豆知識・雑学

今さら聞けない円安・円高のルール!海外旅行に行く前に見ておきたい円相場

【ルール1】円を買う人が多いと「円高」になる

まず、基本のルールを確認しましょう。オークションなどでは「物の値段」は買いたい人が多ければ上がりますし、買いたい人が少なければ下がりますよね。このルールはドルや円といった通貨でも変わりません。円を買う人が多ければ「円高」になり、円を売る人が多ければ「円安」になります。例えば、日本へ来て買い物をする人が増えたり、日本に投資する企業が増えたりすると、「円高」になるというわけです。つまり、日本が景気がいい時には「円高」になりやすいというのが基本なのですが、必ずしもこの基本通りには動かないというのが難しいところだったりします。

【ルール2】国内における円の価値は簡単には変わらない

円相場が日々動いていても、急に物価が変わったり、給料が上下したりしないのはどうしてなんでしょう。例えば輸入の牛肉の値段は円相場と共に毎日変わりますが、牛丼屋さんの定価はめったに変わりませんよね。それは1円2円の違いだといちいち値札を変えるのも面倒ですし、小さな変動には目をつぶっておいたほうが楽だからです。でも、もし円安の傾向が続いて牛肉の値段が上がりっぱなしになると、会社の利益にも影響が出るので値上げに踏み切らざるを得ないということになるわけですね。だから、短期的に日本に来る観光客にとっては、円安の時に日本に来ると牛丼を安く食べられるということにもなるのです。

【ルール3】「リスク回避の円買い」で円高に

円相場というのはさまざまな要因がからんでくるので、予測は大変難しいものです。その要因のひとつが「リスク回避の円買い」と言われるもの。例えば、アメリカで株価が暴落するというニュースがあると、円高になるという不思議な現象がよく起きます。つまり、アメリカの株の値段が大きく下がるということは、多くの投資家が株を売っていることになるので、余った資金で何かを買う必要が出てきますよね。そういう危機的な時でも日本円は比較的安全なので、リスクを回避するためにとりあえず円を買っておくということが起こるといわれています。そのため、経済的な危機、国際政治の危機といった局面で一時的に円高になるということがあるんですね。

【ルール4】急激な円高・円安を「介入」で防ぐ

大きな経済危機や、投資家の急激な円売り・円買いがあると、日本経済は大きな影響を受けてしまいます。そこで日本銀行(日銀)が行うのが「為替介入」というもの。例えば急激に円が買われて「円高」になった時、日銀がドルを買って円高を防ごうとします。もちろん、ドルを買うといっても何万とか何億という単位ではありません。数兆円から多い時は数十兆円になることも。日銀だけでなく、他の国と協力して介入を行うこともあって、これは「協調介入」と言われます。

また、日銀の総裁や財務大臣が「介入するかもしれない」などと発言して、急激な為替の変動をけん制することもありますが、これは「口先介入」と言われるものです。口先だけで実際には動かないけど、「やるぞ」と見せかけるだけで効果はあるんですね。

海外旅行にも資産運用にも重要な「円高・円安」

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海外旅行でトクするかどうかだけでなく、外貨預金やFXなどの資産運用にも「円高・円安」のチェックは欠かせません。また大きな国際的なニュースがきっかけで円相場が激しく動くこともあります。ほんの些細なことのようですが、実は「円高・円安」は国際情勢にも大きく関係している大切な情報なのですね。

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