コーヒーの世界を知ってみよう!種類・淹れ方・豆の生産量トップ5等々
飲み方いろいろ!コーヒーの種類と豆知識
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コーヒーにはさまざまな淹れ方・飲み方があります。カフェや喫茶店で何気なく使っているコーヒー用語もたくさんありますが、それぞれどんな意味があるのでしょうか。まず、よく耳にするコーヒーの種類について詳しく解説します。
ブレンドとは?アメリカンって何?
「ブレンド」とは、数種類のコーヒー豆を混ぜたコーヒーのことです。豆の比率や混ぜ方に決まりがあるわけではなく、カフェや喫茶店などコーヒーを出すお店独自の配合で作られています。そのお店の特徴が最もよく出るコーヒーと言えるでしょう。ブレンドの配合に力を入れているお店も多いので、「新しいお店に行ったら、まずブレンドコーヒーを注文する」というコーヒー通の方も多いようです。
ブレンドコーヒーに対して、単一品種のコーヒー豆だけを使ったコーヒーを「ストレートコーヒー」と呼びます。この場合は「ブルーマウンテン」とか「キリマンジャロ」とか品種名でそのまま呼ぶことになりますから、「ストレートコーヒー」という言葉を使う機会は少ないかもしれません。
「アメリカン」というと、お湯で薄めた薄いコーヒーという印象をお持ちの方も多いと思います。確かに、そういうメニュー名でコーヒーを出しているお店もありますが、本来はそういう意味ではありません。コーヒーとは、豆を焙煎(ロースト)して作ります。「深煎り」という言葉があるように、念入りに焙煎すると苦みが増しますが、逆に焙煎が浅いものを「アメリカン」と呼んでいるのです。
アメリカでは18世紀後半頃まで紅茶が主流で、コーヒーを淹れる道具などが充実していなかったため、軽めに焙煎したコーヒー豆が好まれました。アメリカの水にも浅めの焙煎豆のほうが適していたようです。こうしたことから、日本では「アメリカ=薄いコーヒー」というイメージが定着していきました。
「アメリカン」とは和製英語で日本独特の表現。焙煎が浅いので、概ね、アメリカンコーヒーのほうがカフェインは強めです。
エスプレッソとドリップの違いとは?
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「エスプレッソ」とはコーヒーの粉に高圧蒸気をかけて抽出したコーヒーのことです。蒸気圧で一気に抽出するので、泡だった濃いめのコーヒーに仕上がります。高圧蒸気でコーヒーを抽出できる専用マシンがエスプレッソマシンです。日本でも近年、スターバックスなどカフェ・コーヒー店の影響でエスプレッソが広まりました。
特にイタリアでは、エスプレッソが一般的で好まれます。espressoはイタリア語で、英語の「express(エクスプレス:急行)」という単語に相当。急速に抽出するのでこの名前がついたという説が一般的ですが、エスプレッソという単語には「注文ごとに、特別に」という意味合いもあります。いつ頃からどこで誰がで「エスプレッソ」と言い出したのかは、よくわかっていないのだそうです。
一方「ドリップ」とは、コーヒーの粉にお湯を含ませ自然に透過・抽出させる方法。dripとは英語で「落ちる・滴る」という意味の単語です。一般的には、コーヒードリッパーにペーパーフィルターをセットし、10gほどのコーヒー粉を入れてお湯を注いで抽出します。特に高価な装置も必要ありませんし、ひとり分でも簡単に入れることができて手軽です。
エスプレッソと比べると、ドリップのほうがじっくり時間をかけて抽出するので、コーヒーの苦味や渋みが増すといわれています。
カフェオレとカフェラテの違いとは?
