日本の歴史

七福神とはどんな神様?由来や特徴、ご利益まで一挙ご紹介!

実在した中国の僧侶がルーツ「布袋尊」

布袋尊(ほていそん)は、中国唐時代に実在した僧侶がもとになっているといわれています。お布施をしまう大きな袋を担いで歩いていたと伝わっており、そこから「布袋(ほてい)」という名がついたのだそうです。本名は契此(かいし)といいます。

お坊さんなので頭は坊主、大きなお腹をしていて、豪快で奔放、楽天的で自由な生活をしていたところから、平和や幸福を象徴する神様として崇められることが多いです。実際に契此はひとつの寺に留まらず、各地を放浪して歩いていたといわれています。

占いに長けていて様々な事象を言い当て、人々に幸福をもたらしたとも伝わっており、布袋は弥勒菩薩の化身だともいわれていました。大きくておおらかな布袋尊も日本で人気の神様となり、富貴繁栄の象徴として崇められるようになったのです。

<布袋尊>
特 徴: 坊主頭、大きなお腹(太鼓腹)
持ち物: 宝物がたくさん入った袋、うちわ
ご利益: 商売繁盛、家庭円満、千客万来など

時には八福神ということも……8番目のメンバーとは?

寿老人が七福神から外されていたことがあるように、七福神は初めからずっと同じ顔ぶれだったわけではありません。七福神という信仰が始まったのは室町時代の後期頃で、それ以前はまだ、メンバーは定着していませんでした。地域による違いもあったと考えられています。

さらに、七福神に1人プラスして「八福神」とするケースもありました。これはおそらく、中国の「八仙」の影響ではないかと思われます。中国では道教の仙人の中でも特別な8人を集め信仰していました。七福神と同じように、八仙が船に乗っている様子を描いた絵は縁起がよいとされ、大変人気があったのだそうです。

例えば、神奈川県横浜市には「瀬谷八福神」というものが残っています。従来の七福神に、インドの僧侶である達磨(だるま)を加えて八神にしたもので、八福神巡りや御朱印集めなど観光客にも人気があるそうです。

また、千葉県八千代市の「八千代八福神」では、吉祥天(きっしょうてん)というインドの女神を加えて八福神としています。吉祥天は弁財天の代わりに七福神に加わることもあるそうです。

さらに京都の清水寺の「清水寺八福神」ではお多福(おたふく)が加わります。福がさらに増え縁起がよいと、大変評判になったのだそうです。

開運祈願~七福神を探して町中散策もおすすめです

image by PIXTA / 18489259

日本全国にある神社の数はおよそ8万8千社、寺院はおよそ7万7千寺あるといわれています。その中には、主祭神やご本尊と並んで、七福神を祀っているものも多いのだそうです。お正月の松の内に七福神めぐりすると運気が上がるといわれています。様々な形で私たちに福を授けてくださる七福神。機会があったらぜひ、七福神を探して散策を楽しんでみてください。

1 2 3
Share: