- 黄道十二星座とは~太陽の通り道にある星座たち
- 1)牡羊座(おひつじ座:Aries)東の空を駆ける金の羊
- 2)牡牛座(おうし座:Taurus)白い牡牛の正体はゼウス?
- 3)双子座(ふたご座:Gemini)展開に仲良く並ぶ兄弟愛
- 4)蟹座(かに座:Cancer)ヘラクレスに踏まれた勇敢なカニ
- 5)獅子座(しし座:Leo)ヘラクレスと戦った巨大ライオン
- 6)乙女座(おとめ座:Virgo)乙女とは誰のこと?
- 7)天秤座(てんびん座:Libra)
- 8)蠍座(さそり座:Scorpio)オリオンを殺した毒さそり
- 9)射手座(いて座:Sagittarius)弓を引いているのは誰?
- 10)山羊座(やぎ座:Capricorn)しっぽだけ魚形の奇妙なヤギ
- 11)水瓶座(みずがめ座:Aquarius)天に召喚された美少年
- 12)魚座(うお座:Pisces)美の女神が魚の姿に?
- 知ればさらに面白い!ギリシャ神話と黄道十二星座
この記事の目次
黄道十二星座とは~太陽の通り道にある星座たち
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地上から夜空を見ると、星々が丸い天球に貼りついているように見えますよね。実際には、各星々はもっと遠くにあり位置はバラバラなのですが、星の動きの観察は、プラネタリウムのスクリーンのような天球をイメージして行います。この天球上を、太陽も1年で1周するわけですが、その太陽の通り道のことを黄道と呼び、この黄道上にある星座の数は全部で13。この星座を古代の人々は特別なものと考え、星占いが誕生したと考えられています。黄道十二星座(こうどうじゅうにせいざ)は、この13の星座のうちへびつかい座を除いた12の星座のことなのです。それぞれの星座にどんな神話があるのか、ひとつずつ見ていきましょう。
1)牡羊座(おひつじ座:Aries)東の空を駆ける金の羊
ギリシャの古代都市ボイオティアの王様アタマスには、プリクソスという息子と、その双子の妹ヘレがいました。王にはイノという後妻がいましたが、こいつが悪女で、国中の穀物が枯れるように仕向けて飢饉を起こし、なんと双子を生贄にしようと仕向けたのです。
この事態をいち早く察したゼウスは金色の毛の羊を双子のもとに送り、二人を脱出させます。金色の羊は双子を乗せ、東の空へ。羊のスピードがあまりに速かったので妹のヘレは海に落ちてしまいますが、兄のプリクソスは東の国コルキスへたどり着き、この羊を生贄としてゼウス神にささげました。
2)牡牛座(おうし座:Taurus)白い牡牛の正体はゼウス?
天体と牛に関する伝承は古代オリエントを中心に数々残されていますが、ギリシャ神話ではエウロペの誘拐の神話と結び付けられることが多いです。
ある時、あのゼウスが、フェニキア王アゲノルの娘エウロペに恋をします。
ゼウスは白い牡牛に変身してエウロペに近づき、誘拐。クレタ島へ連れ去り、ゼウスとエウロペの間には3人の男の子が誕生したのだそうです。
3)双子座(ふたご座:Gemini)展開に仲良く並ぶ兄弟愛
ギリシャの古代都市・スパルタにレダという美しい王妃がいました。また例によってゼウスがちょっかいを出したとか出さなかったとか……。とにかくレダはある日突然、卵を二つ産みます。なぜ卵?という話はとりあえず置いておいて、とにかくここから、カストルとポルックスという双子の男の子が誕生するのです。
二人のうち、ポルックスはゼウスの子であり、全知全能の神の力が備わっていて不死身でした。
カストルとポルックスは大変仲の良い兄弟でしたが、ある時、カストルは戦争で命を落としてしまいます。悲しんだポルックスはゼウスに、自分の不死をカストルと分け合いたいと申し出たのです。望みを聞いたゼウスは二人を星座として天に上げたと言われています。
4)蟹座(かに座:Cancer)ヘラクレスに踏まれた勇敢なカニ
かに座は、ゼウスの子であり勇者として知られるヘラクレスの12の冒険がもとになっています。
ヘラクレスは過去に犯した罪を償うため神々に命じられ、化け物退治など危険な仕事をこなす旅に出発。そのうちのひとつに巨大蛇ヒュドラ退治がありました。
この戦いを近くで見ていたのが大蟹カルキノス。ヒュドラがヘラクレスに倒されそうになったのを見てヒュドラに加勢し、ヘラクレスの足をハサミでガシャン!しかしヘラクレスはこれを振り払い、カルキノスを踏みつぶしてしまうのです。
哀れに思った女神ヘラが、踏みつぶされたカルキノスを星座にしたと言われています。
5)獅子座(しし座:Leo)ヘラクレスと戦った巨大ライオン
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続くしし座も、ヘラクレスの12の功業が深くかかわっています。
ギリシャ半島の東側にあるネメアという地域に、いつのころからか巨大ライオンが住み着き、村を荒らして人々を怖がらせていました。その皮膚は鉄よりも硬く、弓矢をも跳ね返すと言われています。
この化け物ライオンを退治しようとネメアの森の奥深くへ入っていったヘラクレス。弓が効かないと知るや否や、ライオンを棍棒で叩き、素手で押さえつけて3日3晩首を絞め続けて仕留めたのだそうです。
これを見ていた女神ヘラ。ライオンを称え、天に上げて星座にします。ヘラはどうやら、ヘラクレスのことをあまりよく思っていなかったようです。
6)乙女座(おとめ座:Virgo)乙女とは誰のこと?
乙女座については、複数の神話や伝説が伝えられています。よく説かれるのが、農業の女神デメテルとその娘ペルセポネの神話と、正義の女神アストレイアの神話です。今回はデメテルのお話を少しだけご紹介します。
ペルセポネの神話には、冥界の神ハデスの存在が。ハデスはペルセポネを気に入り、冥界に連れ去ってしまうのです。デメテルは娘を取り返そうと奔走。しかしペルセポネが冥界でザクロを食べていたため完全には天界に戻ることができず、4か月だけ冥界に戻らなければならなくなってしまったのです。
デメテルが娘を案じている姿が星座となり、乙女座に。乙女はデメテルのことだと考えられています。