よく耳にするコーヒートリビアのひとつですが、改めて整理しておきたいと思います。
カフェラテともカフェオレも、どちらもミルク入りのコーヒーのことです。カフェラテの「ラテ」はイタリア語の「ミルク(ラッテ)」に由来。一方のカフェオレの「オレ」はフランス語由来で、「レ」がミルクを意味します。
どちらも、コーヒーとミルクの組み合わせを表す単語ですが、イタリア語由来が意味するところからわかるように、カフェラテはエスプレッソがベース。カフェオレはドリップコーヒーがベースとなることが一般的です。
イタリア語が語源のカフェラテですが、イタリアではカフェマキアートというメニューもあります。1ショットのエスプレッソに泡立てたミルク(フォームドミルク)を注いで作ったコーヒー。マキアート(macchiato)とは「染みのついた」という意味の単語で、エスプレッソに注いだミルクが染みみたいに見えるところからきているそうです。
おそらく「カフェラテ」という単語とレシピを定着させたのは、アメリカのスターバックスを始めとするカフェの存在でしょう。ミルクの量にも差をつけている店が多く、一般的にはカフェラテのほうがミルクの割合が多いようです。
ただ、フランスでは、メニュー名がカフェオレであってもベースにエスプレッソが使われていることもあります。明確に区別しようとしているのは、案外、日本だけなのかもしれません。
ところで「コーヒー豆」って何?
コーヒー豆がどうやってできるかご存知ですか?
コーヒー豆とは「コーヒーノキ」という植物の実の中身(種子)を焙煎したものです。コーヒーノキはもともと、アフリカ大陸の中西部を中心に広く自生・分布していた野生の植物で、放っておくと10mほどにも成長します。
起源については諸説ありますが、コーヒーの実に眠気覚ましのような効果があることは1000年以上も前から認識されていたようです。
コーヒーノキにもいくつかの種類がありますが、現代ではアラビカ種という品種が主流。生産量も世界の8割ほどを占めています。ブルーマウンテンやコナコーヒーなど有名な銘柄は概ねアラビカ種です。他には、香りや渋みが強くインスタントコーヒー生成に適しているロブスタ種、栽培が難しいため現代では収穫量が少ないリベリカ種などが挙げられます。
コーヒーの実は赤い果肉で、一粒一粒はサクランボのような小さな丸い実。外側の果肉は甘くてジューシー。果肉の内側の、2つで1組になっていて薄い緑色した種子がコーヒー豆になります。果肉から種子の部分だけを取り出し、焙煎して粉にして……。1杯のコーヒーには多くの人の労力がかかっているのです。
コーヒー豆の産地は60カ国以上~生産量の多い国トップ5
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もともとはアフリカに自生していたコーヒーノキが、栽培目的で世界各地に広まったのは17世紀から18世紀にかけてと考えられています。17世紀後半にはヨーロッパ各地でコーヒーが飲まれるようになり、やがて自分たちの国の植民地にコーヒーの苗を植えて栽培を始めたのです。
コーヒーノキは熱帯・亜熱帯地域の気候を好むため、赤道を挟むようにしてベルト状に原産地が広がっています(コーヒーベルト)。北半球は北緯25度線のあたりが境界線で、残念ながら日本はコーヒーベルトには含まれていません。
現在、世界中でコーヒーを生産している国は60カ国以上あると言われています。以下に、中でも特に生産量の多い国をまとめました。
世界トップの生産量を誇るコーヒー大国・ブラジル
数あるコーヒー生産国の中でも、トップの生産量を誇るのがブラジルです。実に世界のコーヒー生産量の3割を占めています。国土が広く大規模な農園の運営が可能。天日乾燥が可能な南米特有の明るい日射しなど、コーヒー生産に適した条件が揃っています。
ブラジルでコーヒー栽培が始まったのは、今からおよそ300年ほど前のことです。当初、コーヒー栽培を支えていたのは多くの奴隷たちでしたが、19世紀中頃に奴隷制度が廃止になると、海外からの移民たちを多く受け入れることで労働力を補いました。
現在では、広い国土を活かして様々な品種のコーヒー栽培が行われていますが、最も有名なものは「サントス」という銘柄でしょう。サントスとはサンパウロ州にある港町で、16世紀中頃のポルトガル植民地時代から多くの船が行き交い栄えていました。
ブラジル産のコーヒー豆は、苦味と酸味の絶妙なバランスが特徴です。クセが少なく重過ぎないのでチョコレートやミルクとの愛称も抜群。お手ごろな値段でお財布にも優しいところも人気のポイントです。