豆知識・雑学

今さら聞けない円安・円高のルール!海外旅行に行く前に見ておきたい円相場

ニュース番組の最後のほうで必ずアナウンサーが読み上げるのが、「今日の日経平均株価」と「円相場」。でも「円安」「円高」というのは、何度聞いてもどっちがどっちだったか混乱しがちです。今回はそんな「円高」「円安」の仕組みを一発で理解できるようにやさしく解説していきます。特に海外旅行に行く前には必見です。

【大原則】「円高・円安」は円の価値のこと

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この記事をご覧になった方は、例えば「1ドル100円から90円になると円高」というのが納得できないのではないかと思います。額は下がっているのに、「円高」というのは変な話ですよね。この疑問を解消したい方はこの章だけ読めば大丈夫。まずは、「円高・円安というのは円の価値のこと」というのを覚えてください。つまり、円の価値が上がると「円高」、円の価値が下がると「円安」になるんです。

【ルール1】1ドル100円→90円になれば、「ドル安」だから「円安」

例えば、ある日「1ドルが100円から90円になった」とします。これは円高でしょうか、円安でしょうか?これは「1ドルの値段が100円から90円になった」と考えるとわかりやすいです。昨日は100円玉を両替に持っていけば1ドルもらえたものが、今日は90円で1ドルもらえるようになったということですね。だからこれは「ドル安」です。これをドルを持っている人から見れば、1ドルで100円もらえたものが90円に減ったのですから、「円が高くなった」ことになります。つまり「ドル安」は「円高」でもあるということです。

【ルール2】1ドル100円→110円になれば、「ドル高」だから「円安」

それでは今度は「1ドルが100円から110円になった」というケースを考えてみましょう。これは「1ドルの値段が100円から110円に上がった」ということですね。昨日は100円玉を両替に持っていけば1ドルもらえたものが、今日は110円も持って行かないと1ドルもらえないようになりました。だからこれは「ドル高」です。逆に、ドルを持っている人から見れば、1ドルで100円だったものが110円になったのですから、「円が安くなった」ことになりますね。つまり「円安」ということです。

もしどうしてもわかりにくかったら、この公式だけでも覚えましょう。「1ドル=○○円の数字が増えてたら円安!数字が減ってたら円高!」これで間違えることはなくなりますよね。

【ルール3】海外旅行は「円高」の時が有利

では、海外旅行に行く時は「円安」「円高」のどちらがいいと思いますか?例えば日本からアメリカに行くことを考えてみましょう。アメリカで買い物する時はドルが必要ですよね。だから日本かアメリカの空港で、手持ちの日本円をドルに替えると思います。これが「円安」の時だったとすると、例えば1ドル=110円のレートで交換することになりますね。すると、アメリカで1個1ドルのハンバーガーを食べようと思うと、日本円に直すと110円かかる計算になります。でも、「円高」の時ならば1ドル=90円とかで交換できるので、ハンバーガーも90円で買えるわけです。つまり、海外旅行に行く時は「円高」のほうが有利なんですね。海外でブランド物を買いたいという方は、特に「円高」の時期を狙っていくとよいでしょう。

【ルール4】輸出は「円安」の時が有利

円安」が続くと、外国から来る人は日本で安く買い物ができることになります。「インバウンド消費」という言葉がよく聞かれますが、「円安」が続いていると海外から観光客がたくさん日本に来て、家電などを爆買いしてくれるので、日本の企業がもうかるということなんですね。また、「円安」だと海外に安い値段で商品を輸出できるので、輸出に関わる会社にとってはすごく取引が有利になります。

でも、「円安」の時は海外から輸入する商品が高くなって、食料品などの値段が上がってしまうということもあるため、喜んでばかりもいられません。特に日本は小麦などを輸入に頼っていますから、「円安」になるとクッキーの値段が上がったり、1箱の量が少なくなったりするという悲しい現象が起こるわけです。

【ルール5】ドルと円以外にもある「円高・円安」

ここまではドルと円の関係について見てきました。でも、円はアメリカ以外の世界中のお金とも交換ができるので、それぞれの通貨に対して「円高・円安」になることもあります。例えば、ヨーロッパの「ユーロ」では「円安・ユーロ高」、イギリスのポンドでは「円安・ポンド高」などといった表現も新聞などでよく見かけますね。また、海外の通貨で貯金をする「外貨預金」をしていると、オーストラリアの「オーストラリアドル(豪ドル)」や南アフリカの「ランド」などといった通貨も投資先として見かけることがあります。普段、あまり行かないような国の為替を気にしている人がいたら、外貨預金をしているのかもしれませんね。

【大疑問】なぜ「円高・円安」は起こるのか?

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ニュースを見ていると気付くように、円相場(「為替レート」「為替相場」などともいう)は毎日変動します。日本にいると「円の価値」はそんなに毎日変わらないですよね。ハンバーガーが今日は100円、明日は101円になって、あさっては98円になるなんてことはありませんから、「円の価値」は変わらないように見えます。でも、実際には円相場は変わっているわけなんですが、なぜこのようなことが起こるのか、解説していきましょう。

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