ヨーロッパの歴史

世界三大美術館(ルーブル・メトロポリタン・エルミタージュ)の魅力を一挙解説!

世界には河川や火山、橋、滝、夜景、都市など「世界三大〇〇」と呼ばれるものがたくさんありますが、「世界三大美術館」と称される美術館があることをご存じでしょうか。特に何か公式な取り決めがあるわけではなく、その時々・地域によってラインナップが異なることもあるようですが、一般的には「ルーブル美術館」「メトロポリタン美術館」「エルミタージュ美術館」の3つの名前を挙げることが多いようです。そこで今回の記事では、この3つの美術館にスポットをあて、どんな施設なのか、どんな作品が展示してあるのか、詳しく解説します。

歴史的名作揃いの巨大美術館:ルーヴル美術館(フランス:パリ)

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最初にご紹介するのは、フランスの首都・パリに鎮座する美術館「ルーヴル美術館」です。エッフェル塔やヴェルサイユ宮殿と並ぶパリの観光名所にして、歴史的名画や美術品を数多く所蔵する、世界屈指の美術館。世界各地に有名美術館あれど、ルーヴルを「世界三大美術館」のひとつに数えることに意義を唱える人はいないでしょう。おそらく、美術館界のトップと言っても言い過ぎではないルーヴル美術館とはどんなところなのか、基本情報からおさえていきましょう。

世界一入場者数の多い美術館:ルーヴル美術館とは

ルーヴル美術館とはフランスの国立美術館。パリの中心地・セーヌ川のほとりに位置しています。

総面積はおよそ6万平方メートル。収蔵美術品は38万点を超えると言われています。

世界一来場者数の多い美術館としても知られており、2018年には年間入場者数が1000万人を超えたことが話題となりました。

館内はとにかく広い!くまなく観覧しようとすると1週間はかかるだろうと言われるほどです。絵画、彫刻、工芸品、先史時代の出土品など貴重な美術品がちりばめられており、展示数は3万5千点にもなります。

敷地は広いですが混雑必至。1日の来場者数が5万人に達することも珍しくないのだそうです。当然、曜日や時間帯によっては、チケット売り場や入口は大混雑。ふらりと立ち寄っても入るまでに時間がかかることもありますので要注意です。

また、ルーヴル美術館はグッズが充実していることでも知られています。絵葉書やコースター、マグカップ、ボールペンなど、手ごろなお値段で買えるお土産がたくさんあるところも嬉しい限りです。

最初は要塞だった?ルーヴル美術館の歩み

現在は美術館となっているルーヴルですが、もともとは12世紀のフランス王・フィリップ2世が築かせた城塞でした。

石垣に囲まれた強固な要塞。それがもともとのルーヴルの姿なのです。

代々フランス王の王宮として使われてきたルーヴルでしたが、1682年、太陽王と称されるルイ14世がヴェルサイユ宮殿を王宮としたため、ルーヴルは美術品などを置く場所として使われるようになりました。

そしてフランス革命の後、ルーヴル城を美術館として使用することが決まります。

ルーヴルが美術館としてオープンしたのは1783年のことでした。当時はまだ、500点ほどの絵画が展示されているだけのシンプルなものだったそうです。

これが19世紀初頭、ナポレオンによって本格的な美術館へと生まれ変わります。ナポレオンが侵略した先々で手に入れた美術品を次々と展示し、その規模はどんどん拡大していったのだそうです。

その後も、フランス君主の座についた王たちによって、美術品の数はさらに増え続け、建物も増改築が繰り返されて現在のような姿に。長きにわたって時の権力者たちが集めた美術品を収蔵し続けたルーヴルには、ヨーロッパの絵画だけでなく、エジプトやイスラム、中東地域の芸術品も数多く残されています。

ルーヴル美術館の象徴的存在であり、映画やドラマのロケ地にもなるガラス張りのピラミッド(ルーブル・ピラミッドの)は、1988年に造られたもの。さらに1993年には、ルーブル・ピラミッドを逆さまにしたような形の採光窓が作られ、広大な美術館内の人気スポットにもなっています。

モナ・リザ、ドラクロワ、ミロのビーナス……ルーヴル美術館の展示とは

美術の教科書で見たことがあるような、有名な美術品をたくさん展示しているルーヴル美術館。どんな展示があるのか、ほんの一部ですが有名なものをご紹介します。

教科書に載っているもの……という意味で見逃せないのが『ハンムラビ法典』です。あの「目には目を」で知られる法典は、巨大な石碑に刻まれたもの。ルーヴルでは古代の石碑や壁画などを数多く見ることができます。

古代美術の象徴ともいえる『ミロのヴィーナス』『サモトラケのニケ像』などの彫刻は、360度ぐるりと背面まで見ることができ、迫力ありです。

そして『モナ・リザ』。ルーヴルを訪れる人のほとんどがこの絵を目的としていると言われるほど、ルーヴルを代表する作品と言ってもよいでしょう。

巨大絵画『ナポレオン1世の戴冠』も見逃せません。

さらにドラクロワの『民衆を導く自由の女神』も美術の教科書の常連。直に見ておきたい名画のひとつです。

マンハッタンに建つ神殿:メトロポリタン美術館(アメリカ:ニューヨーク)

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次にご紹介するのが、大都会・ニューヨーク市マンハッタンのセントラル・パークの東側にある巨大美術館「メトロポリタン美術館」です。ジャンルにこだわらず、世界各地のありとあらゆる芸術品を収蔵・展示していることで有名な美術館。入口前の外階段はオシャレなニューヨーカーたちの憩いの場にもなっています。公立と思いきや、なんと私立の美術館なのだそうです。どんな美術館なのか、覗いてみることにいたしましょう。

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