豆知識・雑学

寿命は?どうして痒くなる?何を食べて生きてるの?知っておきたい「蚊」の雑学

暖かい季節になると現れる、あのいまいましい奴!どこからともなくブーンと飛んできていつの間にか刺されてぷつっと痒くなって……。そう、蚊です。最近のニュースなどを見ると、蚊を媒介として蔓延する病気もあると聞き、単に鬱陶しいだけというわけにもいかない様子。刺されないよう、発生させないようにするにはどうしたらよいのでしょう。今回は蚊の豆知識・雑学から探ってみたいと思います。

蚊とは何者?その正体と生体について知る

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毎年8月20日は「蚊の日」に指定されているのだそうです。イギリスロナルド・ロス博士が蚊の体の中からマラリアの原虫を見つけたことに由来するのだとか。マラリアといえば毎年世界中で多くの人が命を落とす恐ろしい病気。そんな病気のもとを、あの蚊があちこちに運んでしまっているのです。蚊とはどんな生物なのでしょう。詳しく解説します。

蚊はハエ目の昆虫・3000種類以上いる

蚊とはハエ目に属する昆虫。英語ではmosquito(モスキート)といいます。

「蚊」という漢字の由来や成り立ちについては諸説あるそうですが、ブーンという音から「虫」に「文」という字ができた、とも言われているのだそうです。

ハエやアブなどと同種で、太古の時代から変わらず子孫を残し続けているとか。恐竜時代の地層から蚊の化石が見つかっています。

種類は世界中に3000種類以上。どの蚊も体が小さいので区別がつきにくく、その生態についても、まだわかっていない点が多いのだそうです。

一般的には卵から幼虫、蛹(さなぎ)、成虫と成長し、幼虫時代を「ボウフラ」と呼ぶことがあります。ボウフラを漢字で書くと「棒振」や「孑孑」。水の中でぶらぶらと浮かびながら蛹になるときを待っています。

体の大きさは4.5mmから5.5mmくらいだが結構早く飛ぶ

地域によっては10㎜以上ある大きな蚊もいますが、日本にいる蚊は体長4.5mmから5.5mmほどの大きさ。羽は2枚あり、体は細長く足が長いところが大きな特徴です。

体の重さは2㎎(千分の二グラム)ほどでほ質量がほとんどないに等しいため、羽ばたいても好きな方向に飛べるわけではなく、飛行能力は低いとみられています。自力で遠くへ移動できるわけではありませんが、風で遠くへ飛ばされる可能性は大です。

また、体が小さいことから、人の体や荷物などに紛れて遠くへ運ばれることもあります。

蚊の一生はだいたい一カ月くらいで100個くらい卵を産む

先ほども触れたとおり、蚊の一生は卵→幼虫→蛹→成虫と変異していきます。

一般的な蚊は、浅い水辺や湿気の多い場所にある草の根元や、水の中の葉などに産卵。卵は一度に100個から、種類によっては200~300個産み付ける蚊もいるそうです。

種類によって違いはありますが、だいたい気温20度から25度くらいの環境で、2~3日で孵化し、ボウフラとして水の中で生活を始めます。エサは水中を漂う微生物や他の生物の死骸。何度か脱皮するため、自分の皮もエサになります。

ボウフラは10日ほど経つと蛹になり、そこから数日で成虫に。オスは孵化後数日で一生を終えますが、メスは20日から40日ほど生きて卵を産み、子孫を増やしていきます。

100個の卵が2週間ほどで成虫になり、全員メスだったとすると100匹が100個ずつ卵を産んで、さらに2週間で……と、これを繰り返していくと、ひと夏の間に数十万匹の蚊が発生することになるのです。

なんと恐ろしい話なのでしょう。

日本で血を吸う蚊は30種類くらい(要注意は数種類)

世界に3000種類以上いると言われている蚊一族ですが、日本にはそのうち100種類ほどが生息していると考えられています。そのうち血を吸うには30種類くらい。さらにその中で、人間の生活圏に近いところで暮らしていてニアミスする可能性が高い蚊は10種類未満と言われています。

中でもよく見られる蚊は「アカイエカ」か「ヒトスジシマカ」「チカイエカ」と呼ばれる種類。黒い体と手足をしていて、白っぽい縞模様がある蚊はヒトスジシマカです。皆さんが家の中などでよく刺される蚊は、ヒトスジシマカの可能性があります。

主食は花の蜜や草の汁・血を吸うのはメスだけ

蚊は人の血を主食にしているわけではなく、普通は植物の密や葉の汁など糖分を食べて生きています。血を吸うのはメスだけ。産卵の栄養のため人の血を必要としています。

メスは嗅覚や温度を感知する能力が鋭い。人や動物の皮膚のにおいや体温を感知して、吸血する相手を探して飛んできます。ヒトスジシマカは昼間活動するタイプの蚊ですが、部屋を暗くしてもまったくお構いなしに刺すことが可能です。

絶対に負けられない戦いがある!雑学から学ぶ蚊撃退方法

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蚊の基本的な生態を理解したところで、次に蚊に刺されないようにするための対策について考えていきます。蚊の生態から考えると、刺されないようにすることも大切ですが、まず「発生させないこと」が重要。次々卵を産まれて孵化されたら、刺されないための要人にも限界が出てきます。蚊を発生させないようにするためにはどうしたらいいか、ポイントを理解して蚊の季節に備えましょう。

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