ドイツヨーロッパの歴史

X線を発見!ドイツの物理学者「ヴィルヘルム・レントゲン」の生涯をわかりやすく解説

科学の発展は万人に寄与すべきである

「科学の発展は万人に寄与すべきである」と、レントゲンはこう語っていたと伝わっています。

ノーベル賞の賞金はヴュルツブルク大学に全額寄付したのだそうです。

また、X線の発見についても、常々「自分一人の功績ではない」と語っていました。

多くの物理学者たちが様々な研究や実験を行い、そこから生み出された理論や実験装置を使って発見したものだから……だから成し遂げることができたのだと、そう主張していたのだそうです。

物体を可視できるX線は、医療現場を中心に様々な分野で活用され、世界を大きく変えました。

普通に考えれば、相当儲かったはず……ですが、レントゲンはX線に関して特許を取らず、お金を得ることもなかったのだそうです。

研究成果で金儲けしようという考えはなかったのでしょう。

X線が「レントゲン」と呼ばれることを嫌っていた、とも伝わっています。心底目立つことが嫌いという性分だったのか、それとも他の研究者たちに遠慮があったのか、レントゲン自身、多くを語る人ではなかったので、想像するより他に術はありません。

1923年2月10日、レントゲンは77歳の生涯を終え、永い眠りにつきました。

偉大な発見は世界を変える~ヴィルヘルム・レントゲンの生涯

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健康診断のときに利用する機会の多いレントゲン写真。自分の体の中が白く透けて、あばら骨や心臓が浮かび上がるあの写真は、何度見ても不思議なものです。ご本人の肉声があまり残されていないのは残念な気もしますが……。21世紀に暮らす人々の健康管理や病気の早期発見につながっていることが、レントゲン博士に伝わっているといいな、と感じました。

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