豆知識・雑学

ご存知でしたか?ワンコのふしぎ~犬の雑学あれこれ~

最近の猫ブームに乗っかって飼い猫の数が急増しているそうです。かたや猫と双璧をなす飼い犬もその数を右肩上がりに増やしていて、一般社団法人日本ペットフード協会の調査によると、日本には約900万頭もいるとのこと。読者の中にも「うちにもワンコがいるよ」という方も多いのではないでしょうか。でも、普段の犬のしぐさや行動を見ていて、何か不思議に思うことはありませんか?「なぜこんなことをするんだろう?」「何を考えているんだろう?」犬って人間にとってどんな存在なのか?他の動物とどう違うのか?そういったふとした疑問を記事の中で雑学形式でご紹介していきたいと思います。題して「ワンコのふしぎ」。

犬の身体に関するふしぎ

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同じ哺乳類でも、人間の身体の作りとはまったく違う犬の身体。寿命や成長の仕方、生活サイクルまで何から何まで違いますよね。まずはそんな犬の身体に関する雑学を解説していきましょう。

犬はほとんど瞬き(まばたき)をしない動物

例えば人間は1分間のうちに最低でも10回程度は瞬きしますよね。それは眼球が渇くのを防ぐために行う生理現象といわれるもの。涙腺で作られた涙を、瞬きをすることによって眼球の表面に行き渡らせてドライアイを防いでいるのです。ところが、犬の場合は少々訳が違います。実は犬はほとんど瞬きをしないことが知られていますね。

その秘密は目の構造にあります。例えばあなたの飼い犬をちょっと観察してみて下さい。瞬きしているように見えても、実は完全に瞼が閉じていないことがわかります。実は【瞬膜】といって白くて薄い膜のようなもので眼球を保護しているからなのです。目の脇に見える白っぽいものがそれで、実は人間にも少しだけ瞬膜の痕跡が残っているのですが、機能はしていません。

犬が寝ている時に白目を剥いている時ってありますよね?あれは瞬膜が閉じている状態なのです。でも瞬膜が機能しているだけに起こってしまう病気もあり、たとえば瞬膜が炎症を起こして表面に飛び出てしまう第三眼瞼腺脱出(チェリーアイ)という病気の場合は、放っておくと角膜損傷や結膜炎など重篤な症状にもなりかねませんので注意が必要ですね。

「犬に塩分を与えてはいけない」は間違い?

犬が人間よりはるかに嗅覚が優れていることは周知の通りですが、実は舌で感じる味覚に関しては人間の1/5以下だといわれています。そのために犬は、今まで食べたことがないものを目の前にして、まずは匂いを嗅いで「美味しいものか?美味しくないものか?」を確かめるのです。舌ではなく嗅覚で楽しむということですね。

犬の舌は【甘味】【酸味】を感じ取ることはできますが、【しょっぱさ】をほとんど感じ取ることができません。もちろん塩気なんて優れた嗅覚をもってしてもわかるはずがないわけで、人間のうっかりミスで塩分の強いものを与えてしまうこともあり得るのです。昭和の頃には平気で「味噌汁かけご飯」などを与えることも普通でしたから、現在ほど犬に関する知識が広まっていなかったといえるでしょう。

かといって犬に一切塩分を与えないのが良いかというと、それも違います。犬はもともとオオカミを祖先に持ちますから、古来は獲物の血から塩分を摂取していました。もちろんペットとしての犬にとっても塩分は必ず必要なもので、ミネラルやカリウムが不足すると体調に影響をきたすので注意が必要です。一般的なフードにも塩分は含まれていますし、体重10キロ程度の犬なら約1.5g程度の塩分摂取が一般的だといわれていますね。

犬にとっても歯が命

人間と違って犬は虫歯になりにくいといわれています。ちなみに人間の口内は弱酸性で、しかもデンプンを糖に分解するアミラーゼという酵素があったり、歯垢がたまりやすいので虫歯になりやすい環境にあるといえるでしょう。かたや犬の口の中はアルカリ性でアミラーゼも存在しておらず、それぞれの歯が尖っているため食物の残滓もたまりにくいのです。

しかし、それでも犬の口内ケアは欠かせないといえるでしょう。最も怖い病気は【歯周病】で、歯周病菌が血液で運ばれて心臓や肝臓などにトラブルを引き起こすリスクすらあるのです。症状が進行して抜歯をするにしても、全身麻酔を施すしか手段はないですし、それが大きな体の負担となって寿命を縮めてしまうことだってあり得ます。犬は自ら「痛い」と言えないわけですから、飼い主さんが常日頃からお口のケアをしてあげたほうが良いでしょう。

犬用の歯ブラシも多く市販されていますし、それを補うデンタルケア用のガム、飲み水に適度に入れる液体歯磨きなど、犬に合ったストレスのないデンタルケアの方法を見つけることが良いでしょう。

犬の食事や排せつに関するふしぎ

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では次に、犬がご飯を食べたり、水を飲んだり、排せつすることに関する雑学をご紹介していきますね。雑学といえども、飼い主さんが普段気を付けるべきポイントも見えてきますから、参考にして頂けたら幸いです。

犬はとにかく匂いの強い食べ物が大好き

先ほども、犬は「食べ物を味わうのではなく、匂いで楽しむ」と書きましたが、市販されているフードにしてもオヤツにしても、匂いがきついものばかりですよね?ウェットフードに至っては人間が匂いを嗅ぐと逆に気持ち悪くなるくらい。でも犬にとってはそのほうが喜ぶのです。

それに匂いを嗅ぐことで、「これは食べられるか?食べられないか?」という判断もするので、多少腐りかけのものでも平気で食べてしまいます。現在でこそ雑食の犬ですが、これもオオカミを先祖に持つだけに胃腸もけっこう丈夫なのです。

でもあまり硬いものは良くはありません。犬の歯は咀嚼するような構造ではないので、無理に臼歯で噛もうとすると折れたり欠けたりしてしまいます。ちなみに筆者は、飼い犬の柴犬に【牛のヒヅメ】をあげていたのですが、無理に噛もうとしたためか歯が割れてしまい、抜歯する羽目になってしまいました。また、硬いものをずっと噛んでいると逆に歯が削れて小さくなっていきますので、やはり注意が必要です。

犬が食べてはいけない食べ物はコレ!

※ネギ類(玉ねぎ、ニラ、にんにくも含む)

これらの食材には「アリルプロピルジスルフィド」という物質が含まれており、赤血球内のヘモグロビンを酸化させてしまう効果があります。そうなると体力の減衰や下痢、嘔吐、黄疸などが起こり、命の危険すらあるのです。

※チョコレート

少々舐めるくらいなら大丈夫ですが、食べ過ぎると「テオブロミン」という物質により中毒となる危険が。嘔吐や下痢、頻脈や痙攣などが起こる危険性があるので、与えない方が良いでしょう。

※イカやスルメ

少量であれば大丈夫ですが、ビタミンの吸収を阻害する「チアミナーゼ」が含まれているため、あげすぎるとビタミンが欠乏する恐れが。また消化しにくい食材のため、細かく切ってあげないと消化不良になる場合もあります。

この他にも、ブドウやアロエ、じゃがいも、茄子なども挙げられますね。

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明石則実