イギリスヨーロッパの歴史

シェイクスピアの四大悲劇「ハムレット」を解説!狂気にあふれた復讐の物語

誰に感情移入する?『ハムレット』の魅力とは

『ハムレット』の魅力は、暴走する狂気の中で行われるハムレットの復讐劇です。純粋で若いハムレットの憤り、乙女オフィーリアの悲劇。筆者が10代で読んだ時には、オフィーリアに罵声を浴びせるハムレットに頭に来たものでした。許せんハムレット!百年の恋も冷める圧巻の罵倒です。しかし美しく神聖だと思っていた母親があっさり夫の弟に身を任せる姿を見れば、女という女が気持ち悪くなる気持ちもわかります。『ハムレット』は世界一の女嫌いハムレット青年の絶叫の物語です。

しかしハムレットの叔父にして王クローディアスと、母の王妃ガートルードとの不倫の愛も見逃せません。大人になれば、やむにやまれぬ熱烈な恋の感情がわかってきます。筆者は不倫ダメ絶対!論者ですが、人を殺してまで愛する人を手に入れようとする熱愛は胸に迫るものがあるのも事実。究極の略奪婚、そして王位簒奪を成し遂げた不倫の愛の姿も見どころです。

『ハムレット』の後には『ロミオとジュリエット』『マクベス』『オセロー』が続いて書かれることになります。古典の名にふさわしく、何度読んでも味わいのある素晴らしい物語。一見、姦通と殺人に対する勧善懲悪のような物語ですが、その中に生きることの悲哀がくっきりと書かれていますよ。一生に一度は読みたい名作です。

永久に色あせない名著『ハムレット』の狂気

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シェイクスピアはあらすじだけ知っていても意味がありません。ぜひ一度、通してぜんぶ読んでみてください!翻訳ではなく原文を読まなければ真の良さがわからないと言う人もいるほどです。『ハムレット』は読むたびに別の味わいがあり、翻訳者が変わるごとに異なる表現に魅了される、素晴らしい文学なんですよ。人生の読書で一度は読みたい名作、ぜひあなた自身で手にとって見てください。絶対、飽きません。

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