【雑学】宇宙に果てはある?地表の果てのしくみから考える
宇宙の姿を地球より知る
image by iStockphoto
宇宙の姿は地球にいる以上直接手にとって観察することはできません。それは観察者である我々も観察対象である宇宙の中にいるからです。そのような中で宇宙の姿を推し量るには、想像だけの世界を乗り越えて実際に観測によるものでなければなりません。とはいえども観測対象があまりにも巨大である場合、一体どのようにして宇宙の姿を推し量ることができるのでしょうか。それは我々の住む地球の姿を元に次元を一つ上げて考えていくことで意外な突破口が開かれるのです。
これまでの宇宙のイメージとは
image by iStockphoto
これまで宇宙の姿は、あまりにも広大で計り知れないものでありました。地球を高速度ロケットで飛び立ったとしても、そこにあるものは、永遠に果てにたどり着くことのない、無限の大きさをもつ暗黒の空間だけ。すなわち宇宙の正体は無限の空間の広がりに過ぎないとされ、それ以上の解明はミステリーに包まれていました。またそのことが多くの人間に、どこかはるか彼方には果てあるのだろうかという想いを起こさせ、果てがあった場合のその向こうはどうなっているのかなどといった興味も湧き立たせていたのです。
現代では研究が進み天体の観測環境も発達し、ハッブル宇宙望遠鏡により太陽系や銀河系の中ではいくつもの発見がなされています。その結果、宇宙の大きさにおいては今後においても宇宙は膨張を続ける可能性があることがわかりました。しかしここではあくまでも果てについて考えていきます。
地球の表面がなぜつながっているとわかったのか
image by iStockphoto
地球の表面がつながっているとわかった原因は地平線や水平線の存在でした。大昔は大地が完全な平面で四方八方にどこまでも広がり続けるように思われていましたが、地平線や水平線によって地面が大きく緩やかに曲がっていることがわかったのです。それは地平線や水平線より遠方は地上の様子を観察しようがないという事実でした。もし地表が曲がることなく、完全に平坦な状態であれば、望遠鏡の発達によってどこまでも景色を見ることができ、決してある一定の距離から先は観測不可能ということはないでしょう。
地球の表面を見ることで二次元である平面は縦軸と横軸のみで構成されているわけではなく、若干高さの軸が加わっていることがわかります。すなわち三次元の世界を借りて存在しているのです。
宇宙にも地平線は存在する
image by iStockphoto
地球に地平線があるのと同じように宇宙にも地平線があります。厳密に言えば線ではなく面といえるでしょう。ですがここではそのまま地平線として表現します。この宇宙の地平線は137億光年先にあり、それより先は観測不可能です。これは何を意味するかといいますと、宇宙の地平線までの空間は曲がっているということになります。空間が曲がっているとは、縦軸、横軸、高さ軸はそのまま真っすぐでも、次元を一つ付け足した時間軸が加わることで、四次元の世界を借りて存在していることになるのです。
宇宙の地平線のむこうには何があるか
image by iStockphoto
地球の地平線まで進んだ場合でも、そこは何ら変哲のない進む前の場所と変わりません。建造物には変化はあることは見られても、地面が割れていてその向こうには地面や水面がなかったといったことはありません。同じように宇宙の地平線に到達しても、その空間は元の場所と空間としての性質では何ら変わることはないのです。光でも137億年かかる宇宙の地平線に到達するのは、非現実的な話ではありますが理論的には可能であり、またそこからは137億光年先に別の宇宙の地平線が観測されます。
宇宙の地平線から宇宙の果てに関して何がわかるか
image by iStockphoto
地球の地平線の所まで移動し、次の地平線に向かって移動することを繰り返すことでいずれは元いた場所へ到着します。同じように宇宙の地平線まで移動し、そこからさらに次の宇宙の地平線まで進み続けることで元いた空間にたどり着くのです。すなわち空間の一定方向へ向かって進み続けると、ついには反対方向から出発点に到着することになります。ここからわかることは宇宙の地平線が、例え137億光年の距離とはいえ幾つにも連なって存在することが、三次元の空間ではなく、四次元の時空として曲がりながら連なっていることです。
時空が曲がることで果てがないことにつながる
image by iStockphoto
地表が全てつながるためには、縦と横しかない平面世界に「高さ」という概念を使うことで、平面の先が元の出発点に向かって「高さの世界で曲がる」ことで、伸びていくことを表します。これと同じ原理で、空間が全てつながるためには、縦と横と高さしかない空間世界に「時間」という概念を使うことで、空間の先が元の出発点に向って「時間の世界で曲がる」ことで伸びていくことです。宇宙では空間単独で存在することはなくそこには必ず時間という要素が伴います。