ノルウェーはどこにある?どんな国?
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国旗について触れる前に、まずはノルウェーという国についておさらいしておきましょう。ちなみに筆者には縁あってノルウェー人の友人が何人かいますが(ノルウェー在住)、日本に住んでいるノルウェー人にはお会いしたことがありません。それもそのはず、外務省のデータによると在日ノルウェー人数はわずか424人(2016年12月現在)だそうです。少ないですね!
ノルウェー基本情報
正式国名:ノルウェー王国
首都:オスロ
言語:ノルウェー語
面積:約38.6万平方キロメートル
人口:525万8317人(2018年1月)
通貨:ノルウェー・クローネ
スカンジナビア半島にある豊かな王国
ノルウェーはヨーロッパの北部に位置する立憲君主制の王国。EU非加盟国で通貨はクローネです。税金や社会保障費が高いことで知られていて、物価の高さは世界でもトップレベル。そう聞くと何だか住みにくそうと思うわれるかもしれませんが、国連が発表している「世界幸福度ランキング」では常に上位!社会福祉が充実し、経済も安定した超先進国で、国民の生活はとても豊かなのです。
国土はスカンジナビア半島西側にあり、東側はスウェーデンに接しています。西側はノルウェー海、南側は北海に面していて水産業が盛ん。ノルウェーサーモンは日本の食卓でもお馴染みですね。氷河の侵食で形成された複雑な海岸の地形はフィヨルドと呼ばれ、美しく壮大な光景で有名。北側の国土は北極圏内まで及び、オーロラが観測できるため観光客にも人気です。
ノルウェー国旗はどんな旗?
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ノルウェーの場所や国の特徴がわかったところで、本題のノルウェーの国旗について説明していきましょう。ノルウェー国旗を日本で目にする機会は少ないですが、この記事を読んでいる方はノルウェーに興味がある方だと思うので、これを機会にぜひノルウェー国旗について詳しくなってくださいね。
国旗のデザインと意味・その由来とは?
現在のノルウェー国旗は、赤地に白く縁取られた青のスカンジナビア十字(ノルディック・クロス)から成ります。デザインしたのは、19世紀のノルウェー議会議員フレドリック・メルツァー。赤青白のトリコロール(三色旗)は「自由、平等、友愛」を象徴したフランス国旗が有名ですが、他にも、オランダ、イギリス、アメリカなどの民主国家の国旗でも採用されており、メルツァーもそれらの国に倣って自由を象徴するためにこの色を使ったとの記録を残しています。
形状は、街中やオリンピックなどのイベントで見かける市民旗の比率が縦横8:11の長方形。また、政府旗や軍機は16:27の比率で、右側が燕尾型に伸びた形になっています。国旗の縦横比率は実に様々で、例えば日本国旗は2:3、ノルウェー国旗の元になったとされるデンマーク国旗は28:37とやや正方形に近い形です。中にはスイスとバチカンの国旗のように正方形のものもあります。
歴史から受けた影響
平和なイメージの北欧ですが、歴史を紐解くと、この地域も戦争や他国からの支配から無縁でなかったことが分かるでしょう。古くはヴァイキングの居住地だったことで知られる現在のノルウェーに最初の王国が成立したのは9世紀末ごろ。その後内戦や黒死病の影響を受け14世紀以降長くデンマークの支配下に入り、1814年からはスウェーデン統治に移っています。
メルツァーが国旗をデザインした1821年当時も、現ノルウェーはスウェーデン統治下でした。そのため、メルツァーの旗は当初市民旗としてのみ採用され、軍旗には連合王国の旗が使われていました。軍旗に同じデザインが使えるようになったのは、立憲君主国として独立した1905年以降です。交点が中央より旗竿側に寄ったスカンジナビア十字を取り入れたのもデンマーク国旗からの影響であり、デンマークやスウェーデンとの親密な関係を表しています。
国旗を大事にする国民性
ノルウェーの人たちは、自国の国旗を愛し大事に扱うことでも知られています。法律でも国旗を揚げて良い時間や扱い方が定められていて、決して国旗を粗末にすることはしません。また同様に他国の国旗を敬う文化も持っているそうです。自分の国に誇りを持ち、他国も尊重する姿勢は日本人も見習いたいものですね。
また、普段からノルウェーの人たちは国旗のデザインを好んで生活やファッションに取り入れていて、特に5月17日のノルウェーの憲法記念日前には、国旗や国旗をデザインしたグッズで街中がいっぱいになります。北欧デザインは洗練されたおしゃれなものが多いので、ノルウェーを訪れた際にはお土産として購入するのも良いでしょう。