我が国の経済政策の方向
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本来は、日本も「小さな政府」志向で大胆な規制緩和が必要になっていますが、硬直的な官僚機構と自然災害が多い島国特有の事情から規制緩和は進んでいません。実質的に中身のないアベノミクスになっているのです。本筋から外れた外国人観光客の誘致や五輪開催ばかりに依存して、新型コロナウイルスによるパンデミックによってそれらも破綻してしまいました。すなわち、かえって経済的な被害をより大きくしてしまっているのです。
したがって、「大きな政府」、「小さな政府」の選択の前に、何ができるのかをよく政策として検討していく必要があります。それを判断するのは国民ですが、経済的に豊かさを求めることが定着してしまった私たちはその本質が見えなくなり、目先の経済成長に目を向けてしまうことになっているのです。そして、金融政策に過度の負担をかけてしまっている結果、すでに日本銀行のとれる政策は将来のバブル崩壊とハイパーインフレを覚悟した量的緩和しかなくなっています。
もはや「大きな政府」、「小さな政府」と論争する意味はなくなった
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新型コロナウイルスによるパンデミックは、世界中の国の経済を崩壊させており、これまでに経験したことのない経済規模の落ち込みを経験しています。それは、自然災害やパンデミックといった人類の大きなリスクを無視して経済発展のみを豊かさの象徴としてきた現代人に対する警告の意味合いが強いと言えるでしょう。私たちの社会には経済よりも大切なものがあることを教えてくれていると言えます。その意味で、「大きな政府」、「小さな政府」といった論議よりも、私たち人類にとって本当に大切なものは何か、豊かさとの何かということをもっと論議する必要があるでしょう。