イソップ寓話の物語と教訓8選!奥深く大切な話から、本当は怖い童話までわかりやすくご紹介!
- 1.イソップ寓話とは~作者は誰?いつの時代の物語?
- 1-1.イソップ寓話とは?どれくらいの数があるの?
- 1-2.イソップ寓話の作者「イソップ」とは何者?
- 1-3.イソップ寓話が日本に伝わったのはいつ?
- 1-4.「グリム童話」「アンデルセン童話」とはどう違う?
- 2.奥深い話から怖い話まで~おススメのイソップ寓話8選!
- 2-1.押してダメなら引いてみろ「北風と太陽」
- 2-2.欲張らなければ今頃もっと……「ガチョウと黄金のタマゴ」
- 2-3.油断大敵・コツコツと「ウサギとカメ」
- 2-4.どう読むかはあなた次第「王様の耳はロバの耳」
- 2-5.サボりの代償は大きい~「アリとキリギリス」
- 2-6.ポトンと一つ、ポトンと一つ……「カラスと水差し」
- 2-7.情けは人のためならず「ネズミの恩がえし」
- 2-8.人のふり見て我がふりなおせ?「ライオンの分け前」
- 隠された意味は深かった!大人でも楽しめるイソップ寓話話
この記事の目次
1.イソップ寓話とは~作者は誰?いつの時代の物語?
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アンデルセン童話、グリム童話と並んで、子供たちに読み聞かせる絵本や童話として欠かせない存在でもあるイソップ寓話。中世や近代文学と思いきや、実はとても古い時代に書かれたもの。しかも、成り立ちや全体像はやや謎めいているんです。ではまず、イソップ寓話とはどういうものなのか、基本的な情報を簡単にまとめておきたいと思います。
1-1.イソップ寓話とは?どれくらいの数があるの?
イソップ寓話(イソップ童話と呼ぶこともあり)とは、イソップという人物が作ったとされる物語を集めた寓話集です。寓話(ぐうわ)とは、教訓や風刺を含んだ短い物語のこと。特定の人物や固有名詞などは登場せず、主に擬人化した動物などを主人公にしています。イソップ寓話も、動物を主人公にしたものが多いです。
成立したのは紀元前6世紀頃と言われています。そう、2500年以上もの歴史を持つ、とても古いものなんです。
イソップ寓話というと、子供向けの文学というイメージがありますが、もともとは「庶民のための文学」。書物として世に出たわけではなく、人々の口から口へ、口伝えで伝わっていきました。現在、イソップ寓話として伝わっている物語は300以上あるといわれています。
1-2.イソップ寓話の作者「イソップ」とは何者?
イソップ寓話の作者は、古代ギリシアのアイソーポス(イソップ・Aesop)という名の奴隷だと伝わっています。アイソーポスは紀元前6世紀頃の人物と言われていますが、明確な記録や書物が残っていないため詳細は不明。実在した人物かどうかも含めて、詳しいことはわかっていませんが、このアイソーポスなる人物、作った寓話が評判となり、奴隷の身分でありながら当時のギリシアではなかなかの有名人だったようです。
ただ、今日伝わっているイソップ寓話がすべてアイソーポス作というわけではありません。ずっと前の時代から語り継がれてきた物語も多く含まれているようです。イソップ寓話とは、古代ギリシアで誕生した童話や寓話の総称であると考えたほうがよいかもしれません。
1-3.イソップ寓話が日本に伝わったのはいつ?
イソップ寓話は16世紀後半に日本に伝わってきたと考えられています。キリスト教の宣教師たちによって翻訳され、日本に広まっていったという見方が濃厚です。ウサギやカメ、ネズミ、ニワトリなど身近な動物が登場し、文章もそれほど長くなくわかりやすい。道徳や教訓を含む物語も多いため、江戸時代初期には「伊曾保物語(いそほものがたり)」といったタイトルで出版されます。
最初、出版当初はそれほど広まらなかったようですが、明治時代に入ると、小学校の教科書に載るなど、子供たちの教育の場を中心に普及。子供たちにもわかりやすい内容だったため、広く読まれるようになっていきました。「ウサギとカメ」などは日本の昔話だと思っている人も少なくないようです。
1-4.「グリム童話」「アンデルセン童話」とはどう違う?
「●●童話」というタイトルがつくところから、ついつい混同してしまう、という方も多いのではないでしょうか。
「グリム童話」はグリム兄弟がドイツ周辺に古くから伝わる寓話を集めて19世紀初頭に編纂したもの。「ハーメルンの笛吹き男」や「ブレーメンの音楽隊」はグリム童話として紹介されています。そして「アンデルセン童話」は19世紀のデンマークの作家アンデルセンが創作した童話集。「親指姫」「みにくいあひるの子」「はだかの王様」はアンデルセン童話です。
どちらも近代に入ってから世に送り出されたもので、イソップ寓話よりずっと後の物語集。そう考えると、もちろんグリム童話もアンデルセン童話も面白いですが、紀元前から口伝えで受け継がれてきたイソップ寓話のすごさがわかります。
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2.奥深い話から怖い話まで~おススメのイソップ寓話8選!
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イソップ寓話はどれも短く簡潔なストーリー展開。登場人物(動物)もそれほど多くはありません。身近な動物たちや村人、農夫などが織りなすありふれた日常を切り取った寓話が中心です。心温まるものもあれば考えさせられるものも、時には残酷な結末が待っているものもあります。そこにはどんな意味が隠されているのでしょうか。有名なイソップ寓話の、簡単なあらすじとその中に含まれる教訓について解説します。
2-1.押してダメなら引いてみろ「北風と太陽」
【あらすじ】
北風と太陽が、ちょうど近くを通りかかった旅人の上着を脱がせることができるか勝負することになりました。北風は強い風を力いっぱい吹き付けて旅人の上着を吹き飛ばそうとします。しかし強い風が吹けば吹くほど、旅人は上着が脱げないようしっかり押さえ、北風は旅人の上着を脱がせることができませんでした。次に太陽が旅人に暖かな光を照らしつけます。すると旅人は「暑い暑い」と言って上着を脱いだのです。この勝負、太陽の勝ちとなりました。
【意味・教訓】
事を急いて乱暴な態度で物事を動かそうとしても、相手が頑なになってうまくいかないことも。逆に相手を思いやる行動をとったり、時間をかけて丁寧に着実に進めるほうが、結果的には大きな成果をあげることができます。
「強い厳罰」と「寛容な対応」を表す対義語として「北風と太陽」という言葉が使われることも多いようです。