日本の歴史

今さら聞けない!知っているようで意外と知らない「おみくじ」のマメ知識

おみくじの種類は?17段階ある神社もあるって本当?

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さらに運勢の数についても、神社によって違いがあるようです。一般的には「大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶」の6種類のところが多いですが、しかし中には、凶が数種類あり10種類、12種類になる神社もあります。京都の伏見稲荷大社に至っては大吉が数種類に増えてなんと17種類もの吉凶がずらりと並び、一番よい運勢の名称はなんと「大大吉」!このおみくじを引くことができたら嬉しいですね。趣味に仕事に新しいことに何でもチャレンジして、よい年にすることができそうです。

そもそもおみくじに書かれている内容とは、占いではなく、神様からのメッセージでありアドバイスであると考えられています。よい運勢であっても努力を怠れば悪いほうに転じてしまう可能性があるというのが、陰陽道の基本的な考え方です。単に運がいい、悪い、ついている、いないだけでなく、書かれている内容を心に留めて、生活の参考にすることが大切であると考えられています。

おみくじにはどんなことが書いてある?内容・読み方について

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一般的なおみくじには、縦に長い白い紙の上のほうにまず、和歌や漢詩などの歌とその意味が書かれています。よく読まずスルーしていたという方も多いかもしれませんが、実はこの歌が、おみくじの内容で最も重要であり熟読すべき箇所であると言われているのです。おみくじの創始といわれる良源が作ったくじに漢詩が書かれていたことからも、この歌が重要であることが伺えます。

運勢が小吉であっても、よい歌が書かれていることもあるので、次回おみくじを引く際は、ぜひ歌の部分に注目してみてください。

・願望(ねがいごと):望んでいること
・待人(まちびと) :人生を変えるような人との出会い
・失物(うせもの) :落し物、なくした物
・旅行(たびだち) :旅行
・商売(あきない) :商売、売り買い
・学問(がくもん) :勉強
・相場(そうば)  :株取引など
・争事(あらそい) :ケンカや訴訟など
・恋愛(れんあい) :恋愛
・転居(やうつり) :引越し、移住
・出産(おさん)  :出産
・縁談(えんだん) :結婚に関する出会い

大切なことは、おみくじは当たる・当たらないという占いではなく、神様からのアドバイスであるということです。一番最初の「願望」には、よいことが書いてあってもあなた自身が努力しないとなりませんよ、という意味が込められていると言われています。よく読むと深いことが書かれているおみくじ、日々の教訓にしていきましょう。

結ぶ?持ち帰る?おみくじにまつわる決まりごととは?

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みなさんはおみくじを引いた後、そのおみくじをどうしていますか?境内の木などに結んで帰るという方も多いかもしれませんが、正式にはどうしたらよいのでしょうか。こうしたこともやはり、神社や地域によって違いがあるようですが、できればよりご利益があるよう、正しいおみくじの引き方についても理解しておきたいものですね。

そこで最後に、おみくじを引く際の注意点や決まり事などについてまとめました。神社や地域それぞれ慣習の違いはあると思いますが、お参りするときの参考になさってください。

おみくじは何度引いてもよいの?正しい引き方とは?

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まず、おみくじの引き方についてですが、おみくじだけ引いて帰るのではなく、きちんとお参りすることが大切です。鳥居の前で一礼し、参道を通って手水舎で手や口を清め、賽銭箱にお賽銭を入れて参拝してからおみくじを引きましょう。

引くときは、願いごとなどを思い浮かべながら引くとよいとされています。おみくじを開いたら、まず和歌を読み、次に運勢の各項目を読んでいくようにしましょう。

「おみくじを引いたら凶が出たのでもう一回引きたい、何回引いてもいいのかな?」と誰かに聞かれたらどうしますか?これについても、神社や地域によって考え方に違いがある可能性はありますが、回数に制限を設けている神社はなさそうです。もう一度引いても問題にはなりません。

しかし、繰り返しになりますがおみくじは占いではなく神様からのアドバイスです。たとえ凶を引いたとしても、内容をよく読み気をつけることで良運に転じることもあります。それこそがおみくじの本領なので、内容に不満があったとしても、引きなおしはしないほうがよいのかもしれませんね。

おみくじは境内に結んだほうがいい?持ち帰るべき?

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神社の境内には「結び所」と呼ばれる場所が設けられています。

「みくじ掛」と呼ばれることもありますが、杭や木の間に紐を渡し、その紐におみくじを結ぶことができるようになっていることが多いです。おみくじの内容があまりよくないときなど、神社に預けて吉が凶に転じるよう願うと考える方が多いようですね。

結び方は、おみくじを縦に細長く三つに折り、結び所のあいている場所に、利き手と逆の手で結ぶのが望ましいとされています。右利きの人は左手で結ぶのがよいそうですが、右手を使ってはならないという意味ではなく、他の参拝者の迷惑にならないよう気を配りながら可能な範囲で、と捉えればよいようです。

ただ、必ず結び所に結ばなければならないということではありません。境内に結んでも持ち帰ってもどちらでもよいのです。吉凶に関わらず神様からのアドバイスであると考えると、持ち帰って手元に置き、ときどき読み返すのもよいかもしれません。

おみくじの期限とは?新年に引いたおみくじは1年間有効?

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「お正月に大吉のおみくじを引いたけれど、この有効期限はいつまでなのかな?」そんなことを考えた経験、ありませんか?おみくじの内容には特に期限は設けられていません。強いて言うなら、次に神社を訪れて次のおみくじを引くまでが、そのおみくじの有効期限ということになっています。あるいは「おみくじを引くときに思い描いた願いごとが叶ったときまで」と見なすこともあるそうです。

毎月神社にお参りしておみくじを引く人もいるでしょうし、年に1回初詣のときだけという人もいるでしょう。おみくじの有効期限は人それぞれということになりそうです。

これも、おみくじの内容が神様からのメッセージであり、本人の努力次第で良運にも悪運にもどちらにも転じる可能性があるということを鑑みると「この内容の有効期限は○月○日まで」などと期間が設定されていないのも頷けます。いつまでご利益があるかというより、次のおみくじを引くまでこの内容を心にしまっておこう、と考えるとよさそうです。

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