- 【お金と経済編】物心ついたら日本は、不景気でした。
- 「リストラ」と「倒産」におびえた子供時代
- デフレ経済の賜物!「100均」「ユニクロ」誕生
- 非正規雇用と格差社会、「キャッシュレス化」元年へ
- 【世紀の大事件】平成っ子はそのとき何歳?
- オウム事件、阪神・淡路大震災
- 中学の教室で「9.11.」の中継映像を見ていた
- 東日本大震災のときは「パソコンでツイッター」
- 【アニメ・漫画】人類もここまできた!映像技術と文化が花開く
- ポケモンの延長で「エヴァ」を観ていた小学校低学年、そして「ポリゴンショック」
- どんどん「CG」が発達し、映像革命へ
- 文化として、群雄割拠のアニメ業界
- 【Windows、ケータイ、スマホ、SNS……】SFよりハイテクな世界の到来
- 「Windows」とともにわたしたちは育った
- ガラケーの時代、そしてスマートフォン誕生!
- ツイッター、Facebook、インスタ、YouTube、2ちゃんねる……生活とともにあるSNS
- 平成生まれってどんな人間?その「正体」やいかに
- 「ブラック企業」にうつ病に……変わっていく「仕事場」の光景
- 買い物も勉強も仕事も結婚も……「インターネット」という救済
- 「ゆとり」で「草食系」で「さとり」?勝手に呼ばないで!
- 平成元年っ子はこう思う「平成時代は、楽園だ!」
この記事の目次
【お金と経済編】物心ついたら日本は、不景気でした。
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「失われた20年」と呼ばれることになる空前の不景気が1991年(平成元年生れは2歳)から20年間続くこととなります。つまりわれわれ平成っ子は生まれてこの方「好景気」などまったく見たことがありません。不景気とデフレとリーマンショック、EU危機……そんな中でもしぶとく100均やファストファッションを駆使し、「持っていた時代」を知らない代わりにこの不況の中を、わりと楽しく生きていたのが平成っ子です。
「リストラ」と「倒産」におびえた子供時代
大企業から中小企業に至るまで、大規模リストラの嵐が吹き荒れはじめたのは、平成アラサー世代が小学生の1990年代。ああ世の中は不景気なんだなと大人たちの騒ぎを見て感じるとともに「うちのお父さんがリストラされたらどうしよう・会社が倒産したらどうしよう」と、ハラハラしていたことを覚えています。
2008年リーマンショックは、平成元年生まれの筆者が18歳のときでした。これまた「うちの親は……会社は……」という心配した大事件。また、就活事情も厳しいものでした。1993年~2005年まで続いた就職氷河期の波をモロにかぶったのは、現在のアラフォー世代。ワーキングプアや格差、ネットカフェ難民などの単語をニュースで耳にして、不安に思っていたのが10代後半のころです。
比較的景気が良くなったとされる、平成生まれアラサー世代の就職活動は「お辞儀の角度」「度重なる謎の面接」「大量のエントリーシートと『ご縁がありましたら』」という就活謎文化のもとで行われていました。実感はありませんが好景気も到来しているとのこと……はたして令和時代には夢の「好景気」を見ることができるのでしょうか。
デフレ経済の賜物!「100均」「ユニクロ」誕生
筆者が小学校高学年ごろのことでした。消費に一大変化が訪れます。「100均」の本格的な登場です。登場当初は1品100円(現在は消費税込108円)でワンコイン販売されていた文房具や食器など。「なにかの詐欺だろう……」当初は誰もがそう思ったかと思います。
ダイソーが100均業界に革新を起こして以後、100均業界はアイデア商品でデフレ経済下の日本人たちの節約・お買い物意識を刺激。外国人観光客の「爆買い」スポットともなり、一大産業となったのでした。
10歳前後、すなわち2000年代は、ファストファッションの革命児「ユニクロ」も誕生。中国に工場が置かれたばかりの初期は縫製も雑、黒歴史として葬りたいダサさ。しかし「ヒートテック」「フリース」などの機能性商品が発売され、どんどん質も向上して世界に誇る「UNIQLO」へ。高いところで良いものを買うより、安いところで良いものを買う。というのが平成の消費スタイルとなりました。
