日本の歴史

意外な語源を持つ日本語12選(ポン酢、ズボン、ハブるetc…)

普段何気なく使っている日本語の数々。改めてその語源を考える機会って少ないですよね。数多ある日本語単語の中には、意外な由来や歴史を持つ言葉がたくさんあります。今回は「この言葉はこんな昔からあったんだ!」とか、「この言葉の語源って日本語じゃなかったの!?」と驚くこと請け合いの日本語をご紹介。明日から使う際に、その言葉はちょっと特別なものになるかもしれません。

もとは日本語じゃない!外国語由来の言葉

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現在日常で使われている言葉には、外国語由来の言葉がたくさんあります。中でも特に多いのが、ポルトガル語をもとにしたものです。なぜポルトガル語語源の言葉が多いのでしょうか。それは、鎖国以前に日本とポルトガルが盛んな貿易を行っていたからです。

ポルトガルが日本へはじめて上陸したのは、1541年のことと言われています。これ以後、鉄砲などの武器や文化、製品が日本に伝わっていきました。言葉もその例外ではなかったのです。

#1 ポルトガル語語源「タバコ」! スペイン語が由来の可能性も

「タバコ」はポルトガル語の「tabaco」を由来とします。ただ、スペイン語でも同じく「tabaco」と言うので、どちらが本来の由来かははっきり分かっていないそう。英語圏には「tobacco」として伝わっています。

日本にはじめてタバコが入ってきたのは1601年。フランシスコ会の宣教師がタバコの種子を贈呈物として持ってきました。伝来当初は火災や風紀が乱れることなどを防ぐために禁止されていたタバコですが、その状況でもたばこは流行。よほど魅力的だったのでしょうか。後に容認されていき、庶民の間で喫煙の文化が広まっていきました。

#2 ポルトガル語語源「合羽(かっぱ)」! もともとはマントと同じ意味

雨天時に使われる「合羽」。傘と違って両手があくので便利ですよね。この合羽は、ポルトガル語「capa」を語源とします。16世紀盛んに活動していたポルトガル人宣教師が着用していた外衣のことをこう呼びました。日本において、防水性があるため雨具としても使われた合羽。明治期になると防寒に使うものが「マント」と呼ばれたため、合羽は雨を防ぐために使うものとして呼び分けるようになりました。

「合」に「羽」という漢字は当て字であり、江戸時代からその漢字が使用されています。伝来当初、戦国武将は合羽のことを「南蛮蓑」とも呼んでいました。意味合いが変化していく歴史がよくわかる日本語の一つだと思います。

#3 ポルトガル語語源「かるた」! 名称は外国語由来だけど……?

子供のころに「かるた」で遊んだという方は多いのではないでしょうか。「いろはかるた」や「百人一首かるた」が有名ですね。この「かるた」という呼び方は、ポルトガル語の「carta」が由来となっています。「carta」は、「手紙」や「トランプ」「カード」などといった意味です。

しかし「かるた」という遊び自体が完全にその時ポルトガルから伝わったもの、というわけではなく、日本古来から「かるた」に似た遊びは存在していたそう。平安時代から行われていたという、「貝合わせ(貝覆い)」という遊びです。「貝合わせ」は時代によって少し変わりますが、絵の描かれた一対の貝殻を使い、ペアの貝殻を見つけるというようなルール。江戸時代にヨーロッパのカードゲーム「carta」と合わさって、現在の「かるた」に近い遊びが確立されました。

#4 ポルトガル語語源「金平糖」! 丸いお菓子という意味

甘くておいしい「金平糖」。形やカラーがかわいらしく、見ているだけで楽しくなるお菓子のひとつです。そんな金平糖の語源もポルトガル語。「砂糖菓子」などを意味する「confeito(コンフェイト)」から「コンペイトウ」となったと言われています。漢字として当てられた「金平」には「強い」という意味があり、強い甘さからこの漢字となったとの説も。花のようなかたちからか、「糖花」とも呼ばれるそうです。

金平糖が日本にはじめて伝えられたのは16世紀。江戸時代初期には貿易で入ってきた金平糖が、献上品として京都などで用いられました。17世紀には長崎で製造されるようになり、18世紀には庶民にとってもなじみ深いお菓子となります。19世紀には江戸にも作り方が伝わり、金平糖はさらに身近なものとなったようです。

#5 アラビア語語源「襦袢(じゅばん)」! 和服用の小物なのに日本語由来じゃない

和服の下着のことを「襦袢」と言いますね。和服をよく着る人にとってはおなじみで、長襦袢に縫い付ける半襟には柄のあるものもあります。下着ながらおしゃれが楽しめるのです。和服を着る際に使うものだから日本語由来かと思いきや、実はアラビア語「jubbeh(ジュッバ)」が由来というから驚き。

アラビア語がもともとの由来ではありますが、この言葉もポルトガルを通してやってきました。ポルトガル語では「gibão(ジバゥン)」と言い、これを音写して漢字を当てはめたものが襦袢です。現在では肌襦袢の上に着丈の長い長襦袢がスタンダードですが、伝来当初は着丈の短い半襦袢が一般的だったそう。最初は袖もなかったようです。

#6 アラビア語語源「ズボン」! フランス語を通して日本へ

現代において、ズボンは男女ともにファッションに欠かせないアイテムですね。その語源は、アラビア語で男性のゆとりある衣服を意味する「djubba」だそう。これがフランス語「jupon(ジュポン)」となり、日本に伝わったようです。フランス語での意味は、女性用ペチコートのこと。意味の変遷が面白いですね。

言葉が伝わった時に「ズボン」の形をした衣服が入ってきたわけではなく、日本には3世紀ごろから似たような衣服が存在していました。それが「直垂(ひたたれ)」。当初庶民が着ていた直垂は、時代が進むにつれて武士が主に着るものとなりました。なお、「ズボン」が日本語を由来とするという説もあり、これは「足がずぼんと入るためズボンと呼ぶようになった」というものです。

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