いくつ知ってる?世界の国々の国旗の由来・歴史・成り立ちについて
- 王道!誰もが知る有名な国旗の歴史・由来
- 星条旗~青地に浮かぶ50の白い星:アメリカ合衆国
- ユニオンジャック~重ねて重ねて:イギリス
- メイプルリーフ~トゲにも意味が:カナダ
- トリコロール-自由・平等・博愛:フランス
- なぜ多い?「三色」の国旗:三色旗の国々
- 実はこちらがトリコロールの元祖だった:オランダ
- 緑豊かな国土と白い雪と熱い情熱と:イタリア
- 白、青、赤が織りなす「スラブ三原色」:ロシア
- 勤勉・情熱・名誉を表す黒・赤・金:ドイツ
- 親近感!日の丸に似た国旗でお馴染みの国々
- 緑豊かな国土に赤い太陽:バングラディッシュ
- 青い海に輝く満月:パラオ
- 意外に知らない?!日の丸の歴史と由来:日本
- 国旗の由来は奥が深い!シンプルなデザインの中に詰まった意味を思う
この記事の目次
王道!誰もが知る有名な国旗の歴史・由来
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「国旗」といったら?日本の国旗「日の丸」や「星条旗」「ユニオンジャック」「トリコロール」といった単語を思い浮かべる人も多いはず。でも、星条旗やトリコロールっていったいどういう意味なのでしょう?まずは誰もが知る王道の国旗の歴史や由来について解説します。
星条旗~青地に浮かぶ50の白い星:アメリカ合衆国
星条旗(the Stars and Stripes)とは、アメリカ合衆国の国旗の名称で、正式には「合衆国旗」と呼びます。
赤と白の13本の横縞、左上に青地に50の白い星。13本の縞模様は独立宣言翌年の1777年当時、アメリカ独立時の13の入植地を表しており、星は現在の州の数を示しています。1777年当時の州の数は13で、現在のように横並びではなく円形に配置されていたのだそうです。
このデザインはアメリカ独立戦争の頃にベッツィー・ロスという女性が縫ったものだという話が伝わっていますが、正式な文献は残されていません。
以後、州がひとつ誕生するたびに星の数が増え、左上の青地の中の星の配置も変わってきました。1960年7月4日にハワイ州が加わって星の数が50になってから以後、星の数に変化はありません。
ユニオンジャック~重ねて重ねて:イギリス
ユニオンジャック(ユニオン・フラッグ)は、英国の国旗の名称です。国籍を示すために船首に掲げる旗のことをジャック(Union Jack)と呼ぶことがあるそうで、そこからこのように呼ばれるようになったとも言われています。
青地に白と赤で十字とX字が重なり合うように描かれているお馴染みの絵柄。しかしよく見ると、クロスしている赤い線が左右で微妙にずれていることがわかります。
イギリスとはひとつの国の名前ではなく、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの国から成る連合国。長い歴史の中で、ユニオンジャックは上記のうちの3つの国の国旗を重ね合わせて誕生しました。
ユニオンジャックの始まりは今から400年以上も前のこと。まずイングランド(白地に赤十字)と、スコットランド(青地に白のX字)が合わさり、1800年代初頭にアイルランド(白地に赤のX字)が加わります。このとき、スコットランドの白線と完全に重ならないように、アイルランドの赤線を左右少しずつずらして配置。両者が同位であることを示しているのだそうです。
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メイプルリーフ~トゲにも意味が:カナダ
メイプルリーフは1956年に制定されたカナダの国旗です。
太平洋と大西洋を表す赤い帯を両側に配置し、中央は白地に赤い大きなカエデの葉(メイプルリーフ)。カエデはカナダのシンボルとして長く愛され続けてきた樹木なのだそうです。
カエデの葉の出っ張った部分(とがった部分と枝)が全部で12あり、これはカナダの10の州と2つの準州を表しています。
1965年の制定以前のカナダの国旗は、赤地の左上にイギリスのユニオンフラッグを配置したものでした。しかし20世紀半ば過ぎごろからイギリス人以外の住民が増えたことなどから、新しい国旗を求める声が高まっていったのだそうです。1963年~1964年、どんな国旗にすべきか激しい議論が勃発。何千枚ものアイディアを作り出して検討を重ねた後、現在の国旗に落ち着きました。
トリコロール-自由・平等・博愛:フランス
トリコロールとは「三色旗」のこと。フランス語で「三色」という意味を持つ単語で、赤・青・黄の色の配色を表すときにも使われます。現在では、トリコロールといえば主にフランスの国旗を表すもの。三色旗を代表する国旗デザインとなっています。
もともと「三色」という意味を持つ単語なので、国旗の色ひとつひとつに意味は持たせていないのだそうですが、一般的には青は「自由」、白は「平等」、赤は「博愛」と解釈されることが多いです。
フランスの国旗の配色は、左から「青・白・赤」となります。
この配色は、フランス革命のときに革命軍が帽子につけていたバッジの「赤と青」と、フランス王室の白百合の紋章の「白」が結びついて誕生しました。
なぜ多い?「三色」の国旗:三色旗の国々
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世界の国旗に目を向けてみると、使われている色は違えど「三色旗」が多いことがわかります。横並び縦並び双方合わせると、50近い国が三色旗を国旗として採用しているのだそうです。ざっくり計算すると世界の国旗の4つに1つは三色旗ということに。これにはどんな意味があるのでしょうか。
実はこちらがトリコロールの元祖だった:オランダ
三色旗というとフランスの国旗を連想する人が多いと思いますが、実は三色旗を世界に広めた立役者はオランダであると考えられています。三色旗の元祖はオランダなのです。
オランダの国旗は縦縞。上が赤(もともとはオレンジ)、真ん中が白、下が青です。
時は16世紀半ばから17世紀にかけてのこと。オランダがスペインからの独立をはかって繰り広げた80年戦争の際、反乱の先頭に立ったオラニエ公ウィレム1世が掲げた「オレンジ・白・青」の三色旗に由来すると言われています。この旗は「プリンスの旗」とも呼ばれ、洋上でも識別しやすいことなどから、以後もこの配色が使われることとなったようです。
オランダといえば大航海時代の覇者。大海を謳歌する世界のリーダーと言ってもよいほど、世界各地に大きな影響を及ぼしました。500年近く前、オランダがいち早く三色旗を掲揚したことが、現代の国旗事情につながっているものと考えられています。
オランダの国旗は、最初はやや薄めの青色とオレンジ色だったものが、徐々にしっかりとした濃い赤と青に変化。特に政治的な理由はなく「見やすくて色褪せしにくい」という実務的な理由からなのだそうです。
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