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【北欧神話】ラグナロクってなんのこと?神話好きも衝撃を受けた、神々の黄昏

世界中には色々な土地で、星座などでも有名な「ギリシア神話」「ローマ神話」をはじめ「メソポタミア神話」「エジプト神話」などがあります。日本では「古事記」に記されている神話がありますね。私は子供の頃から神話が好きでよく読んでいたのですが、中学時代に出会ったこの「北欧神話」にはかなりの衝撃を受けました。この北欧神話の魅力と、北欧神話のクライマックスの「ラグナロク」について紹介させていただきますね。

北欧神話ってどんな神話?

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この神話は北欧、つまり「スカンジナビア神話」ともいわれてフィンランドを除く「ノルウェー」「スウェーデン」「デンマーク」「アイスランド」「フェロー諸島」に広がった、キリスト教以前に信仰されていた宗教の話です。元はノルウェー人のバイキングなどが入植して、地域の伝説と合体していったもので、ゲルマン民族とも合体して「ゲルマン神話」の元になっているともいわれていますよ。その中での描写が古くからの生活や考え方がわかる一級史料にもなっていますね。

この神話は『詩のエッダ』の中で神々の王である「オーディン」が死者である巫女の「ヴォルヴァ」の魂を呼び出して「過去から未来」を教えろと命令したことから始まります。ヴォルヴァは最初は拒否しますが、オーディンの「王としての務めを果たすためには、すべてのことを知らなければならない」と言ったことから語り出すという『巫女の預言』に書かれていますよ。

北欧神話の世界観

大概の神話同様に「大地の創造」「人間の誕生」というところからはじまります。しかし、面白いのは神々の種族が3つに分かれていることですね。「アース神族」「ヴァン神族」「ヨトゥン(巨人族)」ですが、アース神族とヴァン神族は長年の戦いの末にアース神族が勝って和解しますよ。そこでお互いに人質をとったり異種族で結婚するなどして仲良くなりました。中にはヨトゥンとも結婚して生まれた子供がいますよ。そしてヨトゥンに対して戦うようになります。

〇アスガルド・アース神族の世界。
〇 ヴァナヘイム ・ヴァン神族の世界。
〇 ミズガルズ ・人間の地。
〇ムスペルヘイム・炎の世界。
〇ニヴルヘイム・ 氷の世界。
〇 アルフヘイム・ 「エルフ」の世界。
〇スヴァルトアルフヘイム ・「黒いエルフ」の世界。
〇ニダヴェリール ・腕の立つ鍛冶屋の「ドワーフ」「小人」達の世界。
〇ヨトゥンヘイム・巨人の世界。

これらの世界は世界樹「ユグドラシル」により繋がっていて、アスガルドがその樹木の最上・二ヴルヘイムが最下層に位置しています。その二ヴルヘイムでは「ドラゴン」が根をかじっているといわれていますね。アスガルドには神々の王であるオーディンの居城「ヴァルハラ」があります。そこは偉大な戦士達の魂が「ヴァルキュリア」によって導かれていくところですね。その魂が「ラグナロク」の時に神々を守護をする役割をしますよ。

世界の始まり

世界の始まり何も無い混沌とした空虚な空間「ギンヌンガガプ」が存在していました。その中で最初に生まれたものは「火」「氷」。そのためにムスペルヘイムとニヴルヘイムの2つの世界しかなかったといいますよ。その火が氷に触れた時に「巨人ユミル」と「氷の雌牛アウズンブラ」が創られました。

ユミルは足から息子・脇の下から男と女が1人ずつの子供が生まれて、それらがヨトゥン及び巨人達の親となったのですね。対して雌牛のアウズンブラはというと塩の岩をなめました。そこから1日目に髪が生え、2日目に頭ができ、3日目になったら完全な人間の体となって岩から現れました。彼の名は「ブーリ」といいユミルの汗から生まれた霧の巨人と結ばれて「ボル」という男の子が生まれました。彼はヨトゥンの「ベストラ」と結婚して「オーディン」「ヴィリ」「ヴェー」という3人の子供が生まれます

3人の神は強力な力をもっていてユミルを殺してしまいました。そして死体から大地・血液で海と川と湖・骨で石・脳で雲・頭蓋骨で天空創り出しました。ある日3人の神は2本の樹木を見つけて人間を創ります。オーディンは生命・ヴィリは精神・ヴェーは視覚と聴力そして話す能力を与えたんですね。神々はその2体の人間をを「アスク」「エムブラ」と名前をつけて地上の中心に王国を創ってあげました。ユミルのまつ毛でその王国のまわりに巨大な塀を創って巨人から隔離したのですよ。

魅力的な神々

ここで魅力ある神々の一部を紹介しましょう。

《アース神族》武力の神々
オーディン・神々の王・戦いと死の神・最高の智恵をもつために片目を捧げる。両肩に「フギン(思想)』『ムニン(記憶)」というカラスを常に従えて、世界のあらゆることを知っている。
トール・雷神・オーディンの息子で神々最強。豪傑ながら短気で怒りっぽい。巨人に恐れられている。
バルドル・光明神・トールの弟。平和の象徴で人間を導く神。
テュール・法律を司る軍神・フェンリルを鎖に繫ごうとして片腕を失う。
ヘイムダム・アスガルドと他の世界の境界になっている虹の橋の番人。
イズン・神は不死ではないので若返りの実を食べる。その実を管理している女神。
ヴァルキュリア・英雄達の魂を来たるべきラグナロクのためにヴァルハラに送る女戦士たち。

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紫蘭