その他の国の歴史アジア

多種多様な民族や文化が混在した国「インドネシア」の文化と宗教事情をわかりやすく

国民の大多数を占めるイスラム教

現在インドネシアでは、イスラム教、ヒンドゥー教、仏教、プロテスタント、カトリックなどが主な宗教として存在していますね。その中でもイスラム教徒は、全国民の88%を占めるほどの絶対的多数があり、国を動かしているのはイスラムだと言っても過言ではありません。「メッカから遠く離れれば離れるほど、厳しい戒律も緩くなる」ということわざもあるように、過激なイスラム原理主義者なども目立ちませんし、人々は決められた戒律に従って日々生活しているのです。

しかし、ひとたび戒律のタブーや琴線に触れれば、一触即発の状況になることも。過去にはポノ宗教戦争も起きましたし、最近でも戒律のタブーに触れた知事の発言に対してデモや暴動が起きました。ただ、多民族であり多宗教国家でもあるがゆえに、他の宗教の存在を認めはしている寛容さはあるのではないでしょうか。

ラマダンの断食月になると、首都ジャカルタの飲食店などは軒並み白いカーテンを下ろして店内が見えないようにするそうですね。それは食事中の様子を断食中のイスラム教徒に見せないということらしいのです。そのような宗教間での配慮が、この国の特徴でもあるのですね。

その他の宗教について

インドネシアには、イスラム教以外にも宗教は根付いています。例えばキリスト教。日本と同じく中世にポルトガルから宣教師が布教に訪れ、現在でもニューギニア西部やスラウェシ島を中心に信仰されていますね。

そして仏教。全国民に対する割合は約1%と極端に少ないですが、ジャワ島には世界最大の仏教寺院が存在しています。

また、バリ島で信仰されているヒンドゥー教がありますね。本場インドとは違い、厳格な戒律も階級制度もなく、非常に緩やかな教義になっているとのこと。

 

インドネシアの文化や生活習慣はどんなもの?

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いよいよインドネシアの文化や生活習慣について入っていきましょう。日本とはいったいどのように違うのか?比べてみるのも面白いのかも知れませんね。

インドネシア人はいつも笑顔(でも怒らせると恐い?)

首都のジャカルタなどでは、ごく一般的なインドネシアの国民性を知ることができますね。まず彼らは笑顔に屈託がなく、いつもニコニコしている感じです。そんな感じだからすごく性格も大らかな感じ。お店へ行って接客してもらっても常に笑顔を絶やさないから、こちらも良い気分になれますよね。

でも、怒らせると恐いことでも有名だったり。原因はやはりイスラムの戒律に触れることや宗教上の理由もありますが、例えば他人の前で恥をかかされると烈火のごとく怒りますし、仕事のミスを問い詰めると「仕事を指示した上司が悪い」と逆に怒るような始末。日本では考えられないような理由で怒ることもしばしばだとか。

日本とは全然違う生活習慣

多くのイスラム教徒やヒンドゥー教徒がそうであるように、【左手は不浄なもの】とされていますね。だから左手で食べ物は持たないし握手もしない。物の受け渡しすらしません。ですので一般的なトイレでは、右手で手桶を持って水を流し、左手でお尻を洗うのです。衛生上の問題もあるでしょうから、だからこそ不浄な左手を使うんですね。

特にジャカルタなどの都市部では、交通渋滞が頻繁で世界的にも有名ですね。そこで渋滞時には「車に3人乗せていないと通行できない」というルールが施行されました。そのルールが出されて以来、道端にはたくさんの車待ちの人たちが並ぶようになったそうです。見知らぬ人とはいえ乗せてくれる人はチップをもらえるし、乗った人も早く目的地へ着くことができるので、お互いに助かっているそうですね。

インドネシアでは、どんな小さな家にも【お客様部屋】があるそうです。例えば日本の場合ですと、たいした用件でなければ玄関先で話すことも珍しくはありませんが、礼節を重んじるこの国では、どんな些細なことであっても必ずお客様部屋に通さなければならないとのこと。

インドネシアの食文化【グルメ情報もまとめて】

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いよいよインドネシアの食文化を解説しましょう。最近では日本でもナシゴレンやカレーなどのインドネシア料理が一般的に広まり、さまざまな食材もスーパーなどに並ぶようになってきました。そこで!もしかしたら、まだそんなによく知られていない料理があるかも知れないですよね。魅力のインドネシアグルメを紹介していきましょうか。

 

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明石則実