その他の国の歴史

世界の不思議巡りの旅へ~遺跡からミステリースポットまで一挙紹介!

謎に包まれた天空都市・マチュ・ピチュ

マチュ・ピチュは南米ペルーのやや南方、ウルバンバ渓谷の山間の標高およそ2400mの位置に存在する、15世紀のインカ帝国の都市遺跡です。

1911年7月24日、アメリカの探検家ハイラム・ビンガムによって発見され、大変話題になりました。

険しい山々の頂の限られた平地部分に段々畑のように石が積まれ、都市が形成されている様子は「一生に一度は行ってみたい世界遺産」として多くの人の心をひきつけています。

「マチュ・ピチュ」とはケチュア語で「老いた峰」を表す言葉が変化したもの。インカ帝国は16世紀半ば、大航海時代に大海原に漕ぎ出し植民地拡大を進めるスペイン人によって征服され、滅亡しました。しかし山の麓から見上げてもその存在を見ることができないマチュ・ピチュは、スペイン人に発見されることなく、そのまま20世紀まで忘れ去られてしまったのです。

インカ帝国には文字による記録がなく、未だ多くの謎に包まれています。ここに暮らしていた人たちはどこへ行ったのか、なぜこのような高地に都市を形成したのか。今後の調査に期待が寄せられています。

まるで異次元!地形が織りなす世界の不思議な絶景三選

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世界にはまだまだ、不思議なスポットがたくさんあります。次にご紹介するのは、大自然の奇跡が生み出した絶景。変わった形の岩、不思議な模様の山、洞窟、森、滝、湖……。大自然の偉大さを再認識できる、謎めいた絶景の中から3か所、厳選してご紹介します。

長い歴史を持つ奇岩群・カッパドキア

カッパドキアはトルコの高原地帯に広がる、奇妙な形の岩が織りなす自然絶景です。

その広さは南北およそ50㎞。火山の噴火によって体積した火山岩が侵食して形成された無数の岩は、まるで生き物のような躍動感ある不思議な形をしています。ラクダや馬のような形をしたものや、キノコを連想させるようなもの、人間のような形をしたものも。穴や洞窟も各所に見られます。草原の緑と白い岩とのコントラストが美しく、その光景を一目見ようとする観光客が後を絶ちません。

数億年前できたとされる複雑な形状の奇岩群には、先史時代から人の暮らしがあったのだそうです。青銅器などが数多く出土。場所柄、ヒッタイトやペルシャ、ローマ帝国、オスマン帝国などの強大国が、交通の要衝として重要視していたと考えられています。

紀元後1世紀頃には、ローマ帝国から迫害を逃れたキリスト教徒がこの地に移住。岩穴を削って礼拝堂や修道院などを築き、隠れ住んだ時期もありました。

カッパドキア(Cappadocia)とは都市の名前ではなく、この周辺一帯の地域の名前。「美しい馬の地」という意味を持つペルシア語から来ているのだそうす。

鮮やかな縞模様は大地の記憶・張掖丹霞地貌

張掖丹霞地貌(ちょうえきたんかちぼう)とは、中国大陸北西部、甘粛省(かんしゅくしょう)で見られる、鮮やかな縞模様の地層が作り出すカルスト地形のことです。

丹霞(たんか)とは、中国では地形用語としてよく使われる言葉で、夕焼け色のような鮮やかな堆積岩による地形を指します。堆積岩で形成された縞模様の地形は中国大陸南部でいくつか見られ、大変貴重なものとされていますが、張掖丹霞地貌は2002年に発見されたばかりの新参。近年、観光地としても注目を集めています。

複雑に凹凸を繰り返す広大な岩山は太陽の光を浴びて赤や黄色、青など様々な色彩を放ちながら美しい縞模様を形成し、その様子はさながら虹のよう。別名「七彩山」とも呼ばれ、まるで岩肌にペンキをぶちまけた現代アートのような光景は、映画のロケ地にも使われ話題になりました。ただ、あまりに突飛な光景だったため、はじめのうちはCGだと思われていたようです。

巨人が築いた石の道・ジャイアンツ・コーズウェイ

地上には、自然が作り出した造形ながら「人が作ったのでは?」と思いたくなるような光景も多々あります。アイルランド北部の海岸線に残るジャイアンツ・コーズウェイもそのうちの一つです。

白い波しぶきが打ち付ける黒っぽい岩がおよそ8㎞に渡って続く海岸線。自然の造形とは思えない、まるで庭の敷石のように整えられた六角形の石が無数に敷き詰められています。「柱状節理」と呼ばれる、火山活動が生み出した石柱が連なってできた独特の地形。自然の現象であることには間違いありませんが、そうとわかっていても、誰かが石を積んで作ったのではないかと疑いたくなってしまいます。石柱の数は4万にも及ぶのだそうです。

地元では古くからフィン・マックールという巨人の伝説が伝えられています。ジャイアンツ・コーズウェイは、フィン・マックールがスコットランドの巨人との戦いに行くために造った石の道であると信じられていました。

実際には、およそ6千万年ほど前に起きた激しい火山活動の末、流れ出した溶岩が急速に冷えて収縮。ひび割れて六角形の柱状の岩が形成されました。このような光景は日本でも、福井県の東尋坊などで見ることができます。

謎解きは楽しい・世界の不思議なスポットへ出かけましょう!

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今回は海外に目を向けて「世界の不思議なスポット」をご紹介いたしましたが、国内にも不思議なスポットはたくさん。いつ?なぜ?どこから?どういう意味がある?等々、ミステリアスなスポットの謎解きは楽しい!写真や映像でも十分、雰囲気を味わうことはできますが、一度はぜひ、足を運んで直に見てみたいものです。

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