現在の姫路城は3代目?
実は姫路城には長い歴史があり、南北朝期に山名氏によって築かれてから670年経過しています。各時代によって改修・拡張されてきましたが、元々は石垣も何もない土で造られた城だったのです。
そんな時代が黒田官兵衛の頃まで続き、1580年の羽柴秀吉による毛利氏攻めの際に、改めて官兵衛から譲られることになりました。秀吉は兵站や物流の拠点とするべく城の大改修に取り組み、初めて石垣が築かれることになり、この時に三重の天守閣も完成したといいます。
その後、池田輝政が姫路城を大改修し、近世城郭として生まれ変わったため、秀吉時代の遺構はほとんど残っていません。しかし現在でも見ることができる場所があります。先ほどご紹介したお菊井戸がある二の丸下に築かれた石垣がそれで、有料観覧エリアではないため、入城料を払わずとも見られますよ。
池田氏や本多氏時代の石垣は整然と切り揃えられた美しいものがほとんどですが、秀吉時代の石垣は、いかにも戦国時代の名残りを残す無骨なものです。自然石をうまい具合に積み重ねた「野面積み」という技法で、非常にバランスよく組み上げられていることがよくわかります。
ですから、現在見る美しい姫路城の姿は3代目ということになりますね。
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レアだけど訪れてみたい!姫路城周辺のおすすめスポット
姫路城は外国からも多くの観光客が訪れる大観光地ですから、お城の周辺にもたくさんの人気スポットがありますね。しかしそれを紹介するだけでは、ただの観光案内になってしまいます。そこで知る人ぞ知る姫路城周辺の穴場スポットを紹介していきましょう。
レアでレトロな遊園地「ひめじ手柄山遊園」
Terumasa – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, リンクによる
姫路城から見てちょうど南西の方角に手柄山という小山があり、そこにある遊園地が「ひめじ手柄山遊園」です。昔懐かしいレトロ感がいっぱいですし、しかも入場料も100円と激安。しかも100円分の乗り物券が付いてくるので、実質は無料となっていますね。
観覧車やジェットコースターなどは残念ながら営業終了しましたが、ペダルボート、ファミリーサイクルやメロディペットなど手軽に利用できる乗り物もたくさんあります。
夏季にはプールも営業しており、流れるプールや造波プール、ウォータースライダーがあるなど、なかなか本格的なもの。夏の人気スポットになっていますね。
ひめじ手柄山遊園は、手柄中央公園という大きな公園の中にあるのですが、公園内にも魅力的なスポットが目白押し。水族館や植物園などもありますし、体育館や陸上競技場などスポーツ施設も充実しています。
姫路駅からバスで10分ほどですので、気軽に訪れて頂きたい場所です。
※所在地
TEL:079-296-0503
兵庫県姫路市西延末440
そうめんやっぱり揖保乃糸♪「そうめんの里」
Mti – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, リンクによる
姫路城から距離はありますが、姫路と隣接している宍粟市やたつの市は昔から素麺作りのメッカでした。現在でも450軒ほどの製麺所が素麺を作り続けています。「揖保乃糸」というブランドでも有名ですよね。
揖保乃糸の製造販売を統括している兵庫県手延素麺組合は資料館も運営していて、「そうめんの里」として親しまれていますね。素麺に関する歴史資料や、製造工程などを詳しく展示しており、初めての方でも兵庫県の誇る伝統産業を学ぶことができます。
また1階にあるレストラン庵では、冷やし素麺や流し素麺だけでなく、色々な素麺の食べ方をアレンジして提供していますね。あんかけ素麺や素麺チャンプルー、バジル風味のイタリアン素麺など、どれも美味しいですよ。
すぐ近くにある素麺神社として有名な大神神社(おおみわじんじゃ)では毎年5月に例大祭があり、それに合わせて「そうめん祭り」というイベントが開催されます。ミス揖保乃糸が紹介されたり、業者さんによるイベントブースがオープンしたりと、それはたいそう賑やかなもの。ぜひ楽しんでみて下さいね。
※所在地
TEL:0791-65-9000
兵庫県たつの市神岡町奥村56番地
雄大なススキの草原が広がる砥峰高原~原不動滝を目指す
663highland – 投稿者自身による作品, CC 表示 2.5, リンクによる
姫路市からかなり北になりますが、都会の喧騒を離れて雄大な自然を満喫してみるのはいかがでしょうか?播但連絡道路を北へ向かい、神崎南ICを降りて西方面に山道を登ると砥峰高原に達します。
約90ヘクタールにも及ぶ広大なススキの草原で、以前放送された大河ドラマ「平清盛」「軍師官兵衛」のオープニングロケ地となった場所ですね。
秋のススキの時期が最もおすすめですが、春には様々な草花が咲き乱れ、夏には高原の新緑がまぶしく、季節ごとに色を変える光景もなかなか見事なものです。まさに日本の原風景が広がっていますね。
もし時間があるのなら、来た道を戻らずにそのまま西へ向かっても良いですね。道はかなり細いものの、いかにもスーパー林道といった感じで木立を抜けながら山を越えます。
走り続けて、今度は突き当りにある県道6号養父宍粟線を国道29号方面へ走りましょう。そして29号線に入り、鳥取方面へ向かうと宍粟市波賀町に入ります。しばらく走ると「原不動滝楓香荘」の看板が見えてくるはず。
原不動滝は「日本の滝100選」にも選ばれており、男滝と女滝の2つからなっていますね。特に男滝は落差88メートルと県下最大の高さを誇る滝なのです。滝口へ向かうには有料となっていますが、その価値があるほど素晴らしいもの。特に秋の紅葉シーズンには多くの人で賑わいます。
付近にはオートキャンプ場もあってバーベキューなども楽しめますし、ドッグランも新設されたので犬連れでもOKですね。
また旅館楓香荘(ふうかそう)は宿泊だけでなく休憩場所としても活用できますし、天然温泉もありますから、冷えた体を温泉で温めてから帰っても良いですね。
歴史と自然に恵まれたまち姫路
姫路市は兵庫県下でも有数の都市ですが、歴史と自然に恵まれた街でもあります。姫路城の周辺にも書写山円教寺や廣峯神社といった歴史スポットも数多くありますし、南には瀬戸内海や家島諸島などがあり、揖保川や千種川、市川などの大きな河川も通っていますね。そしてそこに暮らす人々は明るく大らかです。ぜひ姫路へ訪れる機会があれば、「ひめじ」は姫路城だけではないことを感じてみて下さいね。
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