世界三大美術館(ルーブル・メトロポリタン・エルミタージュ)の魅力を一挙解説!
アクセス抜群!大都会のど真ん中に建つ巨大な私立美術館
「The Met」という愛称でも知られるメトロポリタン美術館。古代芸術から近代アートまで、さまざまな美術品と出会うことができます。
数多くのアーティストが暮らしており、美術館やギャラリーが多いマンハッタン。その頂点に立つ世界最大級の美術館です。
摩天楼輝く大都会のど真ん中に鎮座する、古代神殿のような巨大な建造物。まずそのスケールの大きさに圧倒されます。
絵画や彫刻だけでなく、写真や服飾関係、楽器、工芸品など、その展示物は多種多様。コレクションの数は300万点以上にもなるのだそうです。
メトロポリタン美術館は、19世紀後半、「アメリカに美術館を作りたい」と願う民間の有志たちによって創立されました。最初の建物はセントラル・パーク内に建てられたのだそうです。
その後、アメリカで美術品に触れる機会をもっと増やしたい。そう願う有識者からコレクションの寄贈が相次ぎ、その数は膨大なものに。世界屈指の巨大美術館にまで成長しました。
国立でも市立でもなく、民間による美術館であること。メトロポリタン美術館の人気の要因のひとつと言ってよいのかもしれません。
エル・グレコ、フェルメール、ピカソ……メトロポリタン美術館の展示とは
大都会のど真ん中にあるとは思えないほど、とにかく広いメトロポリタン美術館。外観だけでなく内部も巨大神殿のような造りになっていて、歩きながらついつい、天井に目が行ってしまいます。
そんなメトロポリタン美術館にはどのような美術品が展示されているのでしょうか。
展示品が、絵画や彫刻だけに留まっていないところが、この美術館の最大の魅力と言っていいでしょう。
マンハッタンの景色を背景に、一部移築されてきた古代エジプトの『デンデゥール神殿』を愛でることができます。館内の人気スポットのひとつです。
武器や鎧のコレクションも充実。日本から渡ってきた鎧兜もたくさん展示されています。ニューヨークで鎧兜を見ることができるなんて、なんとも不思議な感じです。
青い朝顔が鮮やかな屏風『朝顔図屏風』(鈴木其一)など、日本の絵画もたくさん見ることができます。
フェルメールの名作『水差しを持つ女』もここに。さらに、巨匠エル・グレコの『トレドの風景』やゴッホの『糸杉』など、見ごたえある絵画も数多く収蔵されています。
建物自体が世界遺産:エルミタージュ美術館(ロシア:サンクトペテルブルク)
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ルーヴル、メトロポリタンときて、では3つ目は?もしかしたら意見が分かれるところかもしれません。「スペインのプラド美術館だろう?」「イギリスのナショナル・ギャラリーじゃないの?」「中国の故宮博物院もすごいらしいよ?」などなど。世界各地にすばらしい美術館がたくさんあるので「世界三大〇〇」という枠に当てはめるのは非常に難しいところなのですが、今回の記事ではロシアの「エルミタージュ美術館」をご紹介いたします。
目が眩むほど豪華な外観と内装・女帝の権力の象徴
エルミタージュ美術館はロシアの西部、バルト海にほどちかい場所にあるサンクトペテルブルクという都市にあります。ここはその昔、1917年までロシア帝国の首都が置かれていました。
この歴史ある街を代表する観光スポットが、エルミタージュ美術館です。
この美術館の始まりは、ロマノフ王朝の女帝エカテリーナ2世が1775年、自身の美術品を展示するための展示室から始まります。
「エルミタージュ」とはフランス語で「隠者の部屋」という意味を持つのだそうで、この宮殿は冬の期間を過ごす離宮(冬宮)のような役割をしていたようです。そこにエカテリーナは自分専用の展示室を設けます。
当時、各地の貴重な美術品をたくさん所有することは、権力の象徴にもなっていました。エカテリーナもかなり熱心に美術品を収集しています。
その美術品の数は年々増え、置ききれなくなったため、宮殿を増築。現在のような巨大な建造物になっていったのだそうです。
ひとりの女帝の私的なコレクションから始まり、1863年には一般に公開されることに。1917年のロシア革命後は貴族たちから没収した美術品も集まってくるようになり、翌年、美術館として統合。現在に至ります。
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ラファエロ、ルーベンス、ルノワール……エルミタージュ美術館の展示とは
貴族たちから没収したコレクションが数多く含まれていると聞くと納得です。エルミタージュ美術館では、たくさんの「印象派絵画」を見ることができます。
まずルノアール。『小さな鞭を持った少年』や『女優ジャンヌ・サマリーの肖像』など、有名絵画がずらり。
モネの『ウォータールー橋』もここで見ることができます。
ゴッホの『アルルの女たち』『ライラックの木』や、ゴーギャンの『果実を持つ女』といった、鮮やかな色彩の絵画も印象的です。
もちろん印象派だけでなく、ルネサンス時代の名画もたくさん。ダ・ヴィンチの『ブノアの聖母』やラファエロの『聖家族』、カラヴァッジオの『リュートを弾く若者』など、美術の教科書でもよく見かける名画が目白押しです。
さらに、オランダやスペインの絵画も。ベラスケスの『昼食』やルーベンスの『ペルセウスとアンドロメダ』などもここで出会うことができます。
絵画・名画をじっくり堪能したいなら、エルミタージュ美術館は外せません。しかし一番の見どころはやはり、建物そのものでしょう。色鮮やかな外観と豪華絢爛な内装。遠く建物が見えてきた時点から、すでに美術鑑賞は始まっているのです。
名画に包まれて芸術三昧!全部訪れたい「世界三大美術館」
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海外旅行で訪れる機会の多い美術館や博物館。専門的な知識も必要なく、気軽に立ち寄って名画を鑑賞できるところもありがたいポイントです。こじんまりとした小さなギャラリーも楽しいですが、巨大な美術館で巨大な絵画や彫刻を見上げるのもまた一興。建築そのものも芸術のひとつとして楽しめます。貴重な経験をさせてくれる「世界三大美術館」。機会があったら是非、訪れてみてください。