アメリカの歴史独立後

どうしてリーマンショックは起こってしまったの?リーマンショックの原因と日本における影響について解説!

日本の経済を大きく揺るがしたリーマンショック。実はこの不況が起こったわけにはアメリカでのとある債権が絡んでいたのです。 今回はそんなリーマンショックについてどうして起こってしまったのか?その結果どうなってしまったのかについて解説していきたいと思います。

リーマンショックってどんな出来事なの?

image by PIXTA / 24476580

リーマンショックは2008年に大手証券会社であるリーマン・ブラザーズが倒産したことによって世界に波及した大恐慌のことを指します。

このリーマンショックでアメリカ市場はおろか、世界中で株価が乱高下して大混乱状態となりましたが、実はこのリーマンショックというのは和製英語。本当に英語で言うのであればthe financial crisis of 2007–2008(2007年から2008年の金融恐慌)、the Global Financial Crisis(国際金融危機)、 the 2008 financial crisis(2008年金融危機) と呼ぶのが一般的です。

リーマンショックとはどうして起こってしまったのか?

image by PIXTA / 36135599

リーマンショックは世界中で波及した一大恐慌でしたが、この恐慌はなんの前触れもなく起こったものではなく、いろいろな兆候が見られそれが重なった結果に起こってしまったものでした。果たしてどのような兆候が起こっていたのか、まずはリーマンショックが起こってしまった理由について見ていこうと思います。

サブプライムローンの問題化

リーマンショックの兆候が起こっていったのはリーマンショックが起こる2008年の一年前。この年サブプライムローンを提供していたアメリカの大手企業であるニューセンチュリー・ファイナンシャルが倒産。

サブプライムローンというあまり聞き慣れない言葉が出てきましたが、このサブプライムローンは言ってしまえば誰でも借りれるようなローンで住宅を担保にすることによってある程度の社会的信用が無くてもお金を十分に借りることができると言うローンでした。

つまりはフリーターや芸人を目指しているような財政的基盤がないような人も借りることができたのですね。

しかし財政的基盤がない人がお金を借りるとなると蒸発したり、踏み倒したりする不安が有るかもしれませんが、この当時のアメリカは住宅や土地の値段が跳ね上がっているいわゆる土地バブルが巻き起こっており、たとえローンを踏み倒してもその住宅を差し押さえて売り飛ばせばローン分のお金は取り返すことが可能だったのです。

しかし、だからといってそんな危なっかしい債権をいつまでも持っているわけにもいきません。そのためこのサブプライムローンを証券会社や投資銀行に売り飛ばそうとしたのです。

住宅バブルの崩壊とサブプライムローンの破綻

こうしてサブプライムローンの債権を売り飛ばすことなりましたが、だからといって危険な債権だということは変わりませんので、いろいろな債権とごちゃごちゃに混ぜてそれで何事もなかったのように売ってしまったのです。

普通なら投資家たちはこの債権は大丈夫なのか?と疑うのが基本なんですが、その基準となっている格付け会社が最高評価であるAAAをつけてしまったせいで世界中の投資家がこのサムプライムローン入りの債権を購入。世界中に広がる状況を作り上げてしまったのです。

しかし、サブプライムローンという債権自体がそもそも債務者が払えなくなってしまうことを前提にしていたため、支払いができなくなってしまった人が続出。そのせいか住宅が余ってしまう状況が出てきてしまい、最終的には需要と供給のバランスが崩壊し、アメリカの住宅バブルは崩れ去ったのです。

そのおかげでサブプライムローン自体も住宅バブルの崩壊ととも破綻。

この債権は大丈夫かということで市場は大パニック。サブプライムローンを買っていた投資家は資産のほとんどを失ってしまいました。

さらにサブプライムローンという債権がほかの債権とごちゃ混ぜにして売っぱらっていたという事実もばれてしまい、投資家たちは被害を出さないためにも「もしかしたら、自分の金融商品にもサブプライムローンが含まれているかも」と慎重体制となっていきました。

その結果証券会社は軒並み業績悪化。名を馳せていたリーマン・ブラザーズが倒産したことによってついにリーマンショックが起こってしまったのです。

リーマンショックによってどのような被害を出してしまったのか?

image by PIXTA / 22015924

リーマンショックはサブプライムローンによって引き起こされた恐慌だったのですが、その結果アメリカはおろか世界中で不況の嵐か巻き起こることとなったのです。

アメリカの市場の崩壊

リーマン・ブラザーズが2008年に連邦裁判所に破産手続きを行なって破産となってしまいましたが、その時の負債総額64兆円はこれまでのアメリカの破産の中ではトップとも言われるほどの負債を出してしまい倒産してしまいました。

ちなみに、この時大手銀行であったバンク・オブ・アメリカやバークレイズなどがリーマン・ブラザーズを買収しようとしましたが64兆円という天文学的な額の負債を持っていたことを知ると救済することができず、さらにこの時のアメリカの政権与党である共和党は民間企業には不干渉の立場を取ってしまったためリーマン・ブラザーズは破綻。その後銀行にもリーマン・ブラザーズに貸していたお金が帰って来られなくなり経営は悪化。お金を貸し渋るようになりアメリカの経済は大混乱。

その結果アメリカの中小企業がその影響をもろに受けて破産した結果失業率が上昇。リーマンショックが起こる前は5%だったのが10%となり、さらにはアメリカのGDPもマイナス6.3%となってしまい景気が後退することとなりました。

その後のアメリカ大統領選では共和党は敗北。民主党のバラクオバマが当選を果たし大統領に就任しました。

ヨーロッパへの影響

不況の波はヨーロッパにも及びます。ヨーロッパでも景気は停滞していきアイスランドではすべての銀行を国有化しましたが、その時に発生したのがギリシャ破綻危機。莫大な借金を抱えていたことが政権交代の時に発覚したことによって欧州債務問題に発展。アメリカが経済回復の兆しが見えてきた2011年には失業率がうなぎのぼりとなりEUへの不信感を招くこととなりました。

次のページを読む
1 2
Share: