教養豆知識・雑学

そうだったの?知れば知るほどおもしろい!身体の雑学あれこれ

♯5男性でも母乳が出ることがある!?

哺乳類である以上、人間には男性にも女性にも【乳首】があるもの。しかし、女性ならいざ知らず男性でも場合によっては母乳が出るなんてことあり得るのでしょうか?

レアケースといえども、実はあるのです。人間の脳には様々なホルモンを分泌するための脳下垂体前葉が存在し、その部分からプロラクチンというホルモン物質が生産されています。成長ホルモンと構成が近いので、もちろん男性でもわずかながら分泌されているのですね。

このプロラクチンは乳腺の分化・発達を促進させる役割を果たしていて、各種アミノ酸を取り込み、最終的に母乳を生成するのです。もし脳下垂体前葉に腫瘍(プロラクチノーマ)ができてしまってホルモンバランスが崩れた場合、プロラクチンが過剰に分泌される可能性もあるため、男性だったとしても母乳が出るケースが多く報告されています。

妊娠出産していない女性であっても同様のケースはありますし、例えば胃薬、睡眠薬、精神安定剤などの副作用などによって引き起こさることも珍しくはありません。プロラクチン分泌を抑えるためには、薬の服用を中断するか、ドーパミンの作用を強める【カバサール】を併用してみましょう。

♯6筋肉痛の本当の原因とは?

運動や体を動かした時に、人間はを分解してエネルギーに変えていますよね?分解の際に出た副産物が【乳酸】という物質なのですが、この乳酸が溜まることが原因で、疲労や筋肉痛が起こると勘違いしている方が多いようです。

実はこの乳酸、疲労物質ではなくて再利用できるエネルギー物質だということ。確かに速筋(早く動かす筋肉)で溜まることは溜まりますが、血液によって遅筋(いわゆるインナーマッスル)へ運ばれ、豊富なミトコンドリアを通して、今度は骨格や心臓、姿勢を支えるためのエネルギー源となるのです。

では筋肉痛の本当の原因とは?実は筋肉は伸び縮みする繊維のようなもの。試しに輪ゴムを100本ほど束ねて引っ張ってみて下さい。まるで筋肉のように力強く伸び縮みしますよね?それと同じで急激に引っ張ると千切れたりする繊維もあり、修復するために白血球が集まってきます。そうすると白血球が出すブラジキニンという物質が筋膜に影響を与え、炎症を起こすことに。その際の痛みが筋肉痛となるのですね。

いったん白血球によって修復された筋繊維は、今度は千切れないように強く太くなります。それをよく世間一般では「筋肉量が増えた」と表現しているのです。

♯7高熱と低体温は危険のサイン!

体調が悪いのに、熱を測ってみたら意外と体温が低かった。なんてことありませんか?ちなみに標準的な体温計の目盛りは35~42℃までとなっていますが、それより体温が上がりすぎても下がりすぎても危険信号のサイン。

なぜ風邪やインフルエンザの時に発熱するかというと、体内に入ったウィルスの繁殖を抑え、ウィルスと戦う白血球や免疫細胞がより働けるからです。ただ、あまり高熱が続きすぎても良くなくて、例えば42℃の高熱の状態が続けば体内のタンパク質が変質してしまい、機能不全を起こしてしまうことに。ゆで卵の状態と表現すればよいでしょうか。その場合は速やかに解熱剤を服用せねばなりません。

逆に低体温の場合も危険です。35℃以下の基礎体温の方は、体内でウィルスが繁殖しやすい環境となり、免疫細胞も活発に働けなくなることに。いわゆる「免疫力低下」という状態になるのですね。また低体温症の方がガンになりやすいともいわれており、それを防ぐには普段から運動や筋肉を鍛えることをオススメ。基礎代謝を上げ体温を標準にすることで免疫力がアップすることに繋がります。

身体の雑学あれこれ【身体の内部について】

image by PIXTA / 42715365

身体の雑学あれこれ。今度は人間の【身体の内部について】です。内臓をはじめ神経や血管など、人間の活動に不可欠な器官がたくさんあります。

♯8腸が幸せホルモンを作り出す!?

人に幸福感をもたらしてくれるという【幸せホルモン】というものがあります。これは人間が作り出す神経伝達物質のことで、セロトニンオキシントンなどと呼ばれるのですが、気持ちが安らいだり、喜びや愛情を感じるなどの効果が知られているのです。

これらの幸せホルモンはどこで作られるのかご存知でしょうか?たしかに脳内でも分泌されますが、実はおよそ9割が人間の腸内で作られています。必須アミノ酸のひとつ【トリプトファン】を体内に取り込むことにより、腸内細菌の働きによってセロトニンを生成し、脳内へ送っているのですね。

ですから、幸せホルモンをたくさん作り出すためには、健康で規則正しい食生活を送ることが大事です。以下にトリプトファンを多く含むメニューをご紹介しておきますね。

幸せホルモンを作り出すためのトリプトファンが多く含まれるメニュー

大豆の炊き込みごはん

食品の中で大豆が最もトリプトファンの含有量が多く、ごはんと混ぜることで効率よく摂取できます。副菜として冷ややっこや湯豆腐などがあれば最強の組み合わせです。

鉄火丼

マグロもトリプトファンを多く含む食品。納豆を加えても美味。

バナナとアボカドのスムージー

果物そのものの栄養を丸ごと摂取できることに加え、バナナと牛乳はトリプトファンの含有量も多く、アボカドにはストレスを和らげるチロシンが含まれています。消化にもよいのでオススメです。

魚介のブイヤベース

アジやイカ、エビなどにもトリプトファンは多く含まれていて、煮汁と共に頂くことで栄養素もすべて摂取することができます。

 

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明石則実