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フランス・中華・トルコ~歴史ある「世界三大料理」の魅力とは?

世界三大料理とは「フランス料理」「中華料理」「トルコ料理」のこと。この3つを特に「三大」と呼ぶのかというと、基準があるわけでもなく順位付けしたわけでもなく、単に「食材豊富で歴史が古く知名度が高い地域の料理」ということで、昔から、主にヨーロッパ圏の料理研究家たちの間で言及されてきた料理だから、ということなのだそうです。日本人からすると、フランス料理や中華料理に比べると、トルコ料理はなじみがない、という気も……。そこで今回の記事では、そんな「世界三大料理」にスポットをあて、おすすめ料理などもご紹介していきたいと思います。美味しそうな料理や食材がたくさん登場します!空腹時は要注意です。

美食の宝庫「フランス料理」

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世界三大料理……まず初めにご案内するのが「フランス料理」の世界です。洗練された優雅で高貴なイメージの強いフランス料理ですが、いつ頃から、どのようにして発展していったのでしょうか。また、代表的な料理とは?麗しいフランス料理の世界へご案内いたします。

歴史は意外と新しい~16世紀の宮廷料理として発展

フランス料理というと「マナーが厳しい」「ナイフとフォークの使い方が難しい」「音を立てて食べたら下品だと思われる」などなど、格調高い印象が強いです。

確かに、現代のフランス料理というと、食材も味付けも厳選された繊細なものが多いですが、実は現在のようにナイフやフォークを使って品よく食べる作法は、16世紀ごろに定着していったといわれています。

ではそれ以前は?中世のフランスの食生活とは、火を通した食材を大皿に乗せ、テーブルの上に雑多に並べて各々手づかみで食べるという、シンプルかつ原始的なスタイルが一般的でした。スープ類はスプーンですくって飲むか、パンに浸して食べるスタイルが主流。まだ、ナイフはおろかフォークすら、フランスでは普及していなかったのです。

味付けについてもそれほど種類はなく、肉を加熱し濃いめのソースをかけて食べる、という感じ。食器に関しても、ひとりひとりに配膳することがほとんどないため、パンが食器替わり、ということも多かったようです。

そんなワイルドなフランスの食事風景が大きく変わったのは16世紀。当時のフランス王・アンリ二世のもとに、イタリアのフィレンツェで絶大な力を持つ銀行家で大富豪のメディチ家からカトリーヌ・ド・メディシスが嫁いだことが発端となります。

当時のイタリアの食文化は最先端。カトリーヌの輿入れにより、イタリア料理の文化がフランスに流れてきます。さらにフォークとナイフを使用する食事作法も定着。以後、フランスの料理人たちはフランス王家や貴族たちのために工夫を重ね、フランス料理は独自の路線を歩み続けることとなったのです。

フランス料理の特徴と代表的な食材・料理

フランス料理と一口に言っても、食材や地域によって様々な調理法や味付けが存在します。

大きくとらえるなら「旨味・深み」を大事にする料理が多いと言えるかもしれません。食材を長時間煮込み、多くの香辛料やハーブを組み合わせてアクセントをつけた深みあるソースやスープを使って、複雑で味わい深い料理を作り出す……それが、フランス料理の特徴と考えてよさそうです。

使われる食材も豊富。国土が東西南北四方に広く、山もあれば海にも近いため、肉料理から魚介までメニューも様々です。

よく使われる食材としては、牛肉や鴨肉。焼いて濃厚なソースをかけて食べるステーキスタイルが主流ですが、鴨肉のコンフィ(低温の油で煮たもの・油に漬け込んで保存したもの)などもよく見かける料理です。

南部ではムール貝をはじめとする魚介類を煮込んだブイヤベースという料理もあります。また、エスカルゴもフランス料理を代表する食材です。

そのほか、レンズマメなど豆類も大切な食材。野菜も、ポトフなど家庭料理にはたっぷり使います。

フランス料理に欠かせないものといえば「ワイン」と「チーズ」でしょう。どちらも、地域によって様々な種類が存在し、フランス文化の中核を担うものとなっています。

さらにフランス料理の締めくくりとして重要なのがコーヒー。コクのある濃いめのコーヒーが好まれるようです。

四千年の歴史「中華料理」

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よく「中国四千年の歴史」などと表現することがありますが、決して大げさな話ではありません。食に関しても、紀元前10世紀ごろにはすでに、パーティー料理のような豪華なご馳走を作ってふるまったという記録が残されています。歴史も長ければ国土も広い。無限に広がる中華料理の世界、覗いてみましょう。

果てしなく長い歴史を持つ中華料理の世界

チャーハンや餃子といった定番メニューが並ぶ庶民的な食堂から、高級な食材をたくさん使った料理を有するレストランまで、中華料理を出す店のスタイルは多種多様です。歴史も長いし人口も多いし国土も広く風土も様々。考えてみれば、中国に様々な料理が存在するのも当然の話です。

正確な文献が残っているわけではありませんが、まだ石器時代と呼ばれていた頃から、塩を作って料理に加える、といったことが行われていたと考えられています。

さらに紀元前4000年頃には、調理のための道具や器を作って使っていました。先史の遺跡から、石を削って作った包丁のような刃物も出土しています。

さらに、紀元前10世紀頃に誕生した周王朝では、すでに「煮る」「焼く」「蒸す」「漬け込む」といった調理が行われていました。様々な食材を使った宴会料理のようなものが作られていたそうです。今から3000年以上前に、既に現代の中華料理の基本的な調理法が確立していたと考えられています。

広い国土を有する中国では、料理も「八大菜系(八大中華料理)」に分類されることが多いです。山東、江蘇。浙江、安徽、福建、広東、湖南、四川料理の8系統。それぞれ、使う食材も味付けも様々で、料理を見るだけでも中国の広さがわかります。

中華料理の特徴と代表的な食材・料理

そんな中華料理の特徴、やはり一言で言い表すのは難しそうですが、しいて言うなら「火力」でしょうか。「炒める」という調理法だけでも数十種類も存在するというこだわり。鍋の中で食材を躍らせ強い炎にくぐらせて調理する、という点は、八大中華に共通する特徴であると言えそうです。

数限りなく存在する中華料理のメニューの中から、代表的なものをいくつか見ていきましょう。

まず北京料理の中から。中国大陸の中でも寒い地域に属するこの地域では北京ダックのような、味噌や醤油をふんだんに使った塩分高めの味付けが多くみられます。

次に広東料理。海が近く温暖なこの地域では、魚介や野菜など豊富な食材を活かし、旨味を聞かせたあっさり味の料理が多いです。フカヒレ、燕の巣、果物など、ほかの地域ではあまり見られない高級な食材もよく使われます。

上海料理では、海に面している地域ならではの魚介類をふんだんに使った料理が主流。小籠包など点心類が充実しているのもうれしい限りです。

四川料理は、花椒や唐辛子など香辛料を利かせた辛い料理が主流。麻婆豆腐や担々麺など、日本でもおなじみの料理が数多くこの地域から渡ってきています。

複数文化の融合「トルコ料理」

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日本では、フランス料理や中華料理ほどお馴染みではないトルコ料理。専門店もそれほど多くないように思われます。しかし歴史を紐解いてみると、現在のトルコがある地域はヨーロッパとアジアの境目であり、古くから多くの人々が暮らし行きかう、複数の文化が入り混じる場所だったのです。当然、様々な食文化が入ってきて、おいしいものもたくさんあったはず。トルコ料理とはどんな料理なのか、覗いてみるといたしましょう。

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