日本の歴史

いくつ知ってる?日本の有名な神様の名前とご利益【11選】

日本には「八百万の神」といわれるほどたくさんの神様がいます。たくさん神様がいることは知っていても、いざとなると名前まで思い出せない……という方も多いのではないでしょうか。森羅万象に宿るといわれる日本の神様、全部網羅するのは難しいとしても、有名な神様のお名前とご利益ぐらいは覚えておきたいですよね。以下はほんの一例ですが、あまたある日本の神様の中から、特に有名な神様を厳選してご紹介しようと思います。

やおよろずの神の中から厳選!知っておきたい日本の神様11選

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日本古来からの宗教である「神道(しんとう)」は、自然や身近なもの、偉業を成し遂げた偉人たちなどを神として信仰する多神教です。キリストやブッダのような開祖や創始者もいませんし、聖書やコーラン、お経のような正式な経典や文書もありません。その代わりに太陽を崇め、大地の恵みやご先祖様に感謝して日々の生活の安泰を願うのです。そのため、神様の数も多くなります。

さすがに八百万の神すべてをご紹介することはできませんが、まことに僭越ながら有名な神様を選ばせていただきました。ちなみに神様の数え方は「柱」。神羅万象あまたある神様の中から11柱、由来やご利益などご紹介いたします。

#1 天之御中主神(天乃御中主神・あめのみなかぬしのかみ)

天之御中主神とは、日本神話の天地開闢(てんちかいびゃく)のときに高天原(たかまがはら)に最初に現れた神様です。まさに「八百万の神の頂点」に立つ存在。日本最古の歴史書である『古事記』に最初に登場する神様としても知られています。

天地開闢とは、世界が初めて生まれたときのこと。高天原とは神様が住む天上の世界のことを示しています。つまりこの世に最初に降り立った最高神・絶対神であり、宇宙のすべてを握る全知全能の神なのです。

高御産巣日神、神産巣日神とともに「造化三神(ぞうかさんしん)」と呼ばれています。また、神仏習合によって、室町時代~江戸時代のころには仏教の妙見菩薩(みょうけんぼさつ)と同一とみられるようになり「妙見さん」の名で親しまれるようにもなりました。

ご利益は、安産・出世開運・学業成就・海上安全・長寿・厄除けなど多岐に渡ります。

<天之御中主神を祀っている主な神社>
八代神社(熊本県八代市)
秩父神社(埼玉県秩父市)
東京大神宮(東京都千代田区)

#2 高御産巣日神(高皇産霊尊・たかみむすひのかみ)

高御産巣日神は、天地開闢の際、天之御中主神の次に高天原に現れたとされる神様です。天之御中主神、神産巣日神とともに「造化三神」と呼ばれています。高木神(たかぎのかみ)と呼ばれることもあるそうです。

高木とは、背の高い大きな木・巨樹・世界樹や宇宙樹のような木を示しているものと考えられています。木は日本神話の中で大変重要な役割を担っており、日本人は古来より、大樹に神聖な力を感じて崇めていました。高御産巣日神はこの高木を神格化したものではないかとも見られています。

名前に用いられている字からも想像できるとおり生産・生成・創造を司る神様。縁結びのご利益があると言われています。

<高御産巣日神を祀っている主な神社>
高木神社(東京都墨田区)
四柱神社(長野県松本市)
東京大神宮(東京都千代田区)

#3 神産巣日神(神皇産霊尊・かみむすひのかみ)

神産巣日神は、天地開闢の際に高御産巣日神の次に高天原に現れた、「造化三神」のうちの一柱とされる神様です。

日本の神様の多くは男女の性別がはっきりしており、配偶者がいることが多いのですが、「造化三神」はいずれも性別がなく配偶者もない「独神(ひとりがみ)」とされています。そのせいか、天地が生まれたときに最初に現れたという重要な神様でありながら、その後の記述がほとんどなく、あまり知られていません。他の神様と異なり、表面に出て活躍するというより、上に立って神々を束ねる役割を果たしているようです。

高御産巣日神と同じく、生産や生成を司る神様。世界を支える大地にみなぎる生命力が神格化したものとされています。

五穀豊穣や長寿、無病息災などのご利益があるそうです。

<神産巣日神を祀っている主な神社>
サムハラ神社(大阪府大阪市西区)
出雲大社(島根県出雲市)
東京大神宮(東京都千代田区)

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