イギリスヨーロッパの歴史

イギリス国旗はイギリスの歴史そのものー国旗の意味と統合の歴史を解説

スコットランド王国の国旗の場合

スコットランドの青色の下地に白色のクロスのあの旗は聖アンドリューと呼ばれるイエスの12使徒の1人を称えた旗となっています。

「でも、キリスト教といえば十字架だよね?なんでクロスなの?」と思うかもしれませんが、実はこの聖アンドリューという人はXの字で処刑されたからだと言われているそうです。キリストももしXの字で処刑されていたら色々変わったかもしれませんね。

北アイルランドの国旗の場合

北アイルランドの場合は聖パトリックと呼ばれるアイルランドにキリスト教を広めた人を称えた旗となっています。

ちなみに、この北アイルランドの旗のデザインはスコットランドの旗に無理矢理組み合わせなくてはいけなくなったため、スコットランドと北アイルランドを平等にするためあえて上下左右対象にしているのです。

こうすれば北アイルランドとスコットランドが同じ位置に来るようになり安心!なんとかいざこざをなくすための知恵だったのですね。

謎の国ウエールズ

こうしてイングランドとスコットランドとアイルランドの国の国旗が合体してユニオンジャックが完成しましたが、あれ?確かイギリスは4つの国から成り立っているのに、もう一つの国を忘れてはいませんか?そう、その国こそウェールズなのです。

なんでウェールズがユニオンジャックからはぶられているのかというと理由は簡単。イングランドと合併した1606年の時には国旗というものが存在していなかったからでした。

ちなみに、ウェールズの国旗が制定されたのは1959年と割と最近ということもあり、さらにそのデザインも真ん中にどでかい龍が描かれているためユニオンジャックに入れることがまず不可能という悲しき理由があったのです。

ちなみに、2007年にウエールズの新しい国旗を募集したところほとんどの作品がブラックジョークもので旗にすることができず、さらに日本からも『ゼロの使い魔』のキャラクターであるルイズを乗せただけの旗が何故か2位にランクインするなど日本が謎の爪跡を残したりもしていました。

世界に沢山あるユニオンジャック

image by PIXTA / 11074090

さて、これまではイングランドとスコットランドが合併するまでの歴史と旗について見ていきましたが、その後イギリスは大英帝国として7つの海をまたがって世界の25%を支配するまさしく世界の大帝国に君臨するようになりました。

今ではインドを始めさまざまな植民地が独立したためそんな面影はありませんが、実は世界の国旗を見てみるとその証拠が残されていたのです。

さて、次は世界に沢山あるイギリスの旗とイギリスの植民地について見ていきましょう!

オーストラリアとニュージーランドの場合

イギリスの国旗が入っている国として真っ先に思い浮かぶのがオーストラリアとニュージーランドですよね?実はその裏側には今でこそオセアニア地方の重要な国になっているのですが、昔はイギリスの植民地であり、今でもイギリス連邦と呼ばれるイギリスを構成する連邦の一部分となっているのです。そのためオーストラリアとニュージーランドの国家元首はイギリスの王室と同じ。
さらに、国旗にもイギリス連邦の1つというわけでイギリスの国旗が含まれているのです。
さらに、今でもイギリスの国旗を入れている国は他にもフィジーやツバルなんかがあります。

カナダの場合

イギリスの連邦の主な国の1つにカナダがあります。「あれ?カナダの国旗ってあのメープルの葉をかたどっているよね?どこにイギリスの国旗があるの?」そう思った方はそれでいいです。

実はカナダの国旗は1965年までは左上にイギリス国旗をかたどったレット・エンサインと呼ばれる旗を使用していたのでした。

ではなんで今のようなメープルの葉の旗になったのかというとやはりカナダ国民からしたらイギリスの影響から離れたいというわけなんですよね。独り立ちしたんだから親の影響を受けたくないのと一緒です。そこでカナダ国会はカナダの新しい国旗について討論していったというわけなんですが、その上で完成したのがあの今のメープルの葉っぱのあの旗だったというわけなんですよ。

メープルはカナダの国民からしたら一番有名といってもいいほどのメジャーな名産品として知られており、なんと世界の8割がカナダ産!

そのためカナダ人はイギリスの影響から抜け出したいことと、カナダという国に愛着を持って欲しいというわけでこの国旗を制定したというわけなんです。

ちなみに、国旗は変わっていますが、それでもカナダはイギリス連邦の一員。国家元首とイギリス王室となっています。

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