教養豆知識・雑学

フィナンシェとマドレーヌはどう違う?知って楽しい洋菓子雑学の世界【7選】

みたらし団子や桜餅など和菓子もいいけど、バターやクリームをたっぷり使った洋菓子も捨てがたい!今日はどっちを買って帰ろう……ついつい悩んでしまいますよね。そんなお菓子の世界には、思わず「へえ!そうなんだ!」と目から鱗モノの雑学がたくさんあるんです。知っておくとおやつタイムが2倍楽しくなること間違いなし!今回は数ある中から、甘くとろける洋菓子にまつわる雑学をご紹介いたします。

知っているともっと楽しい!似ている洋菓子の違いに関する雑学

image by PIXTA / 26844087

洋菓子の中には、見た目や味が似ているのに名前が違うものがいくつかあります。例えば「フィナンシェ」と「マドレーヌ」や、「クッキー」と「ビスケット」などです。どれも身近なスイーツで、どう違うのか区別がつきにくいものばかりですが、いったいどう違うのでしょうか。知ったらきっと、誰かに話さずにはいられなくなりますよ!

#1 語源は「金融」?焦がしバターとアーモンドが香ばしい「フィナンシェ」

フィナンシェとはフランス発祥の焼き菓子です。

一般的には、焦がしバターとアーモンドをふんだんに使ったものが多く、表面はこんがりとサクサクした食感があり、形は少し厚みのある長方形をしています。全卵を使わず卵白だけを使用するところも大きな特徴です。

フィナンシェと同様の材料を使った焼き菓子は、17世紀頃から既に作られていました。マドレーヌもそのひとつですが、実は「フィナンシェ」という名前のお菓子が誕生したのは19世紀頃で、比較的近年に入ってからなのです。

フィナンシェ(financier)とは、フランス語で「投資家」とか「金融業者」「資本家」といった意味があります。英語でいうところの「ファイナンス:finance」をイメージするとわかりやすいでしょう。

由来は諸説あり、見た目が「金塊」を思わせるところからこの名が付いたともいわれています。黄色くて四角いあの形は、金運を上げたいお金持ちにも評判がよかったようです。

また、パリ証券取引所で忙しく働く証券マンたちのために考案されたという説もあります。忙しい彼らを見た近所の菓子店の主人が、仕事中でも片手で持って食べられるよう、あの長方形のお菓子を考え出したというのです。

#2 最初に作った女性の名前~ホタテ貝の殻に流し込んで焼いた「マドレーヌ」

マドレーヌもフランス発祥の焼き菓子です。焼き菓子であるという点は、フィナンシェもマドレーヌも共通しています。

違いとして、形(フィナンシェは長方形、マドレーヌは貝殻)と、卵の使い方(フィナンシェは卵白のみ、マドレーヌは全卵)が挙げられますが、ではマドレーヌとはいつ頃誕生したお菓子なのでしょうか。

マドレーヌはフィナンシェよりずっと古く、17世紀中頃に誕生しました。

こちらも由来に関しては諸説あるのですが、どの説も、マドレーヌが人名であるという点はほぼ共通しています。最初に作った人の名前をとって「マドレーヌ」と付けたという説が濃厚です。お金持ちの家の召使いが手近にあったホタテ貝の貝殻に流し入れて焼いたとか、巡礼者たちに配るお菓子として作られたとか、その起源については様々な説があります。ホタテ貝は巡礼者のお守り代わりだったのだそうです。

フィナンシェもマドレーヌもフランスで誕生しました。同じ焼き菓子ではありますが、作った人や時代背景が異なり、多くの人に愛されながらそれぞれ独自に発展していったもの、と解釈すればよさそうです。

#3 国によって呼び方が違う?「クッキー」と「ビスケット」の違いとは

洋菓子界には「フィナンシェ・マドレーヌ問題」よりもっと根深い難題が潜んでいます。その名も「クッキーとビスケットはどう違う問題」です。ここに「サブレ」というお菓子も加わって、非常にややこしい状況に陥っています。

