コーヒーの世界を知ってみよう!種類・淹れ方・豆の生産量トップ5等々
意外?輸出量世界第2位の底力・ベトナム
コーヒー豆といったらアフリカや南アメリカが主流かと思いきや、世界のコーヒー豆の生産量第2位に座する国はベトナムです。意外に思う方も多いかもしれません。コーヒー栽培が始まったのは19世紀に入ってからですが、ベトナムはコーヒーの生産量でも消費量も多い、世界屈指のコーヒー大国なのです。
ただ、ベトナムで栽培されているコーヒーは大半がロブスタ種。缶コーヒーやインスタントコーヒーなどの原料になることが多く、そのため知名度はいまひとつとされています。ロブスタ種は安価で育てやすいですが、味が濃く苦味も強いため、加工には向いていますがそのままでは少々飲みにくいのです。
そのせいもあって、ベトナムの人々はコンデンスミルクなどを入れ、甘くしてコーヒーを楽しんでいます。また、バターやチョコレートなどを加えたコク深いコーヒーも人気です。
世界遺産にもなったコーヒー伝統国・コロンビア
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南米コロンビアはコーヒーの栽培に適した土壌を持つ緑豊かな国。丘陵地帯も多く、雨季と乾季のバランスや水はけのよい土質など恵まれた環境下で、数多くの品種が栽培されています。
ブラジルとほぼ同時期、300年ほど前に、コロンビアにもコーヒーノキが持ち込まれましたが、栽培・輸出が軌道に乗り本格化したのは20世紀に入ってからでした。現代では国民の20%以上がコーヒー産業に関わっていると言われており、コーヒー栽培が国の産業の中心を担っています。
比較的小規模な農園形式で栽培が主流で、一口にコロンビア産の豆といっても、地形や風土などに合わせてコーヒー豆の風味や味わいもさまざま。ほとんどがアラビカ種で、高級な品種も多く栽培しています。中でも特に有名なのが「エメラルドマウンテン」。大変希少な品種なのだそうです。
2011年には「コロンビアのコーヒー産地の文化的景観」という名で、アンデス山脈の麓の広大なコーヒー生産地が世界遺産に登録されました。
豊かな風土が生み出す刺激的なコーヒー豆・インドネシア
インドネシアは赤道直下の縁豊かな国。1万以上もの島々から成る世界最大の群島国家であり、人口およそ2億4千万人のアジア屈指の大国です。長くオランダの植民地となっていましたが、20世紀半ばに独立しました。
インドネシアにコーヒーを持ち込んだのはオランダです。17世紀の後半、アラビカ種がジャワ島に持ち込まれたのが始まりとされています。19世紀に入ると大規模な栽培が行われるようになり、やがて国を支える一大産業に発展しました。
インドネシアで栽培されているコーヒーノキは、丈夫で病害に強いロブスタ種がほとんど。アラビカ種と掛け合わせ、土壌に適した育てやすい新しい品種の改良などにも力を入れています。アラビカ種自体の栽培は数が少ないですが、スマトラ島の「マンデリン」やスラウェシ島の「トラジャ」などは、世界的にも評価が高く人気のある品種です。
特徴は強い苦味と深いコク。ピリッと舌に残るようなスパイシーでな刺激も魅力です。
コーヒー発祥の地・エチオピア
コーヒーの起源については諸説ある点は先ほどお話したとおりですが、コーヒーノキはもともと、アフリカ大陸に自生していたもので、大航海時代のヨーロッパ世界進出の勢いに乗って世界中に広まっていきました。
もともとはアフリカの植物。もちろんアフリカにも、コーヒー豆の原産国はたくさんあります。その代表が、コーヒー発祥の地と言われている東アフリカのエチオピアです。
近年、ホンジュラスやメキシコなど中南米の国々の生産量が伸びていますが、コーヒーはエチオピアの経済を支える主要産業。アフリカ大陸ではNo.1の生産量を誇ります。
コーヒーショップなどで「モカ」という単語を目にすることがあると思いますが、モカとはもともと、紅海を挟んでエチオピアの対岸にあるイエメンの港町の名前です。モカ港は古くからコーヒー豆の出荷港でした。エチオピアのコーヒー豆も、この港からよその国に運ばれ、そこからこの名前が付いたと考えられています。
どの種類を飲もうか~知れば知るほど奥が深いコーヒーの世界
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大きめのカップにたっぷり注いで香りを楽しんだり、シロップやホイップクリームを少し落としてまろやかにしたり、人によっておすすめの飲み方も変わります。色々な飲み方が楽しめるコーヒー。仕事や勉強に行き詰まったら気分を変えて、いつもと少し違った飲み方で楽しんでみてください。