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世界の七不思議とは何?古代の人々の「憧れの観光スポット」だったって本当?

人々を導く「アレクサンドリアの大灯台」

エジプトにはもうひとつ、フィロンが絶賛した巨大建造物がありました。紀元前3世紀頃、エジプトのアレクサンドリアに建造されたアレクサンドリアの大灯台です。

アレクサンドリアはナイル川河口のデルタ地帯の西側に紀元前332年に築かれた都市。エジプト・プトレマイオス1世統治下で大いに栄えた湾岸都市であったため、行き来する船の目印にするべく、湾に突き出たファロス島に大きな灯台が建設されました。

驚くべきはその高さ。134mあったといわれています。

しかしその後、この地に幾度となく大地震が起こり、灯台は完全に倒壊。15世紀頃には跡地に要塞が建造され、灯台は跡形もなく消え去ってしまったのです。

ところで、現代に言い伝えられている「世界の七不思議」ではアレクサンドリアの大灯台が挙げられていますが、フィロンが選んだのはアレクサンドリアの大灯台ではなく、「バビロンの城壁(紀元前7~6世紀頃に建国された新バビロニア王国の都を囲っていた巨大な城壁)」でした。「バビロンの空中庭園」と同一とみなされてしまったのか、現代ではなぜか、アレクサンドリアの大灯台を含めた7か所が「世界の七不思議」として伝わっています。

古代に負けてられない!現代の「新・世界七不思議」

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実際に見てみたい!と思っても、フィロンが唱えた「世界の七不思議」の中で現存するのはギザの大ピラミッドだけという厳しい現実。何とも寂しい限りですが、時代が進み、世界各地に巨大な建造物が次々と築かれる中で、その時代時代の秀でた建造物が「七不思議」としてたびたび選ばれるようになりました。もちろん現代でも、2007年に世界中の人々から投票を募って決定した「新・世界七不思議」があります。どんな建造物が選ばれたのでしょうか。「世界の七不思議」に敬意を表しつつ、現代の巨大建造物を巡る旅に出かけてみましょう。

中国:大地を這う巨大龍のごとく「万里の長城」

中国大陸北部に築かれた巨大な城壁。いわずと知れた、世界最大級の建造物です。

人気漫画「キングダム」の世界としても知られている春秋・戦国時代に、北方騎馬民族をはじめとする外敵の侵入を防ぐために築かれたとものと考えられています。

はじめは土塁のようなものであったと考えられていますが、時代が進むとともに現代のような石積みへ。中国統一王朝の移り変わりとともに1500年以上もの歳月をかけて強靭な城壁へと発展していきました。その長さは6000㎞以上。近年の調査では、自治区など各地に伸びる部分も含めると2万㎞以上にもなるとされています。

インド:王と王妃の愛の物語「タージ・マハル」

インド北部のアグラという街にある、アラビアンナイトに出てくる宮殿を彷彿とさせるタマネギ型の丸い屋根を持つ白亜の建物。4本の尖塔(ミナレット)に囲まれた、完璧な美しさを持った総大理石の巨大建造物は、ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、愛する王妃ムムターズ・マハルの死を悲しんで築いた墓廟なのです。1632年から22年もの歳月をかけて完成しました。

一見真っ白に見える建物の壁ですが、近づいて見ると大理石だけでなく様々な宝石が使われており、実に繊細で優美な装飾が施されています。タージ・マハルを訪れるときは、まず遠くから、均整の取れた左右対称の外観を愛で、次に近づいて壁の美しさに思わずため息を……。王の王妃への愛に溢れたタージ・マハル。必見です。

イタリア:ローマの古代競技場「コロッセオ」

長径188m、短径156m、周囲527mの楕円形。すり鉢状になった観客席はおよそ5万人の収容力があったといわれています。紀元後72年に建設された、高さ48mにもなる石積みの巨大建造物、それが、ローマの町中に今も聳え立つコロッセオです。

コロッセオとはラテン語で「巨大」という意味を持つ「コロッソ」が語源なのだとか。「でけえ!」と口々に叫びながら見上げている古代ローマ人たちの姿が目に浮かびます。

用途はもちろん、イベント用。猛獣との対決や戦士同士の戦いなど、様々な競技が行われ、ローマの人々を熱狂させたといわれています。アリーナに水を入れて海戦を再現したこともあるのだそうです。

ヨルダン:謎の古代都市遺跡群「ペトラ遺跡」

人気映画『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』をはじめ、数々の映画のロケ地になったことで一躍有名になった古代遺跡。中東・ヨルダンの国境近く、砂漠地帯の渓谷にひっそりとたたずむ巨大建造物群です。

特によく知られているのが、高さ30m、横幅およそ25mという巨大な宝物庫「エル・ハズネ」。この一帯はかつて、交通の要衝として大変栄えたと伝わっていますが、なぜこのような巨大な建造物を作ったのか、目的は今も謎に包まれているのだそうです。

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