クッキー(cookie)とは、アメリカで使われている単語です。オランダ語で小さなケーキを意味するkoekjeという単語がもとになったといわれています。

ビスケット(biscuit)はイギリス食文化圏で用いられる単語で、フランス語で2度焼きを意味するビスキュイが語源です。アメリカでビスケットというと、お菓子というより食事のときに食べるパンのような、イギリスでいうところのスコーンのようなものになります。

サブレはフランスが発祥のお菓子。サブレ地方で作られた説や、サブレ侯爵夫人が作らせたお菓子に由来する説、砂のようなザクザクとした食感から「砂で覆う」という意味のsablerという単語が用いられたという説もあるようです。

日本では『全国ビスケット協会』という団体が、クッキーとビスケットを明確に分けています。糖分と脂肪分が全体の40%以上ならクッキー、40%未満ならビスケット。でもこれはあくまでも日本の食品分類上のお話です。

なんともややこしい!クッキー、ビスケット、サブレの違いは、日本では材料の配合で区分けされているものの、基本的には国によって呼び方が異なるもの、ととらえておきましょう。

あのお菓子の由来が知りたい!定番洋菓子の雑学アラカルト

image by PIXTA / 24412300

お砂糖の歴史は非常に古く、紀元前4世紀頃にはもう、サトウキビから砂糖が作られていたのだそうです。それからおよそ2500年、人々は甘さに魅せられ、様々なお菓子を生み出してきました。シュークリームやエクレア、ショートケーキ……定番の洋菓子のネーミングにも様々なトリビアが隠されています。お馴染みのお菓子の雑学の世界へご案内いたしましょう。

#4 語源はあの野菜?みんな大好き「シュークリーム」

中が空洞になったシュー生地にクリームがたっぷりのシュークリーム。あの形、何かに似ていると思いませんか?そう、キャベツ。シュークリームの「シュー」とは、フランス語でキャベツやハボタンなどを表す単語なのです。

シュークリームはフランス語で「シュー・ア・ラ・クレーム」といいます。焼き上げた生地の形がキャベツに似ているところから「クリーム入りのキャベツ」という名前が付いたのだそうです。そこからアとラをとって、シュークリームという名前で日本に広まっていきました。英語圏ではクリームパフ(cream puff)といいます。パフとは「ふっくらした丸いもの」というイメージの単語。海外で「シュークリーム」と言っても通じないかもしれません。

その歴史については諸説ありますが、もとはイタリアのメディチ家であったといわれています。16世紀中頃中頃、メディチ家からフランス伯爵家に嫁いだカトリーヌ姫が、自身のお抱え菓子職人に作らせたお菓子がシュークリームの起源という説が有力です。

#5 どうして稲妻なの?語源は諸説ある「エクレア」

シュークリームと似たお菓子にエクレアというものがありますね。シュークリームより細長い形をしていて、上にチョコレートがかかっているのが一般的です。

フランス語では「エクレール・オ・ショコラ」といいます。「エクレール」とは稲妻や雷、閃光を表す単語です。シュークリームの一種なのですから、シュー何とかと名付ければわかりやすいものを、なぜこんな名前が付いたのでしょう。

エクレアは19世紀初め頃に誕生したといわれています。シュークリームは既にフランスお菓子業界で確固たる地位を確立していたでしょうから、お菓子職人たちはこぞって、シュークリームのニュータイプを生み出そうとしていたのかもしれません。

エクレアの名前の由来は諸説あります。表面にかかったチョコレートが光り輝く様子からきているとか、シュー生地の表面の割れ目が稲妻を連想させるとか、クリームが飛び出さないうちに素早く食べる必要があるところから付いた名だとか、様々な説が語り継がれているのです。

比較的新しい時代のお菓子なのに、名前の由来がはっきりしないのは不思議ですが、人気商品とは得てしてそういうものかもしれません。

次のページを読む
1 2
Share: