新しい年号の決め方は?年号を決める手順と豆知識
#3 元号が2つあった南北朝時代
実は、元号が2つ存在していた時期があります。それは、南北朝時代という、鎌倉時代が終わった後のこと。建武の新政が崩壊した後、足利尊氏が新たに天皇を擁立したのが北朝、吉野の後醍醐天皇側を南朝とし、それぞれの元号を用いていました。
南朝側は、元徳の後、元弘→建武(北朝と同じ)→延元→興国→正平→建徳→文中→天授→弘和→元中と続き、南北朝の合一で明徳となります。
北朝側は、元徳の後、正徳→建武(南朝と同じ)→暦応→康永→貞和→観応→文和→延文→康安→貞治→応安→永和→康暦→永徳→至徳→嘉慶→康応→明徳となり、明徳4年で南北朝が統一されました。
#4 漢字4字の元号を使用した時期も
元号は、漢字2文字のものがほとんどですが、実は4字だった時期があります。749~770年にわたる期間で、それがこの5つ。
天平感宝(てんぴょうかんぽう)・天平勝宝(てんぴょうしょうほう)・天平宝字(てんぴょうほうじ)・天平神護(てんぴょうじんご)・神護景雲(じんごけいうん)
この4字の元号というのは、中国の則天武后が使用していたことに由来するんですね。
#5 元号によく使われる漢字は「永」
現在までの元号で、よく使われている漢字があるんですね。それが、「永」という漢字。
永観・永延・永祚・永承・永保・永長・天永・永久・元永・永治・永暦・永万・寿永・建永・貞永・文永・永仁・康永・永和・永徳・応永・永享・永正・大永・永禄・寛永・宝永・安永・嘉永
数えてみると、29回使われています。続いて多いのが「元」と「天」。そして、「治」、「応」と続くんですね。実は使われている漢字は、偏っていることがわかりますね。
古来から続いてきた元号を大事にしよう
現在では、元号よりも西暦がよく使われるようになりました。それもあり、元号と西暦のカウントの仕方が異なって、元号で書くのはわかりにくいといった意見も。しかしながら、元号は、大化の時代から続いてきたもの。古来から続いてきた大切なものとして、これからも大事にしていきたいですね。