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世界の破滅のチキンレースであった冷戦をヤルタ会談からマルタ会談までわかりやすく解説

冷戦の終わり

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こうして各地域、各分野でさまざまな米ソの競争が行われていきましたが、1980年以降この動きはどんどん薄れていき、そして1989年には冷戦は終結しました。次はどのようにして冷戦が終わっていったのかを見てみましょう。

 

ソ連の揺らぎ

1980年以降ソ連ではアフガニスタン侵攻や社会主義経済の行き詰まりによって経済は破綻。さらにアメリカでもベトナム戦争以降の貿易赤字と財政赤字を抱え込んでしまい、お互い冷戦どころの話ではなくなっていきます。また、1985年にソ連で新たにゴルバチョフ書記長が指導者となるとソ連ではこの経済状態をなんとかするためにペレストロイカを開始。冷戦は終結へと向かっていきました。

東欧革命そしてヤルタからマルタへ

1989年、ソ連のペレストロイカから始まった民主化政策はこれまでソ連に抑圧されていた東ヨーロッパ諸国に対して影響を与えていき、この年になって一気に爆発。ベルリンの壁の崩壊を始め、ポーランドの民主化やピロード革命、そしてルーマニア革命が相次いで起こり共産党政権が打倒されていきました。こうした中、ソ連でもアメリカとの冷戦状態をもう続けるべきではないという声がどんどん上がっていき、1989年12月2日にアメリカのブッシュ大統領とゴルバチョフ書記長の間で冷戦の終結を会議するマルタ会談が開催。その翌日にはマルタ宣言が発布されて冷戦は正式に終結しました。

冷戦から学ぶべきこと

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1945年から1991年まで行われた冷戦はマルタ会談で終結しましたが、それでもアメリカと1991年にソ連が崩壊して以降はロシアはよくはなりませんでした。世界は再び冷戦みたいな代理戦争や経済制裁などの応酬が行われる新冷戦の様相を呈していってます。しかし、冷戦がエスカレートするとどうなるのかは歴史がちゃんと証明しているはずです。もし、このアメリカとロシアの関係を考えるのであれば冷戦のことも学ぶべきと思います。

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