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北欧国旗を見分けよう!似ているのはなぜ?違い・背景を解説

似たようなデザインが多く、見分けるのがなかなか難しい北欧諸国の国旗。あなたはどの旗がどの国の国旗だかすぐに分かりますか?今回は北欧好きな筆者が、国旗の違いや制定された背景にある歴史をご紹介します。

北欧とはどこ?どんな国がある?

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「北欧」とはその名の通り、ヨーロッパ北部の地域を指す言葉です。どの国を北欧に含めるかは、国や機関によって異なりますが、日本の外務省ではデンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンを北欧5か国と呼んでいます。それでは、それぞれの国について、もう少し詳しく見ていきましょう。

スカンディナヴィア3国はどんな国?

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「北欧」と聞いて一番最初に思い浮かぶのがスカンディナヴィア(スカンジナビア)半島ではないでしょうか。スカンディナヴィア半島は、ヨーロッパ北方に位置する巨大な半島で、ノルウェーとスウェーデン及びフィンランドの一部の領土が含まれます。それぞれ南北に長く広がる領土を持っていますが、どこがどの国か分かりますか?

スカンディナヴィア3国のうち、一番西側に位置するのがノルウェー。沿岸部のフィヨルドやバイキングの歴史で知られる立憲君主制国家です。ノルウェーの東側に位置するスウェーデンも立憲君主制国家で、日本ではファッショナブルな家具や衣類が人気。高福祉国家としても有名です。一番内陸にあり、ロシアと国境を接するのがフィンランド。共和制の国家で、ムーミンやサンタクロースのふるさとしてもお馴染みですね。

デンマークとアイスランドはどんな国?

デンマークはユトランド半島及び多くの島々から成り、南はドイツと国境を接しています。スカンディナヴィア半島からは離れた場所に位置していますが、歴史的にスカンジナビア半島の3国と繋がりが深いので、スカンディナヴィア諸国の一つに数えられる場合もあるようです。王室を持つ立憲君主制国家で、童話作家アンデルセンを生んだ国としても知られています。

アイスランドは北大西洋に浮かぶ共和制国家。オーロラや氷河、火山など雄大な自然が特徴の島国です。日頃よく目にするメルカトル図法の世界地図では、高緯度になるにつれて面積が広く描かれるため、アイスランドは広大な島のようにイメージされている方も多いでしょう。しかし、実際の面積は102,828平方キロ。これは日本の北海道と四国を合わせた程度の面積です。

バルト3国も北欧に含まれる?

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バルト3国とは、エストニア、ラトビア、リトアニアの3つの共和制国家。バルト海を挟んでフィンランドの南側にエストニア、ラトビア、リトアニアの順で位置しています。バルト3国は3国で語られるのが一般的で、北欧の国に数えられることはあまりありません。日本の外務省でも北欧5か国とバルト3国を分けていますが、「北欧・バルト8か国」として地域的には同じ枠組みとして扱っています。

エストニア、ラトビア、リトアニアそれぞれの首都であるタリン、リガ、ビリニュスの旧市街区域は世界遺産に指定されている美しい都市です。今は日本のメディアで取り上げられることは少ないですが、これからは人気の旅先のひとつになっていく可能性も大。デンマークの影響が大きい北欧諸国と違い、バルト3国は歴史上ロシア(旧ソ連)から受けた影響が大きく、国旗のデザインにも違いが見られます。

北欧諸国の国旗が作られた背景

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北欧と呼ばれる地域にはどんな国があるか整理できましたでしょうか?さて、ここからが本題!北欧5か国の国旗はデザインがよく似ていますが、あなたは見分けがつきますか?ここでは同じような国旗が作られた背景には何があったのか見ていきましょう。

スカンディナビア十字の由来はデンマーク国旗

北欧諸国の国旗に共通しているものと言えば「スカンディナビア十字」。この十字の元になっているのが、世界最古の国旗のひとつであるデンマーク国旗です。現代では北欧の小国となったデンマークですが、過去の歴史を紐解くと、北欧最強国としてこの地域を支配していたことが分かります。平和なイメージ北欧にもかつて戦いあり、デンマークから受けた影響が国旗にも現れているのです。

スカンディナビア十字は、正面から見ると左寄り、つまりクロスの中心が旗竿側にずれていますよね。これはなぜでしょう?実は、軍旗や軍艦旗として使用する際は、長方形でなく燕尾型の形の旗するため、燕尾型でもきれいに見せるための工夫なのです。単にデザインがきれいだからではないのですね。ちなみに日本の旭日旗も、風の強い海上でも見栄えが良いようにという理由で、海軍旗は丸の位置が中心からずれています。

色の違いを覚えて国旗を見分けよう!

北欧の国旗には、スカンディナビア十字が共通して採用されているのは一目瞭然ですが、下地と十字の色は、国によって異なりますよね。それでは国別に使われている色とそれぞれの意味を挙げてみましょう。

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