は?なぜこの順番?干支(十二支)の動物たち
十二支は、方角にそれぞれ動物を当てはめて決めていったらしいのですが、なぜあの12種類の動物が選ばれたのか、理由はわかっていません。そもそも、もともとは動物ではなく後から動物と結びつけたという説もあるらしく、なぞは深まるばかりです。庶民に暦や時刻、方角という考え方を広めるために、わかりやすく動物を当てはめたのかもしれません。しかし現代の日本では、十二支それぞれに様々な願いや思いを込めています。動物たちの意味とは?干支のメンバー紹介を兼ねてご紹介いたしましょう。