ドイツナチスドイツヨーロッパの歴史

なぜユダヤ人は迫害を受けた?ユダヤ人の歴史と迫害の歴史について解説

ユダヤ人が手にした強み

こうして各地離散することとなったユダヤ人ですが、ユダヤ人には一つ他の民族にはないとある強みがありました。それが学習能力の高さと金融に関する知識でした。

「あれ?学習能力なら日本人もあるけど?」と思うかもしれませんが、時代は中世。キリスト教社会においては文字は神父などの一部の聖職者か貴族しか読めないものでした。

しかし、ユダヤ人の場合は勉強することが神に仕えることだどして一生涯勉強を欠かしません。

ユダヤ人にとったらいつ迫害されてもおかしくない身分。そのため勉強というものは迫害されても失うことのないまさしく究極の個人財産として重宝されたのです。

その一つの証拠として今ではいろんな分野の最高峰の賞であるノーベル賞はユダヤ人が多数受賞しています。つまりは勉強をしまくって新たな発見をした賜物だということなんですね。

金融に関する強み

ユダヤ人といえば一部の人なら金融に強いと答えます。これは決して単なるイメージではなくて昔からユダヤ人というのは金融に関わる仕事についていたことがありました。

実はこれには訳があってキリスト教の場合だと金融業界というのは楽して金を巻き上げるという行為が大変卑しいと思われていたため、軽蔑される職業と思われていました。シェイクスピアのヴェニスの商人の悪いの商人もユダヤ人ですからね。

そのため、金融業界は迫害されていたユダヤ人が多くを占めるようになり、ユダヤ人は金融に関する知識を強めていきます。例えばユダヤ人は貿易の手形として紙幣を発明。金貨とは違い紙幣ならばユダヤ人しか通用しない紙切れですから被害を小さくすることができました。

さらにユダヤ人は株式会社の発明・保険の発明・帳簿などの会計技術の発明など後の世の中に大きな影響を与えた数々の発見を行なってユダヤ人特有のネットワークをどんどん拡大していきます。

ちなみに、今世界で有名はグローバル企業の創業者はロスチャイルド家を始め沢山ありますし。

その要因にはユダヤ人の勉強熱心さ・金融業界に関する強さなどがあるのかもしれませんね。

ナチスドイツによる迫害

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さてついにみなさんが思っているユダヤ人迫害の代名詞。ナチス・ドイツの迫害について解説していきたいと思います。

ナチスドイツの指導者であるヒトラーはユダヤ人を強制収容所に入れるなど様々な方法を使ってユダヤ人を迫害していきましたが、どうしてヒトラー始めドイツはユダヤ人を迫害するようになったのでしょうか?

実はその裏側には単なる迫害では片付けられない理由があったのです。

ユダヤ人がドイツで迫害された理由

ヒトラーという人物はユダヤ人に対してとある恐怖を抱いていました。それがユダヤ人が国を持たないことだったのです。今でこそ日本人は日本、韓国人なら韓国か北朝鮮、中国人(漢民族)なら中国のように様々な民族が国を持って生活していました。しかし、上にも書いた通りユダヤ人はかなり昔に国というものを失っています。

普通国を失ったのなら民族というものは自然消滅するものだとヒトラーは思っていたそうですが、ユダヤ人の場合だと団結力がかなり強いこともあり、「あれ?ユダヤ人をそのままにしておくとドイツがユダヤ人によって内部から侵食されていくんじゃね?」と思うようになったのでした。

これがユダヤ人を迫害する一つの理由となったのです。

ちなみに、ユダヤ人の迫害に対してかなり批判的になったのはナチスドイツが第二次世界大戦に敗れてイスラエルが建国されて以降。

ナチスドイツが政権を握っていた時代は普通に反ユダヤ人の大物たちがヒトラーを支援していたという事実があったのでした。

ナチスの台頭とニュルンベルク法

ナチス党が1933年に政権を握ると一気にユダヤ人排斥を開始。1935年にはドイツ民族の名誉と誇りを守るという意味でドイツにおけるユダヤ人の市民権剥奪などを盛り込んだニュルンベルク法が可決。ユダヤ人はこれによってドイツ国内の施設が使用不可となってしまい、さらには公職に就いていたユダヤ人も全て失業してしまう結果となってしまいます。

しかし、まだこの頃はユダヤ人の市民権剥奪は剥奪されても、絶滅させられることはなくただ単に国内退去を命令しているのみでした。

ちなみに、この頃ユダヤ人であったアインシュタインはアメリカに亡命しています。そもそもこの頃の権威のある医学者などはほとんどユダヤ人だったためこれまではドイツ中心であった医学技術は少しずつ衰退していくことになる悪影響もありました。

ドイツによるマダガスカル計画

ユダヤ人は最初の頃は国外追放のみと書きましたが、ヒトラーは強制収容所を作る前はアフリカの果てにあるマダガスカル島にドイツ中のユダヤ人を押し込もうと計画していました。この事をいわゆるマダガスカル計画というのですが、これはイギリスが予想外に抵抗してマダガスカル島に送る分だけの船が足りなかったこともあり頓挫。皆さんご存知のような強制収容所にて絶滅させるというおぞましい計画へと変わっていったのでした。

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