フィナンシェとマドレーヌはどう違う?知って楽しい洋菓子雑学の世界【7選】
#6 「ショートケーキ」の「ショート」の意味とは?
誕生日や記念日に食べる定番のお菓子といったら、ショートケーキを思い浮かべる人が多いでしょう。ふわふわのスポンジケーキにたっぷりの生クリーム、真っ赤なイチゴをあしらって、見た目も味も華やか。ケーキ界のキングといってもいいでしょう。
ショートケーキ(shortcake)とは、実は国によって形も素材も大きく異なります。日本人がイメージする、スポンジの間のつなぎと外側に生クリームをたっぷり使ったイチゴのケーキは、大正時代に不二家が広めたものなのだそうです。イギリスではビスケット生地を使ったものが多く、アメリカではムース生地のものが主流。フランスではショートケーキという呼び方はしませんが、濃厚なクリームとお酒の香りを利かせた「フレジエ」というイチゴケーキがあります。
ところで、ショートケーキの「ショート」って何だかご存知ですか?これほど多くの人に愛されているケーキでさえも、名前の由来は今ひとつはっきりしないのです。
イギリスの「ショートブレッド」というサクサクしたお菓子がもとになっているという説や、スポンジを作るときにショートニングを使うからという説、日持ちしないことを言い表したという説もあります。
ところで、日本では近年、毎月22日を「ショートケーキの日」と呼んでいることをご存知ですか?なんで?と思った方はぜひ、カレンダーを見てみてください。22日の上にあるのは毎月必ず15日(イチゴ)。こんなジョークに思わず顔がほころんでしまうのも、ショートケーキがみんなに愛されている証と言えるかもしれませんね。
#7 レシピがそのまま名前になった「パウンドケーキ 」
由来に諸説あって今ひとつパリッとしない洋菓子が多い中、潔い由来を持つケーキを発見しました。パウンドケーキです。
パウンドケーキとはバターをたっぷり使って四角い型で焼いたケーキのこと。発祥は18世紀から19世紀にかけてのイギリスといわれています。18世紀後半から20世紀初頭にかけて、砂糖漬けのフルーツやナッツをたっぷり入れたケーキが作られるようになりました。クリームを使ったケーキに比べると日持ちすることなどから、知人友人に送るプレゼントなどにも用いられていたようです。
肝心の名前の由来ですが、ご安心ください。この場合は竹を割ったようにはっきりしています。パウンドケーキの「パウンド」とは重さの単位・ポンドのことです。1ポンドは約453 6gで、小麦粉、バター、砂糖、卵をそれぞれ1ポンドずつ使っていることから、パウンドケーキ(pound cake)と名づけられました。
何ともわかりやすい!レシピの分量がそのまま名前になるという、まさに直球勝負です。
フランスにも同じように小麦粉、バター、砂糖、卵を同分量ずつ入れたケーキがありますが、こちらは「カトル・カール」といいます。意味は「四分の四」で、こちらも分量がそのまま名前になっていてわかりやすいです。
知れば知るほど楽しい洋菓子雑学の世界へ
お祝いの席やお中元、お歳暮、母の日や父の日にも、日頃の感謝の気持ちを込めてお菓子を贈ることがあります。有名なお店の本格的なお菓子から子供たちの手作り菓子まで、今も昔もお菓子をいただくと本当にうれしいものです。誰かに贈るために洋菓子を選ぶとき、名前の由来や歴史などを思い出してください。よりよいお菓子選びのお役に立つとうれしいです。