非正規雇用と格差社会、「キャッシュレス化」元年へ
2001年、時代は自民党小泉政権。「自民党をぶっ壊す!」「よくやった、感動した!」などインパクトあるフレーズを連発したライオン頭のおじちゃんがやった、民営化、規制緩和、非正規雇用の拡大……「聖域なき構造改革」はその後の日本の格差社会・貧困の引き金となったと言われています。
酷薄な「派遣切り」のあおりをモロに被ったのが、現在のアラフォー世代。平成元年生まれはアラサーとなっていますが、この頃はまだ中学・高校生ごろでした。しかしこの改革がきっかけで古き良き「一億総中流」の昭和的雇用形態は本当におさらば。「正社員」があこがれの単語になったのが平成の特徴です。
2020年東京オリンピックを控え、2000年代年頃からキャッシュレス化が進んできました。2001年には電子マネー「Suica」が登場。「ピピッ」とすれば一瞬で支払いが済むキャッシュレス社会がスタートしたのです。2019年すなわち平成最後の年(令和さいしょの年)はスマホ決済元年。PayPay、楽天ペイ、LINE Payなど、スマホによるQRコード決済サービスが乱立しています。平成っ子は不況と格差と貧困の中、いかにうまくやりくりするか鍛えられた世代でもあるのです。
【世紀の大事件】平成っ子はそのとき何歳?
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リアルタイムにはっきりと覚えていらっしゃる方が多いであろう、平成の世紀の大事件。平成元年生まれは、オウム事件のとき幼稚園児。9.11は中学生。東日本大震災のときには大学生や社会人……そう語ると「うっわ若いわねえ」と昭和の人たちには言われます。世界の風景を変えていった世紀の大事件、そのとき平成生まれは?代表的な事件をたどっていきましょう。
オウム事件、阪神・淡路大震災
「テレビがオウムばっかでつまんない」――幼稚園で友達と交わしたこんな言葉を覚えています。地下鉄サリン事件等、オウム真理教による一連の無差別テロ事件が起こったのは1995年ごろのことです。大人たちは「テレビで『オウム予報』なるオウムの動向報道番組をやっていた」「麻原彰晃が選挙に出ていた」など克明に当時の異様な状況を語りますが、平成生まれは物心がギリギリついたころでした。
時が経つにつれてこの恐怖の事件が特集されることも少なくなり、最近の小・中学生は「オウム」と言ってもわからないという話も聞きますが、アラサー~20代前半世代は「オウム」の特集をテレビで見ることも多かったのではないでしょうか。
そして同じ1995年の1月17日、阪神・淡路大震災が起こります。犠牲者6000人以上を出したこの大規模災害。新潟中越地震や東日本大震災、熊本地震や大阪北部地震など「災害の時代・平成」のはじまりとなりました。テレビに映された「高速道路から半分落ちかけているバス」の映像は今もあざやかに心に残っています。
中学の教室で「9.11.」の中継映像を見ていた
「これは歴史を変える大事件だから、絶対に見ておきなさい」――中学の先生や両親をはじめ、大人たちは不穏な興奮を隠さないまま子供たちに言いました。2001年アメリカ同時多発テロ事件、いわゆる「9.11」です。テレビで繰り返し流される、青い空を背景にした高層ビルの崩壊に、たしかに「これは大変だ」と感じたのを覚えています。
ウサマ・ビン・ラディン率いるイスラム過激派「アルカイダ」の犯行とされたこの事件は、ワールドトレードセンタービルにハイジャックされた飛行機が突っ込むという、前代未聞のテロ事件。筆者は中学2年生、担任の先生が教室のテレビをつけてNHKの臨時ニュースを見せてくれました。
その後、アメリカ軍によるアフガニスタン・イラク侵攻など「対テロ戦争」が勃発。混乱した中東にはイスラム過激派「IS(イスラミックステート、イスラム国)」が台頭するなど泥沼の戦争が続いています。