カトリック・プロテスタント・正教会の違いって?わかりやすく5分で解説
- 日本人のキリスト教イメージといったらこれ?「カトリック」の特徴あれこれ
- 一番弟子聖ペテロの後継者「使徒座」としてのローマ法王
- 聖母マリア、シスター(修道女)、懺悔……で、カトリックって何者?
- 複雑怪奇?プロテスタントって何者?
- このワードは覚えておこう!カトリックとプロテスタントは大違い
- 実は複雑?十人十色のプロテスタント諸教派
- 覚えて!「正教会」というもう1つの教派
- カトリックでもない、プロテスタントでもない……東方正教会って?
- 聖職者も結婚OK?離婚も大丈夫?合理的な正教会のシステム
- ここは同じ!カトリック・プロテスタント・正教会
- 教派の違いを覚えておくのは、教会へ行く前のマナー!
この記事の目次
日本人のキリスト教イメージといったらこれ?「カトリック」の特徴あれこれ
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日本人に一番なじみがある、日本人がイメージするキリスト教の姿といったら「カトリック」。聖母マリアがいて、お祈りのとき十字を切って、聖人がいて、十字架にイエス・キリストがいて……ということで歴史的にも文化的にも親しい、カトリック(西方教会)から入っていきましょう。具体的にどんなものか、あなたはご存知でしたか?
一番弟子聖ペテロの後継者「使徒座」としてのローマ法王
キリスト教の歴史において、東方正教会と並んで古くからの歴史を持つカトリック(西方教会)。キリスト教諸教派において数・権威ともに最大勢力を持ち、2018年の統計では全世界に13億人(うち、日本のカトリック信者は44万人強)。イタリア・ローマに拠点を置くことからローマ・カトリックとも呼ばれます。
ローマ法王(バチカンの推奨呼称は「ローマ教皇」)は絶大な権力を今も持ち、ローマ法王の発言1つで株価や国際情勢が変わると言われているほど。歴史上においてその存在感は一国の皇帝を社会的に放逐するほど強烈で、ローマ法王がウザい!とときのイギリス国王がプロテスタントの一派である英国国教会を作ったのは有名です。
なんでこんなに偉いの?その権威の根拠は新約聖書にあります。十字架刑の3日後に復活し、弟子たちの前に姿をあらわしたイエス・キリストは「天国の鍵」を一番弟子の使徒ペテロに授けました。この聖ペテロの「使徒座」の継承という形でローマ法王は存在するのです。使徒座に関しては東方正教会もその地位を主張しています。
聖母マリア、シスター(修道女)、懺悔……で、カトリックって何者?
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日本人に一番親しみのある文化を持つのが「カトリック」のイメージでは?聖母マリア崇敬が行われ、シスター(修道女)がおり、信者は「懺悔」をする……。日本に初めてやってきた教派がカトリックであることからも、日本が世界有数のマリア信仰国であることから「キリスト教=聖母マリア」とそちらに連想が行く方もいるのでは。
聖母マリアは新約聖書において、イエス・キリストを処女懐胎した乙女。キリストが十字架刑になったそのときも、ずっと付き添い続けていたという偉大な母親です。時代が下るにつれて信仰が篤くなっていきました。神父、修道女、修道士ら聖職者は、信徒の中から特に優秀な人が選ばれてなるエリート。清貧・貞潔・服従の3つを誓い一生涯だれとも恋愛・性的関係を結ばず、修道会の命令に絶対服従。世のため人のため行動し祈りを捧げる生活です。
そして「懺悔」。現在では「ゆるしの秘跡」と呼ばれるものですが、信徒がみずからの罪を司祭に告白します。聞いた聖職者は絶対にそれを外に漏らしてはならない。だれかに言ったら職務違反、神様との約束破り。内容を外に言わなかったがために軍人に殺された司祭もいるとか。といっても話をする以外に大したことはなく「ごめんなさいと神様にお祈りをしておくこと」神父さんから言われて終了だそうです。
複雑怪奇?プロテスタントって何者?
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マルティン・ルターらがきっかけで16世紀に勃発した宗教改革。ヨーロッパ全土を巻きこんだゴタゴタの末に「プロテスタント」と呼ばれる教派が誕生しました。カトリックを「旧教」プロテスタントを「新教」と記すことも。でも、プロテスタントって1つの教派の名前じゃないんです!日本人にはほとんどわかっていない「プロテスタント」なるものを解説。
このワードは覚えておこう!カトリックとプロテスタントは大違い
日本人のほとんどが抱いているイメージはきっと次の通りでは?
1.教会には十字架があってイエス・キリストが磔になっている
2.聖母マリアがいる
3.シスター(修道女)がいてロザリオを持っている
4.お祈りのとき十字を切る(カトリックでは上→下→左→右)
5.日曜日に「ミサ」がある
……これ全部、プロテスタントでは「ありません」。
プロテスタントは歴史の授業で習ったとおり、カトリックはダメだ!と対抗して開かれた教え。過熱した聖人信仰や聖母信仰を「偶像崇拝」と判断。尊くはあるものの聖母マリアはただのヒト、聖人たちもふつうの人間、というのがプロテスタントの見解です。また秘跡も、聖職者の権力増長を招くために廃止されました。大切なのはあくまで、神のみ言葉である聖書。なのでとてもまじめに、聖書を熟読。また毎日曜日に開かれる集団の祈祷をミサではなく「礼拝」といいます。わかりやすい見分け方は、礼拝堂の十字架にキリストがいなくて、聖母マリアも見当たらなかったら、プロテスタントです
また多くの人がわかっていないのが、神父と牧師の違い。「神父」はカトリック(および東方正教会)。カトリックの神父は生涯性的関係を結ぶこと禁止、絶対に未婚(正教会は後述)。「牧師」はプロテスタント、妻帯OKで家庭をもつことができます。神父と牧師を混同していると、キリスト教について知らないなと認定されてしまいますよ。
実は複雑?十人十色のプロテスタント諸教派
と、ここまでカトリックとプロテスタント、というざっくりした認識でまとめてきました。しかしプロテスタントとは「プロテスト(対抗)勢力」つまりnotカトリックな教派のことです(東方正教会は例外)。プロテスタントの諸教派の中でも有名なのはルター派、聖公会、カルヴァン主義などですが、聖書の解釈にともない、プロテスタントと1つに括っているもののそれぞれの教派でいろんな違いがあるんですよ。
このプロテスタントの教派ですがおおむね、福音派とエキュメニカル派の2つに分かれます。福音派は、保守派。聖書の教えを固く守り、良きキリスト教徒であることに重点を置く人々です(日本人の持つ「敬虔なクリスチャン」のイメージに近いかと)。エキュメニカルは「超教派」「世界教会主義」とも訳される教派。これまで分裂してきた教派の人たちと仲良くしようというリベラルな派です。
ただしプロテスタントのキリスト教に見せかけた危ないカルトな新興宗教もあるので、カトリック・プロテスタント共に教会を訪問する際は少し調べてみてからのほうが良いかもしれません。
覚えて!「正教会」というもう1つの教派
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学校で世界史選択だった方は中世史を思い出してください。「大シスマ(教会大分裂)」ってありましたよね。あのときカトリックと東方正教会がたがいを破門して……で、東方正教会ってナニ?西ヨーロッパの歴史を重点的に勉強する関係上、影が薄い感じの正教会。知らない人も多いだろうこの宗派、実はカトリックとプロテスタントに比べて合理的で伝統的?そんな正教会の世界をご紹介。