5分でわかる「ダニエル・デフォー」生涯・名言・代表作品をわかりやすく解説
5.ダニエル・デフォーのおすすめ作品
Albert Goodwin – https://twitter.com/BBC_ARoadshow/status/1099756339218337792 (image link), パブリック・ドメイン, リンクによる
先ほどもお話ししましたが、デフォーのデビュー小説は『ロビンソン・クルーソー』です。それまでの冒険物は航海記のような面白みのないものばかりで、残り時間も短いことを感じており、これまでにない面白い作品を書きたいと思っていたに違いありません。それでは彼のおすすめ作品をご紹介します。
5-1『ロビンソン・クルーソー』
放浪歴のあるクルーソーが親に反抗し家を出て、船乗りになるもその船が難破します。無人島に漂着し28年間の離島での暮らしを、「事実らしさ」を念頭に置き書かれた作品。たまたま持っていた聖書から信仰に目覚め、規則的な生活と自立した精神で、次々と起こる困難を克服する姿を描いています。
聖書に次ぐベストセラーとなった陰には中産的生産者層がこの本を好んで購入しており、流れ着いた無人島での生活で今日をやっとの思いで終え翌日には更に住みよい場所に開拓して行く姿が、新興ブルジョアジー的共感を得られる作品だったからのようです。
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Amazonで見る5-2.『ペスト』
1665年に大流行した「ペスト」という見えない敵と戦うロンドン市民の様子を、実録のように描いた作品です。家族が近づくことすら危険とされ、自宅はまるで監獄状態。生と死の狭間でペストと戦う患者は、孤独とも戦います。読むだけで、ペストの恐怖を再確認させられるようです。ペストを神の怒りとし読者に恐怖を植え付け、王政復古後のチャールズ二世など王室を槍玉にあげているところも見逃せません。
コロナの影響で、デフォーの『ペスト』も人気です。フランス人作家のカミュの『ペスト』が有名ですが、デフォーの方が「現実的」だとか。叔父で馬具商のヘンリー・フォーが近郊地域に住んでおり、彼の情報を参考にしています。『ロビンソン・クルーソー』でも見られるように、一人称の「私」を語り手を使った作風が臨場感を出しているようです。『ペスト』は大都会のサバイバルゲームのように描かれており、この二作品は類似性を感じます。
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Amazonで見る6.デフォーの名言
ダニエルデフォーは、執筆活動を精力的に行っており、名言をたくさん残しました。その中から、印象に残る名言を抜粋してご紹介します。
6-1.『モル・フランダーズ』内の名言
・悪い夫を得た女性は、たいがい結婚を急ぎすぎた人です。良い夫を得られるなら、いくら結婚が遅れても、遅すぎることはない。(モル・フランダーズ引用)
7人の子供に恵まれたデフォーの結婚生活は、ご紹介したように恋愛結婚を推奨する記事を書いており、失敗とは思っていなかったようです。
貧困から犯罪をしてしまい、倫理観が失われた主人公が、自身を正当化する姿が描かれた作品。ラストシーンに自分の人生を公開しており、彼女の考えを否定する言葉が登場しています。
・私たちはこれからの余生をこれまでの悪の人生を本当に悔い改めたい気持ちで送る。(モル・フランダーズ引用)
6-2.『ロビンソン・クルーソー』内の名言
・すべての悪いことは、それに伴ういいことと、さらにそれよりも悪いことといっしょに考えなければならないのだ。(ロビンソン・クルーソー引用)
漂流し無人島で孤独に潰されそうになるも、必死に立ち向かおうという時に出たセリフ。この言葉を思い浮かべれば、これから立ち向かわなくてはならない困難にも前向きに進む気持ちになれるはず。
・私は自分の能力をこえた計画で頭がいっぱいになった。実業界のもっとも優秀な連中が破滅するのもこういったときが多いのである。(ロビンソン・クルーソー引用)
自分の実力以上の計画は、破滅を導くという名言。人生が上手く進まなかったときに、誰でも同じと思へば失敗も力になるはず。上記の名言を自信を奮い立たせ、どうしてもうまくいかない時はこちらも覚えておくと気が楽になるかも…。
イギリス古典主義時代の「天才悪党」と称されたダニエル・デフォーは、17~18世紀のイギリスを一番よく知る人物かも
By Edwardx – Own work, CC BY-SA 3.0, Link
若い頃から貿易商として活躍したデフォーは、英国内からだけでなくヨーロッパはもちろん、アメリカやアフリカやアジアなど国外から、また自国の歴史や政治からの現状など広い視野で冷静に見ることができたから、『ロビンソン・クルーソー』というヒット作品が誕生したのでしょう。彼の人生を振り返りながら、小説や映画などでデフォーワールドを、自分なりに楽しんでみてはいかがでしょう。