日本の歴史

日本の国花は桜?菊?あの国の花は何?麗しき「国花」の世界

国花(こっか)とは、その国の象徴とされる花のこと。特に「国花を決めなければならない」という決まりがあるわけではないので、花を指定していない国もありますが、世界中の多くの国々が、ひとつないし複数の花を「国を象徴する花」と定めています。世界の国々では、どんな花が愛され、象徴とされているのでしょうか。今回の記事では、世界各国の国花をいくつかピックアップしてご紹介。お仕事や観光で海外に行かれる際、参考にしていただけたら嬉しいです。

国花とは何か?その国を象徴する花や草や木々のこと

image by PIXTA / 41456805

国花とは、その国の国民から最も親しまれ、愛され、大切にされている花のこと。王家や名門貴族の紋章に使われたり、紙幣や硬貨のモチーフになったりと、公的な場面で日々目にする機会が多い国花。しかし、国歌や国旗のように法律などで制定されていない国がほとんどなのだとか。ずっと昔からその国の大地に咲き、命をつないできた草花だから、法律などに書き記すまでもない、ということなのかもしれません。そんな植物たちに敬意を表しつつ、世界各国の国花、ほんの一部ですがご紹介いたします。

日本の国花は?「菊」と「桜」が国を代表する花

国旗や国歌と違い、線引きがあいまいな「国花」という存在ですが、実は正式には、日本には「国花」というものはないのだそうです。

法律で定められた国花というものはないのですが、国を代表する花としては「菊」と「桜」が挙げられます。

桜は百円玉や切手のデザインに使われるなど、古くから日本を代表する花として使われてきた花。長く厳しい冬を乗り越え、やっと訪れた春を象徴する花でもあります。あでやかに咲いてパッと散るところも、日本人の心をつかんで離さない要因と言えそうです。

一方の菊も、日本人にはなじみの深い花。天皇家の紋章という意味で、国花に相当する花と見られることも多いようです。

小さな野菊から愛好家向け・観賞用の大輪菊まで種類も様々。ボリュームのある菊は高値で取引されることもあるそうです。また、菊は花粉が少なく花びらも散りにくいため、仏花にも用いられる花。日本人の生活には欠かせない花となっています。

永遠の美の象徴「バラ」:アメリカ

アメリカの国花は「バラ(Rose)」です。

バラのほかにもうひとつ「セイヨウオダマキ(Aquilegia vulgarii)」も国花として挙げられることがあります。

1985年、バラを国花とする決議が上院で可決。翌年、当時の大統領ロナルド・レーガンがホワイトハウスで署名して、正式に国花となったのだそうです。

しかしアメリカ合衆国という国は、国土が広すぎて気候も風土も様々。バラに馴染みのない州もたくさんあります。一応、国花はあるものの、アメリカの人々にとっては、各州ごとに設けられている「州花」のほうが馴染みがあるようです。

参考までに、バラを州の花としているのはニューヨーク州。カリフォルニアはハナビシソウ、フロリダはオレンジの花、バージニアはハナミズキ、ハワイはハイビスカスが州花となっています。

「牡丹」か「梅」か国民投票で:中国

image by PIXTA / 50868126

中国では、21世紀に入ったあたりから「国民投票で国花を決めよう」という動きがあったのだそうです。何度か投票が行われ、牡丹が1位に。しかし2位となった梅の人気も根強く、いっしょ両方国花にしてしまってはどうか、いやいやだったら蓮も入れるべきだろう、蘭も入れるべきなのでは……等々、国花をめぐって様々な論争が起きているとも伝わっています。

一方で、投票で1位になったのだから牡丹が国花、との見方も。歴史が古く国土が広く人口も多い国は、象徴となるものを絞り込むのも容易ではなさそうです。

中国では古くから「十大名花」と呼ばれる花々があります。絵や書、詩などの題材として、多くの人々に親しまれてきた花。梅、牡丹、庚申薔薇(コウシンバラ)、蘭、つつじ、菊、山茶花(サザンカ)、蓮、金木犀(キンモクセイ)、水仙です。

ひとつ選ぶと「ちょっと待った!」が入りそうな、甲乙つけがたい顔ぶれ。中国の国花がどれかひとつに定まるまで、長い時間がかかりそうです。

バラやチューリップを国花に選ぶ国々

逆に、国花として人気のある花といえばなんでしょうか?

アメリカの国花として登場した「バラ」は、ほかにも、サウジアラビアやイラク、オマーン、キルギス、アルジェリア、モロッコ、ブルガリア、ルクセンブルク、エクアドルなどがあります。

ただし、バラ全般というわけではなく、色や品種を特定している国も多いです。

そして、バラといって忘れてはならないのがイギリス。イングランドの国花はテューダー朝の紋章にもなっている「テューダー・ローズ」。赤と白混合の架空のバラです。

そして、グレートブリテンと北アイルランドからなる連合王国の国花もバラ。色が決まっているわけではなさそうですが、イングリッシュガーデンにはバラは不可欠。様々な品種を集めて庭を彩るのが英国風なのかもしれません。

国花として人気の高い花といえばもうひとつ、チューリップも複数の国に選ばれています。

チューリップと聞いて真っ先にオランダを思い浮かべる人も多いいでしょう。予想を裏切らず、オランダの国花はチューリップです。

さらに、ハンガリー、アフガニスタン、イラン、カザフスタン、そしてトルコも、チューリップを国の花としています。実はチューリップの発祥の地はトルコなのです。

そのほかの国は?主な国の国花を一挙ご紹介!

国歌や国旗のように、各国ともに必ず1つ、法律や条例で決められているものがあれば一覧にしやすいのですが、それぞれ国によって事情が異なります。「国花」または「国を代表する花」「国民から親しまれている花」ということになりますが、主だった国の国花(または国花に相当する植物)を一覧にしてみました。

複数の可能性あり・国の並び順に意味はありません。順不同です。

エジプト:スイレン
ロシア:ひまわり、カモミール
オーストラリア:ゴールデンワトル
ニュージーランド:コファイ
スロベニア:コムギ
イタリア:デイジー
フランス:アイリス、ユリ
ギリシャ:オリーブ(国樹)、ニオイスミレ、アカンサス
スペイン:オレンジ、カーネーション、ザクロ
ポルトガル:カーネーション、ラベンダー
ポーランド:パンジー、ヒナゲシ
フィンランド:スズラン
スロバキア:ジャガイモ
リヒテンシュタイン:オレンジリリー
イエメン:アラビカコーヒーノキ
マルタ:マルタヤグルマギク
リビア:ザクロ
ブラジル:イペー、カトレア、ブラジルボク(国樹)
メキシコ:ダリア
ホンジュラス:リンコレリア・ディグビアナ
パラグアイ:ベブイア・アルゲンテア、トケイソウ、バンマツリ
パナマ:ペリステリア・エラタ
バルバドス:オオゴチョウ
トリニダードトバゴ:ヘリコニア
コロンビア:アラビカコーヒーノキ、カトレア
ウルグアイ:セイボ
アルゼンチン:セイボ
フィジー:カトレア、タンギモウジア(稀少固有種)

次のページを読む
1 2
Share: